ピンクの表紙の今号は、昨年秋の季節風大会推薦作が載っているため、ずっしりとぶ厚く読み応えのあるものでした。投稿作品で掲載されたのは3作。厳しい!
松弥龍さんの「ふぶき」は、体が弱く長く生きることのできない妹を思う少女のせつない話。さて、この作品について3人の作家さんが作品評を書いています。そこでラストが不要という意見とあっていいという意見がわかれているのが、興味深かったです。つまり正解というのがあるわけではないのです。もちろん多数の意見というのがあるのでしょうが、このように意見が分かれることがあるというのも、文学ならではと思いました。ちなみに、私は俳句をやっているので、余計なことは言わない作品の方が好きなのですが、「ふぶき」に関しては、このラストは「あり!」と感じました。妹へのあふれる思いがほとばしるラストなのです。(読んでない方には、わかりにくい話ですみません)
私は今号では、「色のない物語」と題して、『石の神』(石井彩子・福音館)の書評を書かせていただきました。季節風大会の感想も、熱さの伝わってくる号でした。