fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

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初めての句会

2016年02月12日 | 日記
 先日10名弱の児童文学の合評会があり、その二次会で、句会をしようという流れになりました。
 経験者は私を含めて3名。あとは、中学校の宿題以来的な方たちばかり。
 でも、さすが文学をやっている人たち! 始める前に、春の代表的な季語を渡して(コピーしてくれていた方がいたのよ)「575にして。一句にひとつ季語を入れて」という指示だけで、できるではありませんか!!

 そのときの句の一部をご紹介。(→は添削させていただきました)

  椿咲く空家を出でて雪の坂  
  → 椿咲く空屋の前や雪の坂    耕
 ありもせぬ嘘が語れぬ四月馬鹿     耕 
 寒明に道険しくも交わしつつ
 → 寒明や道険しくも交わしつつ    暁人
 風車ふいてるほっぺた肉まんだ
 → 肉まんのごときほつぺた風車    由紀子
 正座してふと眠りたる春障子     優
 四月馬鹿本音を混ぜて言つてみる   一朗
 窓の下きこえる悲鳴猫の恋  
 →窓下にきこえる悲鳴猫の恋    未夏子
 あれなあに官僚の先の葱坊主 
 → あれなにと指さす先や葱坊主   史子
 
 
 私が特選でいただいたのは、
 恋バナを娘としたりけり鳥帰る
  → 恋バナを娘としたり鳥帰る   成美

 祖母の忌に根芹を洗う水の音
  → 祖母の忌に根芹洗うや水の音   優
 薄氷のように破つたラブレター     一朗
 
 
 ひゃあ、薄氷を破るのと紙を破るのでは、動作は違うけれど、とても斬新。自分が書いて渡す前に破ったのか、以前もらってもう恋が終わったのか、はっきりはしないけれど、それでいい。

 ちなみに私は、
 
 書いて消す恋の話や水草生ふ  
 春浅しホワイトボード白きまま   あぶみ



 と作りました。はは。いいのいいの。みなさん、楽しかったと言ってくれたのでね。
 こうして改めて見ると、どれも季語の斡旋、付け方がいいなあと。初心の場合、春の風、春の空、とかって作りそうじゃないですか。それが一個もないものねえ。歳時記のコピーを持ってきてくれた成美さんの手柄だ。(成美さん、以前一年間、私がカルチャースクールの講師をしていたときに通っていらしたのですよ。季語が大事ってわかってくださってたんだなあ)

   

 ある日の朝、リビングから見た景色。下が黒雲で、上はもう少し、茜色めいていてのですよ。