月刊絵本「こどものとも」2017年1月号です。
西三河の再話。
この雑誌には、折り込み付録として、作者の紹介や編集部だより、ミニエッセイなどが載っているのですが、編集部だよりに、「半田強さんの絵に魅了され『いつか絵本の絵を描いてください」とお願いしてから10年。とあります。編集担当の方は、展覧会に通い続け、やっと実現したとのこと。
絵本の成り立ちのひとつなのだなあと思いました。
この画家さんの絵に合うお話は、ということで昔話に焦点が絞られ、三河の地元で活躍されている久野愛子さんにご検討いただき……とあります。本当に力強くダイナミックな絵です。
母と2人暮らしのたろうが、母の作ったあんころもちを食べたら、3つめがころがっていって……という、昔話にあるパターンが踏襲されていきます。
三河の方言なのでしょう。やさしい語り口もぴったり。
途中で鬼の大将の歯にはさまったあんころもちをとって……というくだりは、(うーん、汚いな)と思ってしまうのは、昔話に浸りきっていない証拠か? と感じるページも。
私も、秋田や岩手の昔話、伝承をなんとか絵本にできないか? と時々書いているのですが。
なお、「こどものとも」は、年中、年少とそれぞれがあります。これは、年長向け。1月といえば、小学校入学が目の前にある時期。この時期の子どもの子どもの一年の成長は著しいわけで、逆に年中さんには、この絵本はちょっと向かないかも、と感じました。