fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

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Information

『そこに言葉も浮かんでいた』(新日本出版社)『アゲイン アゲイン』(あかね書房)『わくわくもりのはいくえん はる おともだちできるかな』『みちのく山のゆなな』(国土社)『ファミリーマップ』、エンタメシリーズ『家守神』1~5巻、『おはようの声』幼年童話『ヘビくんブランコくん』『オンチの葉っぱららららら♪』、短編集『友だちの木』・歴史物語『アテルイ 坂上田村麻呂と交えたエミシの勇士』他、好評発売中です。各種ご依頼は、左側のメッセージからお願いいたします。    

『真夜中のキョーフ』(日本児童文学者協会編)フレーベル館4月3日発売です

2020年03月10日 | 自作紹介
          

 そろそろネットに出てるかなあと検索したら、こんなサイトがありました。
 発売前に読んでいただいた感想ですね! 
 私の作品「お願いがあるの」は、怖いけどほっこり 的な感想。あー、そうかあ。他の方のも、どれも気になります。なにしろ、すごいメンバーなので。

 真夜中 怖い というテーマで、カップラーメンを思い浮かべるそのセンスが、さすがだなあ。
 予約が始まっています。お近くの書店、ネット等で。どうぞよろしくお願いいたします。

 内容紹介
ただの怖い話や怪談とはひと味ちがう、バラエティ豊かなアンソロジーシリーズ「24時間のキョーフ」

「キョーフ」それは日常にひそむ、ちょっとこわくて不思議な体験。24時間いつだって、あなたのそばにあるのです…。

第1巻は「真夜中」。真夜中のつまみぐいの代償、夜中に目を覚ますと突然ひびくだれかの声、地球を侵略する生命体の話まで、いろんな「キョーフ」があなたを襲う!

【豪華作家陣による5つのお話+α!】

巻頭画「カタ タタタタタ…」軽部武宏

「真夜中のカップラーメン」廣嶋玲子

「あけてはいけない」いとうみく

「バラ子」令丈ヒロ子

「お願いがあるの」おおぎやなぎちか

「だれかの声が聞こえる」三田誠広

 
 第一弾! 第二弾以降は、朝だったり、昼だったり・・のはずです。 
 

エゴサーチをして出会う『オオカミのお札(一)ーカヨが聞いた声』レビュー

2020年03月07日 | 自作紹介
           

 新型コロナウイルスと関連して、拙著『オオカミのお札(一) カヨが聞いた声』のご紹介を先日もしましたが、最近、このようなレビューを書いてくださった方がいらっしゃいました。

 このレビュー、この本で伝えたかったことを、的確かつ力強くとらえてくださっていて、嬉しい。
 私などしょっちゅう神頼み、仏頼みをしています。散歩の途中の祠に手を合わせ、高幡不動が近いので、護摩焚きのお札を奉納し・・。
 その願いが本当に叶うと思ってやっているわけではありません。では、なぜそんなことをするのか?
  

 三田さんがどのような方なのか、存じませんが、本当にありがたいです。(二)正次が見た影 (三)美咲が感じた光 も読んでくださいますよう。


 こういう出会いがあるので、たびたびエゴサーチをしてしまうのです(笑)。

杏(あんず)日記①

2020年03月06日 | 自然観察
 庭の杏がつぼみになっています。

 桜もそうですが、つぼみのときは、色がぎゅっと凝縮されていて赤いんですよね。
梅が終わりかけ、桜はまだつぼみになっていません。杏はちょうとこの二つの花の間で、ひっそりと咲き始めるのです。桜か梅と思っている方も多いでしょう。こういう私も、自分ちのは杏とわかりますが、よそのお宅のは、これが「杏」とわかったことがありません。
  写真では、よくわかりませんね。すみません。記録なので。

 私は物語を書いていますが、その中で自然描写をよく取り入れます。
 春の物語なら、春の花を、秋の話なら秋の空を。などなど。
 
 そのとき、たとえば、春の象徴として「たんぽぽ」を書くと、物語は平凡なまま。

 先日も、主人公のもとに鳥がとんできて春を告げる一文を書きました。
 「タンポポが咲いたよ」でもいいんです。でも、私は、
 「カタクリが咲いたよ」と書きました。カタクリがどんな花か、どこに咲いたかは描写していません。字数制限もあったし(笑)。でも、カタクリを見たことがなければ、カタクリを見て「春だなあ」としみじみとした経験がなければ、この一文は書けないと思うのですよ。
 今ネット検索すれば、画像も情報も手に入りますけどね。実際に見たことなくても、この一文は書ける。でも、何かが違うと思う。

 このブログに、四季折々のヤマナシを見に行っている様子も書いていました。最近、これも役立ちましたよ(笑)
 
 こうして、自然を実感することが、作品に反映できるのは、俳句をやっているおかげかもしれません。物語にリアリティと深みを与えられると思っているけど、どうでしょうか。

 と書いて、以下は、追加で書き足したことです。

 「カタクリが咲いたよ」
 山も、春になりました。

  これだけで、小さい読者が共感できるかどうか? 共感には、相手もカタクリを知らなければなりません。
  もう少し字数がとれたら、カタクリは、早春、日当たりのいい場所に咲くむらさき色の花です。とか書けて、見たことのないにも子も「へえ。見て見たい。春の花なんだね」と思ってもらえるのですがね。編集者さんによっては、ここ、もっとわかりやすい花に と言ってくるかもです。
 じゃあ、何? スミレ? イヌフグリ? ハコベ? 「コブシの木に花が咲いたよ」とか? と、こんな風に悩む日々です。←結論、出ないんかいっ! 
 以前書いたカタクリの記事。

『ぼくたちのだんご山会議』読売新聞でご紹介いただきました。

2020年03月05日 | 自作紹介
          

 小さな記事ですが、ちゃんと読んで紹介してくださっていることがわかります。
 嬉しいなあ。
 
一ヶ月の休みとなった子ども達、ぜひ、本を読んでほしいです。ツイッターなどではランチ当番を決めて、子どもがお昼を作ったりもしている様子が流れています。これ、いいですね。自分の中にあるものを深めるチャンス。
 外を歩いて植物観察や野鳥観察もいいと思う。
 イヌフグリやハコベ、タンポポも出てきています。
 ここ、数日はよもぎを摘んで、お浸しにして食べてます。おいしいですよ~。春の味。

 

『きみが、この本、読んだなら とまどう放課後編』さ・え・ら書房

2020年03月04日 | 本の紹介
        
 ざわめく教室編と、同時出版のペア本です。

 こちらは、

・「赤いコードロン・シムーン」 森川成美
・「たそがれ時の魔法」 高田由紀子
・「走っていくよ」 松本聡美
・「ぬすまれた時間と金色のパン」  工藤純子

 タイトルを並べただけでも、おもしろそうです。ここから、この作品でどんな本が紹介されているか、わかる方は、すごい! 児童書マニアです。
 私は、ほとんどの本は読んだことのあるものなのに、再読したくなりました。そして読んだことのない本は、読んでみたくなる。
 恋あり、友情あり、将来の悩みあり。自分とは違う人を理解するというテーマの作品も。
 この本を企画した編集者さんの思惑は、ばっちりだと思います。

「ざわめく教室編」も、どうぞよろしく。

 ぜひぜひ、お読みください。
 

『きみが、この本、読んだなら(ざわめく教室編)』さ・え・ら書房

2020年03月03日 | 自作紹介
           

 さ・え・ら書房さんから、見本を送っていただきました。
 書店への配本は、今週末くらいでしょうか。
 
 戸森しるこ、おおぎやなぎちか、赤羽じゅんこ、池田ゆみる  4人によるアンソロジーです。

 どの作品の中でも、誰かが誰かに「この本、読んでみたら?」的に本を薦めます。
 私は、瞳という5年生の女の子が、いじめにあい、学校をさぼって家にいたら、アパレルショップをやめて家でごろごろしている年の離れたおばさんに『いい感じの石ころを拾いに』宮田珠己(河出書房新社)を「読んでみたら」と言われます。
 実は、この本、私が実際にある方から薦められて大好きになった本なんです。
 河原や海辺でただひたすら「いい感じの石」を捜すエッセイです。この本が、なんとも力をくれるんです。物語の中でも、そんなふうに書きたいなと思って、使わせていただきました。
「パワーストーン」という作品です。

 戸森しるこさんは、「クロエ・ドール」。いつもお人形を膝においている女の子と、それを見つめる男の子の話。とても、雰囲気のある作品です。
 赤羽じゅんこさんは、「『ダレカ』をさがす冒険」。本が好きではないのに図書委員になってしまった男の子が、おばあちゃんの家で、おかあさんが子供の頃に読んだ本を開いたら、そこには・・・。
 池田ゆみるさんは、「図書館と昆虫の森」。夏休みの自由研究に、クラスメートの涼太は、「図書館を作る」と言う。虫とりに夢中な弟の面倒はみなくちゃいけない。でも虫は苦手。そんな女の子に、涼太が勧めた本は……? そして涼太が作った図書館とは? 

 それぞれの作品、中で紹介している本のバランスもよくって、(相談したわけじゃないのに!)とてもいい一冊になっています。さ・え・ら書房の編集Sさん、すごい。

バレトン

2020年03月02日 | 日記
 夏までジムをお休みしました。
 でも、体力低下、筋力低下が心配。
 そこで、バレトンをやっています。
 バレエとフィットネスをあわせたようなもの? 上のバレトンというところをクリックすると、いくつも出てきますが、私は、二段目右はしの「バレトンフィットネスダイエット」というのをやってます。きれいな女性が二人で、教えてくれる動画です。
 肋骨の部分に負荷がかかるポーズは、控えめにして・・。けっこう汗かきます。
 朝ドラ観ながら(笑)。

新型コロナウイルスで、ジムも怖いという方も多いと思います。
 試してみてください。



『てのひらに未来』工藤純子(くもん出版)

2020年03月01日 | 本の紹介
        高学年から

 琴葉のうちは、代々続く町工場。1ミクロン単位での精密部品を作っている。
 琴葉が6年のときに、ここで住み込みで働くようになった天馬は、15歳だった。それから二年後、物語が始まる。
 
 天馬は、家族の一員のような存在だが、琴葉は天馬との距離をどう置いたらいいか戸惑いがある。
 琴葉の父の工場は、どうも様子がおかしい。いろいろあって、琴葉と天馬は、父が、銃の部品を作ることを断り、仕事が減っていることを知る。また天馬の本当の家族のこと、天馬がなぜ家を出ているのかも、明らかになる。

 下町の工場といえば、「下町ロケット」を思い出す。小さな工場が、大企業と張り合って、ロケットの部品を見事に作り上げるその紆余曲折、人間模様だった。ロケットの部品ならばいい、だが人殺しの部品は作りたくない。本は創作だ、これは実際にあることだ。そうしないとやっていけない工場もある。
 天馬の母は中国人だ。祖母と母との確執には、戦争の傷が深く関わってもいる。
 
 中学生の女の子の視点で、これらの事情を描くというのは、並大抵のことではない。工藤純子は、きゃぴきゃぴ元気な女の子達を描き続けていた作家。それが、ここにきて次々と問題作を世に出している。そもそも、誰一人として社会からはみ出ている存在などない。きゃぴきゃぴしている子も、悩み多き子も、虐待されている子も・・・。
 工藤純子、すごい。考えると、私が「季節風」に入会した10年以上前、すでに若くして編集委員となり、作家デビューを果たした方なのだ。後藤竜二の志をしっかり受け継いでいる一人だ。
 きっと悩みながら書いている。でも逃げずに、踏ん張って。足を使って調べて。
 どこかに恋愛ものみたいに書かれていたけど、とんでもない! 恋愛要素も含む人間ドラマ。社会性の強い作品だ。