うめと愉快な仲間達

うめから始まった、我が家の猫模様。
犬好きな私は、チワワの夢を見ながら、
今日も癖が強めの猫達に振り回される。

まずは謝罪から。下品でごめんなさい

2016年09月17日 | 日記

昨夕、私は帰宅を急いでいた。

とにかく早く帰りたい。

1秒でも早く帰って、逢いたいのだ。

トイレに。

 

 

おはようございます。

駐車場に車を停め、一旦気を引き締め直すと、

急かすように、腹がギュルっと音を鳴らす。

 

そんなに焦るなよ。

いいかい、考えてごらん。

今ここで、この世に出てきたって、

お前さんには何の得にも成りはしないんだぜ。

いや、もう無駄死だぜ。

トイレからこの世を眺めるのが、お前さんの本望なはずだ。

 

そう腹に説得をしながらも、

もう走れる段階ではない程に、間近に迫りくる感覚を知り、

一切の振動を抑えたい時に使う、

能的歩行を用いて早歩きでトイレ目指して一目散だ。

 

時には、早く出たいと我儘をぶつけてくるブツの訴えに、

立ち止まって説得せざるを得ない状況に耐えながら、

ようやく、マンション2Fの我が家のドアに辿り着いた。

さぁ。ドアを開けよう。

という時に、隣人さんが背後から、

「おかっぱちゃ~ん」と。

マジか?今か?

 

隣人は話しを続ける。

「おかっぱちゃんのお部屋は、トイレや洗面場、濡れていない?」

どうやら、隣人さん宅で水漏れが発生したようだ。

確認しますねと伝え、急いで見に行くと、確かに我が家も濡れていた。

トイレの床が濡れていたんだ。

ようやく逢えた、トイレの床が。

 

やっと、逢えたね、トイレさん。

貴方に逢いたいと言ってるヤツが居るんだよ。

この腹ん中に。

もう少しだ。ちょっと待ってな。

 

私は、一旦トイレを離れ、エントラスで待つ隣人さんに、

漏れている事を伝えた。

すると、

水漏れが不安で、パニック状態になっている隣人さんは、

仲間が出来たと安堵したかのように、私の腕を掴んで離さない。

「もうびっくりしちゃって、めまいで死にそうなの」

歳の頃なら、我が母と同じ年代のお婆ちゃんだ。

めまいがするなら、一旦休もうねっと言うと、

「おかっぱちゃん、他の住人さんにも知らせんといかんよね。

おかっぱちゃん、他の住人さん達に早く・・・あっめまいが」

 

おい、聞いたかい、ブツ。

どうやら今は、お前さんとトイレの逢瀬に付き合う場合じゃないようだ。

引っ込んでろよ、いいか、引っ込んでろ!

 

そう腹に言い聞かせ、とにかく急がねばと、

階段を上へ下へと飛び回る振りをしながら、

ドサクサに紛れてトイレとの密会を図ろうとしても、

隣人さんは私の腕を離さない。

休んでてと言っても、隣人さんは責任感が、とても強い人だ。

「おかっぱちゃんに押し付けちゃう訳にはいかんから、頑張る」

と頑張って、私の腕にぶら下がってくる。

今ここで、隣人さんをぶら下げる力を出すのは、私にとって、とても危険な事だ。

ほんのちょっとの気の緩みと力みが、私の身を亡ぼす時だ。

そう解っていても、この手を振り払う事ができない。

それも、力みの要因になるからだ。

 

隣人さんをぶら下げて、聞いて回る事、約1時間。

その合間に、隣人さんの昔の思い出を聞く事、約1時間。

私は、合計2時間、

ジタバタと足踏みで耐え忍んだり、

ぐっと空を見つめて、耐え忍んだり、

長い溜息で、耐え忍んだりしていたら、

もう、水漏れの原因なんて、どうでもいいと思えてきたんだ。

水漏れなんて、屁だって、思えてきたんだよ。

なっ、おかしいだろ?

ブツ、聞いてるかい?

 

うんこ「で、どうなったの?」

日を改めて業者さんに詳しく調べてもらう事になったんだ。

やれやれだよ。

 

うんこ「母さんの方は、どうなったの?」

 

大丈夫だったよ、うんこ。

8割がた、大丈夫だったんだよ。

やれやれだよ。

 

そんな眼で、私を見るな!

精一杯頑張っての8割は、屁よりも重い。