うめと愉快な仲間達

うめから始まった、我が家の猫模様。
犬好きな私は、チワワの夢を見ながら、
今日も癖が強めの猫達に振り回される。

皮剥き法

2016年09月23日 | 日記

いつものように、

朝、実家に立ち寄ると、

母さんは、台所で大根を煮ていた。

 

おはようございます。

「旨そうに煮えたで~。ほれ、見ろ。」

と、母さんは自慢げに鍋の中を見せてくる。

覗き込んでみれば、その鍋の中には、

輪切りにした、皮が付いた大根が煮えていた。

 

母さん、皮を剥くのを忘れてやしないか?と問うと、

母さんは、「ん?何がじゃ?」と言ったきり、

しばらく黙り込んでいた。

私は、そんな母さんが少し可哀そうに見えて、

皮が付いてる方が、栄養あるもんねっと声を掛けた。

それで済むかと思いきや、

母さんは、それで済むような人ではなかった。

 

おもむろに、コンロの火を消して鍋の中に手を突っ込む、母さん。

そして、輪切りの大根を持ち、

あつ!あっつ!と急ぎながら、なんと皮を素手で剝き始める。

 

母さん?

な・な・なにをしてるんだい、母さん?

「皮っちゅーもんはよ、あつっ。

煮てから剥くと、綺麗に剥けるんやぞ、あつっ。」

 

母さん?

そんな斬新な調理法、初めて見たよ、母さん!

「ほうか?わしは、このツルッと剥くのが好きなんや、あちちちっ。」

 

敢えて、そうしているんだね、母さん?

でも、それ、大根の皮と同時に、手の皮も剥けやしないか、母さん?

「アホか!わしが何年、主婦やっとると思うんや。

お前とは、年季が違うんじゃ。」

と言いながら、蛇口の水を勢いよく出し、せっかく煮えている大根を

水にジャージャーさらしながら皮を剥き、

剥き終えると鍋に戻し、次の大根を手で掴むを繰り返す、母さん。

 

母さん?

せっかくの味付けが、無になってるよ、母さん?

「煮ながら、やるから大丈夫なんや。お前もやれ。楽しいぞ。」

と言い、再び鍋をグツグツ煮始める、母さん。

 

マジか?

沸点に到達している鍋に、手を?この我が手を?

「お前の手は、ブキ(不器用)やからなぁ。無理やろなぁ。」

と挑発してくる、母さん。

 

もう、意味が分かんないや、母さん。

でもさぁ、こうなったらさぁ、

やったるわい、母さん!

よし、行くぞ~、よし・よし・よし、おりゃー!

あっつーあっつー、ぎゃ~あっつー!

母さん「ほれ、はよ、水に付けるんや~、一気に剥くんや~。」

 

よっしゃ、出来たぞ、母さん!

母さん「ほい、次!」

 

へっ次?

あと何個や~?

母さん「まんだ、まんだ、沢山あるで~。」

 

ちょっと、手が熱さに慣れてきたよ、母さん。

どんどん、剥いちゃうよ~、母さん。

母さん「ほれ、ほれ、上手になってきたぞ。」

 

こうして、鍋の中の大根は、

すべて、皮むき大根となったのであった。

この親子、何をしているのでしょうね・・・

 

うんこ、うんこ!なんだか、指が熱っぽいんだよ、うんこ。

うんこ「見せてみて、かあさん」

 

うんこ「ん~」

 

うんこ「ん~」

 

うんこ「大丈夫。皮は無事よ、かあさん」

 

そうか、良かったよ。

うんこ「子供も楽じゃないわ」

君は、楽そうに見えるがな!