昨日は、小雨の中、
マンションの定例清掃に参加した。
今日は敬老の日だそうだが、
昨日、マンション周辺の草刈りに勤しむ住人達は、
ほとんどが、後期高齢者だった。
おはようございます。
定例清掃の日は、清掃にとどまらず、
住人同士の交流の場でもあり、新しく入居してきた人が居れば、
その機会に紹介をする訳だが、
今回、その新しい入居者が、やってきた。
爽やかな、彫りの深い顔をした青年だ。
自治会長からの報告。
「こちらは、B棟の3階に越してきた方です。
え~、この人の勤務先からの情報によると、
カンボジアから研修に来られたそうです。
日本語は、まだ話せませんとの事です。」
その報告を聞く住人達は、ざわついた。
では、どうやってコミュニケーションを取ればいいのだと。
自治会長は、話を続ける。
「でもね、英語はペラペラらしいよ。」
あっ、英語が話せるの?それなら、まだなんとかなりそう?
と、思わず呟いてしまった私の言葉に、
住人達は、激しく反応した。
住人達は、
「そういや~、わしらは英語なんちゅーもん、さっぱりやけど、
おかっぱちゃんは、まだ若いから、英語も出来るわいな~。」
と、言いながら、
私の事を、まるで神輿のように、寄ってたかって押しながら、
カンボジア青年の近くに連れて行き、通訳をさせようとした。
いえいえいえいえ、私、全く英語できんのです。
と言っているのに、住人達は
「この人の名前、名前を聞いとくれ。」とせがむ。
仕方ないので、私の持ち得る英語力を全力でぶつけてみた。
グッド・モーニング!
すると、カンボジア青年は、眩しい程の笑顔で、
good morning!
よし、通じたぞ。
イケる、イケる気がする。
えっとね、えっとね、ワッチュアネーム?
カンボジア青年、what?
私は、もっとはっきりと、
ワット ユア ネーム?
カンボジア青年は、ハイハイと頷きながら、教えてくれた。
〇✖※~△#=◎!
そうか、そうかという感じを装い、くるっと振り返ってみると、
ちょっと離れて様子を伺っていた住人達は、
キラキラした瞳で私の答えを待っていた。
あのー、多分ですよ。多分・・・
この方のお名前は・・・
ミナミさんです。
私のこの発言に、住人達いっせい、
ん?
となり、多分違うだろうという空気が充満する中、
とりあえず、ミナミさんと呼ぶことにしたのだった。
そんな私はというと、
実は清掃がある事をすっかり忘れて、
白髪染めを始めてしまってから思い出し、
そのまま急いで、清掃に参加していたのだった。
こんな格好で。
私は、こんな格好で、日本を代表して外交したのだった。
きくさ~ん、私 恥ずかしかったよ~。
きく「お前には、それがお似合いだ」
酷い、酷すぎるよ、きくさん
きく「そんな事、言ってる場合か」
何が?何がですか?
きく「外ばっか、掃除してる場合かって言ってんだ」
きく「これ、見ろよ」
きく「あいつ、今日も使用済のパンツ、椅子に掛けて出掛けたぞ」
おじさんめ~、うっかりが習慣化しとるやないか!