六月晴れの空のように、
皆様のお気持ちが晴れやかでありますよう、
お祈り申し上げます。
おはようございます。
これは、アマゾンさんのお便りの一部だ。
ありがとう、いやテンキュー!
グラーシアス?
オブリガーダか?
世界最大級の熱帯雨林のアマゾンさんが、
私の無理なお願いに、懸命に答えてくれた。
今日は、そんな感動の話をしよう。
始まりは、私の足元からだった。
5月に入り、私は素足にツッカケを解禁した。
すると、1足目のツッカケの靴底が、買い物途中で片方取れた。
お出かけ用のツッカケの靴底も、都会に到着した5分後、両方取れた。
残すは、3足目のツッカケだ。
期待の星である3足目は、見事期待に応え続けて、
気づけば、6月になっていた。
そんな6月12日、
私は、その日も張り切って仕事に臨むつもりで出社した。
しかし、どうしても、やる気になれない。
なぜだ?なぜなんだ?
これでは、どうにもならないと諦めた私は、
しばらく、仕事をする振りをしながら、おやつを食べようとしても、
食欲すら湧かない。
どうしたことだろうと、自分に意識を集中させて気づいた。
そういえば、体の倦怠感がはんぱない。
くわえて、若干の吐き気も感じる。
そこで、私は原因を探るべく、
さらに注意深く、体のひとつひとつの器官に問いかけてみたのだ。
眼は、小さいが故、視界は狭いが、いつも通りだ。オーライ!
口の中はどうだ?歯に朝からパンが挟まっている。オーライ!
鼻は・・・なんか匂う。なんか、臭い!臭い、臭い、くっさー!
この丁寧な作業で、ついに判明した。
わしのツッカケが、ものすごく、臭い!
あり得ないくらい、臭い!
近所の畑の肥料より、臭い!
そこで、私はセカンドオピニオンするべく、
隣のデスクの熟女に、恐る恐る、我が足を差し出して懇願した。
「ねえ、私の足、嗅いでみてくれません?」
熟女は、「いやよ、いやいや」とごねたが、
私は鬼気迫る気配で、更に足を差し出し、「嗅いでよ」を叫んだ。
「おかっぱ・・ちゃん?臭いゴホン、ゴホッ・・・オエッ」
だろ?
くせーだろ?
すると、生真面目で姉御肌の熟女は、
咳き込みながら、私の足を嗅ぎながら分析し始める。
「これは、ツッカケの雑菌だ。うん、雑菌が繁殖しゴホッゴホゴホッ」
その後しばらく、熟女さんは咳が止まらず、私は焦った。
このままでは、自分どころか、熟女さんの命が危ない。
田舎では、靴を売ってくれる店などない。
靴を買うには、しばらく車を走らせる必要があるが、
そんな時間は、オフィスレディーの私にはない。
そこで、ひらめいたのが、アマゾン翌日配達だ。
私は、さっそく適当なツッカケを注文した。
これで、明日には、この環境から抜けだせる、はずだ。
はずだが・・・本当に明日届けてくれるのか?
疑心暗鬼に陥った私は、かくなる上はと覚悟を決めて、
アマゾンカスタマーセンターへ、1通のメールを送ったのだ。
下記が、その抜粋だ。
「いつもお世話になっております。おかっぱと申します。
実はこの度、お願いがあって、連絡いたしました。
翌日配達と記されても、そうはいかない時もあろうかと存じます。
ただ、今回に限っては、どうしても翌日に届くよう、
手配していただきたいのです。
というのも、今履いている靴が、突如恐ろしい匂いを発し、
仕事が手に付く付かない以前に、
気分が悪くなるほどの悪臭を放っております。
なぜ急にこんなに匂い出しのか、全く分からぬまま、
ただ緊急事態発生であることは間違いございません。
もはや、アマゾン様に、新しい靴を届けて頂くほか、
術は無いと藁をもすがる思いでございます。
勝手を申している事は承知の上、早めの配達をお願いいたしたく、
恥をしのんでご連絡致した次第でございます。
何卒、何卒、お願い申し上げたてまつる。」
〆は時代錯誤な文章になってしまった私は、
こんな恥ずかしいメールを送るほど、
完全に、常軌を逸していた。
こうして、6月13日を迎えた。
私は、下駄箱から古い靴を引っ張り出し、
入念に匂いを確認して、その古い靴で、出社した。
会社に着くと、とにかく、床が汚れている。
白い粉のような汚れが。
「まったくもう、誰かしら?」と思いつつ、掃除していたが、
気づけば、掃いたはずの床には、白い粉が散らばっているではないか。
どうして?
まさか社長の靴底が汚れているのでは?
そう疑念を抱きながらホウキで掃こうと、
足元をよく見てみたら、
私の古い靴底から止めどなく粉が噴き出ている。
なに?
これなに?
超常現象?
一瞬そう思ったが、どうやら私の靴底のゴムの屍どもだった。
また、靴底が原因かよ!
わしは、サイババの再来か!
ビブーティー撒いとんのかい!
そう叫びそうになった瞬間、
昨日アマゾンで注文したツッカケが届いたという訳だ。
私が、ビブーティーと叫ぶ代わりに、
イエーーーーーーイ!と歓喜の雄たけびをあげたのは、
言うまでもない事だ。
その後、アマゾンさんからメールが届いていたことを知った。
「お約束通りに届きましたでしょうか?
この件は、私より早めに配送業者へ依頼を致しました。
当サイトは、24時間年中無休で
いつでも、おかっぱ様をサポートいたしますので、
いつでもご相談くださいませ。
六月晴れの空のように
皆様のお気持ちが晴れやかでありますよう、お祈り申し上げます。」
おい、おたま!
おまえ、感動で泣いてんのかい?
おたま「すごく、くだらない」
うん、オーライ!