いつもなら、
帰宅すると、のん太は「ムームー」鳴いて
ご飯を催促するのだが・・・
おはようございます。
昨日は、来ない。
「どうした、のん太?」
見に行くと、変な顔してたんだ。
「おい、のん太?」
様子を見ていると、右手をしきりに舐めている。
「のんちゃん、手が痛いんか?」
私は急いで老眼鏡を掛け、のん太を抱いて肉球をかき分けた。
どうやら、肉球の奥に小さな怪我を負ったようだ。
「病院行くかい?」
あまりに凹んでる顔してたから、連れて行こうかと思ったが、
膝からぴょんっと飛び降りて、平気で歩いているから
もうしばらく、様子を見る事にした。
「おはよう、のん太。もう大丈夫だな?」
今朝は、すっかり、元のイケイケのん太に戻っていた。
やれやれだ。
のん太が、のん太になったのは、
のん太と名付け直した瞬間からだった。
保護した当初は、からしと呼んでいた。
里子に貰ってもらおうと里親さんを探している最中、
体調を崩して、頓挫してしまった。
「よし、仕切り直そう」
そう思って、のんびり生きようねっという願いを込めて、
のん太って名前を付け直した。
すると、か弱い子だと心配していたはずが、
偉そうな顔になって、いたずらっ子になっちゃった。
おい、のん太!
何をしてんだい?
もう手は痛くないんだな?
のん太「のんは仮病らないもん」
そだな。
あんまり偉そうにしてるから、
子猫の時にぶっ倒れたのは、仮病だったのでは?って
おじさんと話してた次の日(昨日)に、怪我しちゃったんだもんな。
ものすごく、小さな傷だけどな。
のん太「のんの弱ちゃを、ちょうめいちたんら!」
そだな、のんの弱さを証明したんだよな?
おじさんが、仮病だって聞こえちゃったから凹んだんだって
気にしていたぞ。
のん太「おい、かかぁ!のんは、弱い子らからな!」
はいはい、そうですね。
何の自慢なの?