久し振りに、
二日酔いな気がする・・・
おはようございます。
夕方、実家へ頼まれ物を届けに行くと、
かずこさんが、自室でしょんぼりしていた。
「どうしたん?」
と聞くと、
「わし、可笑しなってまった。」
と言う。
どうやら、大便を漏らしてしまったらしい。
認知症になって以来、これが3度目だろうか。
しかし、認知症になる前も、何度かある。
大酒飲みの宿命だ。
酔っぱらうと、なんだって漏らす。
私も酒に酔って、あらゆるものを漏らしてきた。
大便なら、まだマシな方だと思うけれど、
最近のかずこさんは、酔って漏らしている訳ではない。
かずこさん自身も、それがショックなのだろう。
父は、それを大きな声で、説明する訳だ。
「ひでぇなんて、もんじゃねえぞ。」
から始まり、何度も何度も、
まるで大きな熊と格闘した武勇伝のように、
後始末の様子を話す。
それを聞く、かずこさんは、さらにしょんぼりだ。
「よし、吞もう!
かずこさん?まず、オムツを履こう。万全にして、吞もう!!」
私は、実家の冷蔵庫を物色して、ちょちょっとつまみを作り、
どっかり座った。
「さて、はじめますか」
大きな熊を退治したと威張る男を退治する意気込みだ。
この手の話は、放っておくと、さらに話が大きくなる。
改めてほじくり、別の話にすり替えてしまえばいい。
私は、分かっている。
熊は、そんなに大きくなかっただろうと。
床にぼとぼと、落ちた訳じゃない。
かずこさんは、下着の中にとどまった状態で、ちゃんと風呂場へ行けた訳だ。
「それは、セーフだ!母さん、それはセーフだよ。よく堪えたなぁ。
うまいこと、風呂場まで溢さず行けて、凄いなぁ。」
私は、そう言って、大笑いした。
「そういえば、私も今日、寸でのとこだったの。
思わず、市役所のエレベーターで、尻を押さえてたからね。
あの市役所のエレベーターは、どうしてあんなに遅いんだろうな。」
まさに、おそらく、丁度かずこさんが漏らした頃、
私は本当に、エレベーター内で、幼子のように尻を押さえて泣きそうな顔で
頑張っていた。
「嗚呼、なんという、シンクロニシティよ!」
さらに、必死の思いでエレベーターを降り、
眼に入った最初の人にトイレの場所を聞いたが、日本語の話せない外国人だった。
そしてさらに、自力でトイレを探し入ったら、清掃中で開いてなかった。
だから私は、「お願いします~お願いです~」と清掃員さんに縋った。
「そんなら、ババは、おまえの分も出してくれたみたいやないか」
と、父も大笑いだ。
「そうだよ。かずこさんのおかげだよね。ありがとうね。」
こうして、昨夜は『大便ネタ』で大いに盛り上がった。
大便ネタで、二日酔いだ・・。
そんな我が家は、並んでいる~。
冬用のベッドにぴちっと収まって並んでる。
こっちも
いや、こっちは、漏れている!