昨日は、
きくの命日だった。
おはようございます。
きくが逝って、5年が経った。
せっかくだから、きくの画像を探そうと思ったけれど、
最近の私は、過去を今へ連れてくることに躊躇いがある。
今は、目の前の現実しか目に入らないからかもしれない。
かずこさんは金曜日、デイサービスで
「帰りたい」と怒ってキレて、挙句には、施設内で煙草を吸ってしまった。
次の日は、床で酔い潰れていた。
とはいえ、怒りは湧かない。
次週からは、煙草を持たせないよう、持ち物チェックを強化するべきだし、
どうやってベッドにあげるかが課題であり、
ニコパッチ買ってくるかとか、吞み過ぎないよう、どうすべきかとか
そんなことで頭がいっぱいだ。
きくとの暮らしも、こんな感じだった。
夜鳴きが酷かったり、他猫との小競り合いは常だったり、
巻き爪との対決したり、
きくのストレスが爆発して自傷行為が出た時は、
居心地の良い安心な場所を作ってやらんと、夜中だって大胆な模様替えをしていた。
押し入れの物を全部放り出して、きくのお部屋を作ったりもした。
何度も繰り返した。
最終的には、他猫ときくを隔離して暮らさせた。
その時は、衝立を用いて、完全な個室を作った。
急いでいたから、寸法は間違えだらけだが、凄まじい速さで個室をこしらえた。
私は、きくとの15年間で、ずいぶん鍛えられた気がする。
布団なんて無くても眠れるようになったり、
いつでも動けるよう、立って食うことも覚えた。
なにより、「諦めない、きく」に、諦めないということを教えられた。
きくが逝って、やれやれと思うはずの頃、
かずこさんの異変に気付き始めていた。
元々、きくとかずこさんは、よく似ている。
見た目も習性も、驚くほど似ているし、
今、老い痴れたかずこさんは、まさに、きくの終末期とそっくりだ。
すごく、いい笑顔を見せてくれる。
撫ぜるにも注意が必要だった頃のきくとは大違いだ。
終末期のきくは、膝に抱くとゴロゴロと喉を鳴らして笑顔になった。
その姿に、私は泣いた。
昨夜、床に横たわる、かずこさんを抱き起こす時も、
これがなかなか動かない。
それでも、説得しながら何度も抱き起していたら、
かずこさんが不意に素直になって、頑張ってベッドの這い上がった。
「ありがとさん、ありがとさん」と笑いながらだ。
私は、その姿に泣けてきた。
笑い泣きなのか、なんなのか、自分でも分からない。
ただ、その涙さえ、5年前きくを抱きながら流した涙と、
似ているということは間違いない。
さて、我が家ののんちゃんは、
頑張って毛繕いをしている。
諦めず、
やればやるほど
あや「ボロ雑巾みたいになっていくわね。」
ほんと、どんどん毛が絡まっていく。
のん太「よち!きれいになった」
あや「そんなとこも可愛いわ~。泣けてくるわ~。」