私が暮らす、マンションの修繕工事は、
10月から始まった。
おはようございます。
足場を組み、建物ごとすっぽりと黒い幕で覆われた訳だが、
そのおかげで、部屋の中が暗い。
毎朝、「今日も降りそうだな」と勘違いするところから始まる。
まるで、フランス映画の世界観だ。
私のフランス映画についてのイメージは、ちょっと薄暗い。
そして、静か。
だからか、自ずとテレビも我が声も音量が下がり気味になり、
静かな薄暗い部屋の中で、
フランス語をシャバダバ呟くかのように、三河弁で話している。
それは傍から見れば、フランス映画の世界観ではなく、
古式ゆかしい日本の恐怖映画に見えるだろうけれど、
あや以外、我が家の3バカ兄弟は、もともと静かな猫らだ。
心配していた修繕工事という環境の変化中も、
思いのほか落ち着いているというか、あまり気にしていないようだ。
特に心配していた、おたまが、一番平気に見えるから驚く。
おたまは、神経質なはずだけれど、そういうイメージだったのに、
最近のおたまは、頼もしいとさえ思える。
たれのんを迎えてから、おたまは、すごく変わった。
体形もペラペラの干したイカみたいだったのに、
いまじゃ、大福みたいにふっくらだ。
理由は、
生れて6年間、一粒たりとも食べなかったドライフードが
食べられるようになったからだ。
ある日、のん太の残したドライフードを、何を思ったのか口にした。
その時をきっかけに、
おたまは、一種類ではあるがドライフードが食べられるようになった。
私は、大げさでなく本当に、腰を抜かしそうになった。
頑なに守っていたパーソナルスペースも、かなり狭まった。
おたまの中で、何が起こっているのか、
それはおたまにしか分からないが、私としたら、
「おたま、ありがとう。」に尽きる。
たれ蔵と同じ恰好で並んでし
それにしても、おたまはデカいな!
声は小さいのにね。
おたま「おい、たれぞ?!おらの方が偉いんだからな!」
たれ蔵「分かってるよ、たま兄ちゃん」
たれ蔵も、ありがとうな。