会社のトイレには窓があるのだが、
私は入るたび、開いている窓を閉めるのだ。
おはようございます。
毎回閉めているのに、次入る時は必ず窓が全開だ。
誰や!誰が開けとるんや!と苛立ちながら窓を閉めるのだが、
理由は、足長バチにある。
トイレの近くに巣があるのだろう。
窓が開いていると、ハチがトイレ内に入って来てしまうんだ。
だから、毎回閉めているのに、
誰かが、また開けるという、
静かなイタチごっこの日々に、うんざりしていた。
足長バチは、決して獰猛なハチではない。
益虫とも言われているし、むやみに刺してくるような奴でもない。
そんなに恐れる事はないのだが、
だからって、奴の前でパンツは脱げない。
私は、そんな女じゃない。
私は、昔から様々なハチに刺されてきた。
ミツバチさん。彼は命を懸けて刺してきた。
なぜ、なーんもしてない私に命を懸けてまで刺したのか・・・
クマンバチさん。彼も、超が付くほど温厚なハチだ。
なぜ、なーんもしてない通りすがりの私を、
しかもズボン越しの私のケツを刺したのか・・・
便所バチさん。本当は何ていうハチだったんだい?
実は、便所バチの正体はアブの類いだから、刺したりしない。
君の見た目が、あまりにも便所バチに似てるから、
君に刺された時、皆に「おかっぱ、便所バチに刺された」って
笑われたじゃん。
もちろん、なーんもしてないのにさ。
足長バチにも、もちろん刺された事がある。
当然なーんもしてないけど、気まぐれに刺された。
案外、痛いよ。
だからなのだ。
だから、私は会社の窓を執拗に閉める事に拘るんだ。
しかし先日、やっぱり開いていた窓から、奴が入って来た。
悲鳴を挙げそうになったが、様子が違う。
なんだか、色艶も悪く、くたびれた感じの足長バチだった。
その姿を見て、悲鳴を挙がる代わりに、
「外は寒いからな。そこで、体を休めな。」
そう呟いた。
そして私は、そおっと音も立てずに、
奴の前でパンツを下ろしたのだった。
負けたよ。お前の頑張りに、負けたのさ。
私は、そういう女さ!
我が家にも、虫が迷い込んできた。
ブ~~~ン
ピタ!
あや、集中~!
※あやは、ゴキブリ大以上の虫は苦手である。
おたま、やっと虫を見つけられた模様。
※おたまは、小さな虫を見つけるのが下手なのである。
やみくもな、おたま。
※おたまは、ちょっとアレなのである。
2匹とも、ロックオン!
※「この辺」って書いたつもりなのである。
扉を動かしてみる、あや。
※あやは、頭がいいのである。
ドン!
※虫飛ばずで、あえなく失敗なのである。
おたま、虫を観る事すら、叶わない。
※おたまは、ちょっとアレなのである。
しばらくすると、
あやは、それでも諦めず、
おたまは・・・
寝てしまった。
家の中は暖かいもんな。
そこで、体を休めな・・・・