今日も、さっぶいけど、
朝だで、起きんとかんに。
おはようございます。
これは、愛知県の方言だ。
今日も寒いですが、
朝なので、起きなければなりませんね。
という意味だ。
子供の頃は、この方言が好きになれなくて、
若い頃は、標準語に憧れて、直そうと努力したものだ。
それが、今じゃ、愛すべき方言だと思い直している。
そもそも、愛知県には大きく分けて、名古屋弁と三河弁が存在する。
似ているようで、少し違うのだが、
私のような三河にも名古屋にも暮らした経験のある愛知県人は、
名古屋弁と三河弁のごちゃ混ぜタイプになる事が多い。
名古屋弁といえば、
タモリさんの「名古屋人はエビフリャーと言う」発言が有名だ。
実際は、エビフライはエビフライと発音しているが、
会話の前後にやたらと「や」が多いから、
フライもフリャーと聞こえてしまうのかしれない。
=例=
「ねぇ、あなた。このエビフライ美味しいわね」
これを名古屋弁にすると
「おみゃーさん、このエビフライうみゃーがや」
となるのだ。
さすがの私でも、つい流れに乗ってエビフリャーと
発音してしまう程に、「や」が主張してくる。
まるで早口言葉だ。
そして、愛知県の方言は、いわゆる「ら」を抜く。
食べられるは、食べれると発するのが正解なのだ。
がしかし、正確には「ら」を捨てた訳ではない。
=例=
「私は、沢山食べられます」
名古屋弁だと
「私は、でら食べれるでね」となる。
ここぞとばかりに「ら」を前に出して、つじつまを合わせるのだ。
では、三河弁は、ご存じですか?
いわゆる「じゃん・だら・りん」は有名だが、実は「へん」もよく使うのだ。
=例=
「座りなさいよ」VS「座りません」
「見なさい」VS「見ません」
「やりなさい」VS「やりません」
ちょっと辛辣なやり取りだが、これを、三河弁にすると、
「座りん」VS「座らへん」
「見りん」VS「見ーへん」
「やりん」VS「やーへん」
「りん」には「へん」で応戦だ。
かんかんに怒る母さんの「りん」に
アホな顔した娘が「へん」で和ませる事で、
家庭の平和が保たれる訳だ。
不思議なやり取りは、まだあります。
=例=
「そうでしょ?」と問われ「そうよね」
三河弁では
「ほだら?ほだら?」と問われ「ほだに、ほだに」
こうなると、異国に居る錯覚すら覚えませんか?
やり取りの面白さならば、これもだ。
三河では、
「俺、えらいから辞める」と言う人には、
「あんただけが、えらい訳じゃないんだに、皆えらいんだに」
と諭すのだ。
「えらい」というのは、辛い・疲れたという意味で、
皆、あなたと同じように、疲れているんだよと諭しているのだが、
実際、嫌な上司には、
地位や役職をかさに着て、好き勝手は許さない、
人はみな平等だという思いも込めての、奥深さ!
こうして、いくつか挙げてみると、方言って面白いですよね。
愛知県だけではなく、日本中には様々な魅力あふれる方言が存在していますね。
それとともに、昔から伝わる美しい日本の言葉にも触れてみたい。
そう思って
この本を購入いたしました。
かなり分厚い割に、お値段なんと750円。
辞書のような形式になっているので、
目次を見て気になった言葉が見つけやすくなっています。
美しい言葉だけにとどまらず、日本の文化も書かれています。
(※各地の方言も少しだけ載っていますが、方言の本ではありません)
おたま「その手、ちょっと、いざらかしてよ」
おたま「あや姉ちゃんってば、おらの頼みを聞いてちょーよ」
あや「ほんなもん、聞かすか」
おたま「おーっそがっ」
恐ろしいと、申しております。