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お着物Enjoy生活からバレエ・オペラ・宝塚etcの観劇日記に...

MINX「新緑の会」 ②

2007-05-13 22:18:22 | きもの
お食事の後は、TAXIで根津美術館近くの”和を味わう隠れ家”東三季”へ。
ちょうど、14日まで、京都祇園のアンティーク着物SHOP、「やや」さんが出展中。
夏物展、ということで、珍しい、アンティークでありながら状態の良い夏着物や帯が充実。
そこで出会ってしまったのが、黒の紗に金銀で白鳥が2羽佇む姿を織り上げた名古屋帯。
「白鳥の湖」を観に行くときに締めたらどうかしら・・・
と考えるともうすっかりその気のわたくし。
東三季プロデューサーの森荷葉さんがいらして、夏しか締められないのがネック、と悩むわたくしに、洋服感覚で透け感のある素材をあえて冬のパーティにお召しになる方もいらっしゃるので例えば12月のパーティにつけても、夏帯と分かっていてあえて素材感や色をアクセントにするために着用している、という感覚でわかって着ているのであれば問題はありませんよ、と。
また、もっとお洒落用でシーズンレスに使用することを考えれば、帯芯をシルバーのものを選んで入れ替えると更にモード的に使えることなどをご説明になり、ピッタリのkosodeのフリル織の墨黒単衣に合わせたいという気もして連れて帰ることに・・・
珍しく裄がたっぷりとあり、着こんでいい感じに柔らかくなった黒地に赤の長方形がバランスよく飛び柄ではいっている結城紬を羽織ってみて心惹かれるも、今日は白鳥帯で大満足。

From1stのFIGAROでお茶タイム。

オレンジのコンポートのチョコレートタルトが美味でした。

ここで、それぞれ行きたいお店に・・で別行動。
宮本さんとほのかちゃんと3人で、表参道の「くるり」「AGARU」をチェック。
ほのかさんは「くるり」で黒地に花火のようにランダムな赤・白・金のドットがはいったきれいな絽の着物を羽織ってみて・・・。墨田川の花火を料亭の個室の縁側越しに眺めて冷酒でもいただく・・・というシーンにはピッタリね!などと言いつつそっとお戻しして。
宮本さんは「AGARU」で洋服生地と思われる幅広のボーダー状に横縞になったレースとシルクの表生地にピッタリと幅が揃う、アイボリーベースに、ワイン、グリーン、赤などの深みのある色彩がきれいなボーダーのシルクを裏に使い、表のレースから裏のボーダーの濃色部分が透けて見える、とても凝ったつくりの付下げをお試し。宮本さんはさらりと着こなしていらしたけれども、袷に袷を羽織るとあまりに暑い今宵の気候で、お買い物気分には至らず・・・。



「AGARU」前にて。すっかり日が落ち始めています。
皆様、今日も一日お付き合いいただきましてありがとうございます
次回は新丸ビルで「宵のうちを楽しむ着物」の会か、「浅草めぐり普段きものの会」か・・・
楽しみですね
次回も宜しくお願い致しますv


おまけ画像: 帯止めはヴィンテージもののクローバーブローチで帯のハートもどきの柄にリンクさせて・・・。
半襟はクリームベージュにアクアブルーの花刺繍。
帯揚げは麦わら色のシャーリングのようにモコモコした面白い素材の生地を使っています


MINX「新緑の会」

2007-05-13 21:42:40 | きもの
13日の日曜日、MINXのお着物仲間さんたちと、「新緑の会」を楽しみました

外苑前の銀杏並木をちょっと入ったところにあるレストラン、CafeSPEIRAにてランチでスタート。

曇空を心配していましたが、風のあるときは爽やかな、午後になると太陽も顔を覗かせる良いお天気に恵まれ・・・


外の花一杯の前庭と刈り込まれてはいても新緑が嬉しい銀杏並木を借景に、ゆったりとした席の配置の明るい店内で、おしゃべりに花を咲かせました
今回は「新緑」がお題。
ちょっと蒸し暑さも覚えた日ではありましたが、着物や帯、半衿、バッグなどにグリーンを散りばめたお洒落な装いの皆様からは、爽やかな風が感じられました



スープの後、ワンプレートのフィッシュランチ、これにアイスクリームのデザートと紅茶で、楽しいランチタイム。



今回の参加者は8名。帯でご紹介致しましょう
左から、今回お店を予約してくださったmiwaさん。ミントグリーンのお気に入りの千鳥格子小紋に、オレンジ系の花帯でフレッシュに。
その隣は伝統芸能通、月の3分の一はお着物で過ごされるポンチ姐さん。銀座結びの花帯が着慣れた風情・・・。
奥はkinakoさん。ポニアでお求めの紫陽花の刺繍のアンティーク帯が素敵。紫陽花にちょっと雨が降りかかっているような意匠がいい感じですv
右はお着物スタートして間もないほのかさん。黒白ギンガムの木綿着物に薔薇の帯、足袋にも小さく同じ色のお花が入っているお洒落さん。



左は石田式の着付けの先生いそじんさん。帯はお手製、リバーシブルです。バッグと帯揚げのグリーンが効いていますね。
お隣は宮本さん。ご先祖様の戦前のお着物・・・とおっしゃる雰囲気のある紫の小紋を今日は衣紋を大きく抜いてアンティ-ク着物らしい着こなしに。帯は目黒の池田さんでお求めの、珍しいハッキリしたグリーンで華のある装い。
奥は今年になってからお着物に目覚められたユキさん。着付けは昔習得済みでいらっしゃるだけあって、お洒落な普段着物がすでに板について・・・。半襟と襦袢の替え袖は紺地に白の水玉でなんとお手製!きものまわりの小物は結構手作りで自分のカラーを出せるのも、お着物の楽しみの一つですねv
右はわたくし。ふくれ織の軽い袋帯は地色が明るい若草色、グリーンやブラウンで抽象的なハートのような柄が全通で入っています。色で、決めました(笑)。着物は今年デビューでお気に入りのブルーの万筋。この帯と、和光で購入のイタリア製のグリーンメッシュのバッグは今日がDebutです


Kバレエ「海賊」 ③

2007-05-13 07:00:22 | BALLET


他のソリストは・・・。
松岡さんは、顔立ち、スタイルともに大変美しく、技術的なこともクリアしているのですが、見ているとだんだんと気持ちが遠のいていってしまう・・・。
都さんがどんどん引き込んでいくのでやはりここはダンサーとしての格の違いと言っては気の毒でしょうか。
楽天的で、パシャに買い上げられてメドゥーラと生き別れになっても、それはそれで贅沢な暮らしをエンジョイするちゃっかりタイプのギュリナーラもいますが、松岡さんはパシャに呼ばれてハーレムで踊るときも常に嫌悪と恐れの表情での役作り。そのせいで、上半身が伸びやかに使い辛かったということもあるのかもしれませんが・・・。

輪島さんのランケダムはただの悪モノみたい。
ABTの映像で見るマラーホフのランケダムだと商売っ気や愛嬌や如才なさ、人あしらいの上手さが出て、ランケダムの造形が面白いのですが、そういった役作りのレベルまでは残念ながら到達していないように見受けられました。

熊川の演出意図として、海賊と商人の権力争いと、海賊団内部でのビルバントの裏切りによってさらに複雑化するパワーゲームも見所、とされていましたが、そのような演出意図を浮き彫りにできるほどのソリスト陣の成熟をまだ待つ必要がありそうです。

Kバレエの魅力=熊川、都さんという傑出した世界レベルのアーティストが主役を踊ること。美術に予算を割いて、ヴィジュアルの美しさで完成された舞台を演出。コールドの女性に美人が多い。
Kバレエの欠点=コールドの完成度の低さ、ソリストとTOPのレベルの乖離。コールドの振付が単調で魅力に乏しいところ。(これは振付の欠点なのか、技術レベルの未熟さによるものなのか不明)

豪華な舞台装置、華と個性に恵まれたトップ、そのトップダンサーとは個性の違いこそあれ、技術・演技力で見劣りしないレヴェルのソリスト、美しく揃った良く鍛錬されたコールド。

全てに恵まれることは難しいとはいえ、折角多くの支持を得て、日本一の観客動員力を誇るKバレエ、もう少し全体のレベルの底上げができればと、つい思ってしまうのでした。





Kバレエ「海賊」 ②

2007-05-13 06:21:09 | BALLET
出色の出来だったのは、やはり、吉田都さん。



ヒラヒラするハーレムパンツをベースにした天女の羽衣のような衣装、美しい水色の薄物をベースにした少女たちの一群が浜辺に現れるシーンから、美人揃いのKバレエのコールドの中にあって更に美しい、という設定の吉田・松岡姉妹。ギュリナーラの松岡さんはラベンダーピンクで艶やかに、都さんは周囲より少しだけ色鮮やかな水色の衣装で清楚で可憐な印象。
水指から、気を失っていたコンラッドに水を飲ませて2人の目と目があい・・・。
恋が芽生えて軽いパ・ド・ドゥ。ギュリナーラに戻っていらっしゃい、と促されながら、コンラッドに心を残す、少女らしいつつしみの中の恋心を描く演技も控えめながら伝わるものがあり、踊り以外の地の場面での静かな演技の的確さが、全体的に賑やかなKバレエの「海賊」の中で、物語を紡ぐ重要なファクターになっています。

奴隷市場でパシャたちの値踏みするような視線を浴びて、踊る美女たち。
ギュリナーラ、松岡さんはゴールドのラメが入ったヴェールで包まれて踊りますが、それでもその美しさが際立って、パシャに買い上げられてしまいます。
そして登場するニキヤ・・・ならぬ、メドゥーラ。いや、白いヴェールで上半身を覆われ、胸元をそっと押さえるような手の位置といい、パッと背後からランケダムの手がヴェールをはぐとそこには光り輝くばかりの美女が・・・という演出といい、「ラ・バヤデール」の巫女ニキヤの登場シーンにそっくり。
色々とアレンジを凝らした、と語られていた熊川演出ですが、これはアレンジと言うか(以下略)
ギュリナーラのソロの踊りの音楽は「エスメラルダ」の有名なヴァリの曲でしたし、バレエファンとしては??という場面もありましたが、いつもより濃い目のメークがかえってコケティッシュで女らしいメドゥーラに相応しく、キラキラとしたオーラを纏いながらのご登場。
12月のくるみわり人形のマリー姫では、小顔メーク?の茶系のチークがあまりお似合いでなく、気になっていたのですが、今回のレッド系のチークは女らしくて正解。
ギュリナーラのときには他のパシャと競り勝ったサイードパシャですが、メドゥーラには宝石箱をそのまま差し出します。と、そこに現れたアリとコンラッド。
メドゥーラを救い出して、海賊仲間の待つ洞窟に・・・。

ここでのパ・ド・トロワ!
都さんがKバレエに移籍、と聞いたときには、Kバレエに彼女と踊れる相手役がいるのか、という心配が先にたち・・・熊川は芸風が違いすぎるので、古典のペアとしての並びがあまりよろしくないし、かといって2番手以下の若手はまだ彼女ほどのダンサーにふさわしいほどの成長段階に達していないし・・・と。
結果、若手を育てる役目も担わされていらっしゃる現状ではありましたが、この作品の場合は奴隷とお姫様!こういう配役であれば、この他から頭10個分は抜きん出ている2人を同時に舞台で見られてしかもお互いの持ち味が100%発揮できる。
さすが・・・。なぜ熊川が今「海賊」をレパートリーのひとつとしたか、その理由はここに・・・と思わされたトロワでした。
ダイナミックな熊川の回転と跳躍、キメをつくる演技。
たおやかでしかもキラキラと煌くオーラがどんどん広がって舞台全体を覆いつくすような、風のように軽やかでしかも幸福感に満ちた雰囲気は都さんならでは。
3つの頂点の一角を心ならずも担わされたスチュワート・キャシディは、前半のソロでの跳躍はまったく回転軸がぶれていて着地の姿勢をコントロールできていないのが目に付き、やれやれ先が思いやられるとまで危惧されたものの、トロワではさすがにこの2人に負けじと意地を見せ、大きな柄を生かした演技を見せてくれました。
それにしてもプレッシャーだったでしょうね!



Kバレエ「海賊」 アリの物語

2007-05-13 05:22:02 | BALLET
11日の金曜日、熊川哲也率いる、Kバレエカンパニー新作「海賊」の初日、東京文化会館に行ってまいりました。

ヨランダ・ソナベンドの美術は今回もスペクタクルロマンを彩る重要なファクターとして機能。
嵐の海から、海賊船が打ち上げられ、メドゥーラ、ギュリナーラ姉妹らギリシャの乙女たちとの出会いの場としての浜辺、ランケダムが仕切る奴隷市場、海賊のアジト、パシャのハーレム、そしてラストの朝焼けの海まで、深みのある豪華な色彩豊かな舞台で物語と主役の踊りを引き立てます。

この日は初日とあって、Kバレエ渾身の1stキャスト。
海賊の首領コンラッドにスチュアート・キャシディ、彼と恋仲になる美少女メドゥーラに吉田都さん。
コンラッドの忠実な僕アリに熊川哲也。パシャに売られるメドゥーラの姉、ギュリナーラに松岡梨絵。
奴隷商人ランケダムには怪我で降板の芳賀望に代わって輪島拓也。
途中で裏切り者に変貌する海賊のNO.2ビルバンドにビャンバ・バットボルト。
宝石に身を包み、富に任せて美人奴隷によるハ-レムの主として君臨するサイードパシャにイアン・ウェッブ。

特筆すべき点は、なんといっても全編を通して大活躍のアリの存在感。
「海賊」は本来、コンラッドとメドゥーラの恋物語を中心に展開されるオハナシなので、アリは有名な見せ場のパ・ド・トロワでこそ存在感と限りない忠誠心を示すもののあくまで脇役のはず・・・だったのが、熊川版では、常に一団の先頭に立ち、戦闘シーンで最初に剣を抜くのは彼、初めに少女たちに挨拶をするのも彼。コンラッドに忠誠を尽くしながらも、奴隷として主人を敬う、というよりは、腹心のデキル部下として、「片付けておきましたぜ」とどんどん物語を展開させていく推進力として常に舞台の中心にいるのが彼。
というのがまず、印象深いところ。

勿論、踊りもその出番の多さに比例して、新しいソロがふんだんに盛り込まれています。
メドゥーラをリフトする力仕事はコンラッドに主にお任せして、主役の男性ダンサーでありながら、一人自由に超絶技巧をあますところなく魅せる美味しい役どころ。
常々男性ダンサーの、力強い魅力を引き出す振付に惹かれると語る熊川が、自身のために見せ場をしっかりと用意した作品によって、信じがたいほど加速するピルエット、2階席からでもその高さに息を呑む跳躍、それらの正統的な踊りから逸脱しているかに見えて、きっちりと音楽を奏でることを可能にする安定したボディコントロールなど、彼の良さが最大限に発揮されていると言ってよいのではないでしょうか。
衣装もよくあるアリ役の、上半身は裸でブルー系のハーレムパンツを身に着けた簡素な姿とは程遠い、ブロンズでサイドを彩った麻色のパンツに上半身はワンショルダーの短いTシャツ状に見えるようなブロンズのストラップでかすかに覆われてゴージャス。エキゾチシズムをかき立てるサファイヤ色の石で額に留められた一本の白い羽がアリ役としてのルールをかすかに留めて・・・。
彼のこの役に対する思い入れが伝わる振りと衣装でした。



こちらは宣伝用のスチールなので、舞台衣装とは若干異なりますが、スピリットはお伝えできるかと・・・