先程、書き上げてUPしたらシステムエラーで全てが消えてしまいました・・・(涙)
でも、もう一度、気を取り直して・・・
■第3部■
◆「椿姫」より第1幕のパ・ド・ドゥ

オペラ座の名花、オレリー・デュポン。
舞台中央に鏡、下手に赤い寝椅子。
鏡を見つめて、健康の衰えと放蕩の末の早すぎる死が迫っていることに
絶望するマルグリット。
紫のドレスが白い肌と赤い唇に映えて美しい。
そこに走り出るアルマン。
ルグリは短髪にして一層シャープさを増した容姿で、素早いパを完璧に演じます。
足元に額づく若い崇拝者に条件反射的に艶やかな微笑を与えるマルグリット。
切なさと情熱に押されて惑う心、いつしか若者の求愛に力を得て生気を取り戻す
表情・・・。
ダンサーに顔ばかりを言っても何ですが、オレリーの細やかな表情の変化が素晴らしい。
ルグリは若い恋人というにはムリがあると思わせるのは顔に浮ぶ年月だけ。
アルマンの心、そしてそれを表現する圧倒的な技量は頂点を極めているとしか言えません。
彼もバレフェスに参加するのは今回が最後とか。
年月というもののやるせなさを思います。
◆「フォーヴ」

その年月を超越しているのがこの2人。
ベジャールさん亡き後バレエ団を率いるジル・ロマンと
マイヨーのミューズ、完璧なプロポーションと美しさで圧倒的なオーラを放つ
ベルニス・コピエテルスです。
昨年、せっかくモナコ公国モンテカルロバレエの来日公演を観ましたのに、
なんとコピエテルスでない主役の日に観てしまい・・・
彼女を知った今、過去のことなのに激しく後悔、です(笑)
舞台中央に洋服タンス?
マジック・ショーに使う箱?の扉が開き、片方からはコピエテルスの美脚が
もう片方からはジルの咆哮のようなアクビが。
おなじみ、ドビュッシーの「牧神の午後」の音楽で、2人の触れ合わんとすると
過剰反応して飛び退り、それぞれ余韻を味わう・・と言う動きの繰り返しが、
エロティシズムとユーモアを漂わせて展開します。
この写真とは弱冠異なり、ジルは上に白いシャツをまとい、コピエテルスは美脚は素のままに
白いビキニの上下に透ける素材の身体にピッタリ仕立てられた白いシャツ。
髪はシルバーホワイトで、ジルの黒髪とはきれいなコントラストを見せていました。
コピエテルスは長身でジルとあまり変わらないくらい。
ちょっと前田美波里を思わせるグラマラスなショー・ダンサー体型にショートカットの
粋な雰囲気のある人で、内に秘めた官能性を持つジルとの並びは
ともにセクシーでありつつも両性具有的な雰囲気をも持ち合わせている、という意味で
双子のよう。
ふたりで踊るレパートリーはもっとないのかしら?見てみたいと思いました。
◆「白鳥の湖」より”黒鳥のパ・ド・ドゥ”
バレフェスに満を持して初登場のボリショイの姫スヴェトラーナ・ザハロワ。
小作りでフェミニンな顔立ちに似合わず、意外とドライで男性的な性格という彼女らしく
オディールは蟲惑的な誘惑者、というよりも、完璧な踊りをサクサクと見せてくれました。
それにウヴァーロフのおっとり王子がまんまと夢中になってしまった・・・という感じ?(笑)
長身のペアの正統派ロシア系バレエは見応えがありましたが、
白い上下にウエストのフィット感が今ひとつの衣装のせいか、ウヴァーロフがいつも以上に
ポヤッと見えてしまって、大丈夫?しっかり!と心の中で声援を送ってしまいました(笑)
幸いヴァリでのジャンプは相変わらず高く、ホッとしましたが・・・。
◆「カジミールの色」
マリインスキーのヴィシニョーワとベルリン国立バレエ芸監のマラーホフ。
色彩から来る喜びをショスタコーヴィチの音楽に合わせて表現した、という
抽象的なる完璧コンテ。
2人してグラフィカルなショートパンツはヴィシニョーワが白と黄、マラーホフがグレーと黄。
ヴィシニョーワはそれにホルターネックのランニングタイプのビキニトップを身につけ
完璧に割れている見事な腹部を露わにしています。
エリザベス・テーラー張りの美女、情熱と高い身体能力を持ってほとんどの古典作品で
パートナーの存在感を亡き者にしてしまう(?)彼女の集中力は素晴らしく、
またそれを受けるマラーホフの微塵のゆるぎも見せないサポート振りは本当に
見事でした。
ただ、難易度の高い技巧をそれとは見せずに流れるように踊る二人の凄さは
客席の津々浦々まで伝わりきったかどうかは疑問。
コンテンポラリ-には心を閉ざす観客もいるせいか、完成度の高さの割りには
拍手が少ないことが気になりました。
◆「マノン」より”寝室のパ・ド・ドゥ”

ポリーナちゃんは最近マラーホフの秘蔵っ子とかベルリンの姫とかあまり
言われなくなりましたね。
すっかり引き締まった体躯と持ち前の演技力にも磨きがかかり、
今やすっかり国際的に活躍するスターダンサーの風格も出てきました。
とはいえ、シュツットガルトのフリーデマン・フォーゲルくんともども、
リアルでこの場面を演じられる若さがまぶしくて・・・。
マノンってベテランが芸の力で若い愛の交歓を歌い上げる、という演技も
すばらしいのですが、こういう、若さが内側からあふれ出るような
輝きを帯びた舞台にもやはり感動してしまいます。
衣装は19世紀のロマンチックなコルセットキャミとペチコートを少し省略して
上の画像に、ストラップの根元に小さなリボンを足した程度のシンプルさ。
そのシンプルな感じがクラウディア・カルディナーレのような眼力を持つ
ポリーナのしなやかな強さに合っていました。
このところ古典作品の解釈を深めているフォーゲルくんは、思いがけず
ロマンティックなデグリュー。
マクミラン作品にはその型を守って見せることにこだわりのあるわたくしですが、
この2人のナチュラルな感じは、それはそれで魅力がある、と思いました。
◆「ドン・キホーテ」
ボリショイのナターリア・オシポワ、マリインスキーのサラファーノフ。
大トリはロシアの若きテクニシャン。
額に巻き毛の古典的なこしらえがボリショイらしいオシポワは回転系の安定度が抜群。
サラファーノフは、シムキンに対抗する気持ちとかないのかしら?
と気になっていたのですが、余裕で得意のマネージュのところどころに
アラベスクで一回転したり、前後に開脚する高いジャンプなど、彼ならではの
空中での絶妙なコントロール力を発揮してラストに相応しく華やかに決めてくれました。
とはいえ、あまりに自然なので会場が息を呑み、興奮するといった類のものではなかったかも(笑)
サラファーノフの中途半端に前髪を下ろしたぽさぽさのヘアスタイルが
細身を身体に対して頭を大きく見せて苦手、という意識があったのですが、
今回はキレイに撫で付けていてホッとしました(笑)
それにしても最後の全員揃ってのカーテンコールのゴージャスなこと!
当然舞台中心で喝采を浴びて当然のダンサーたちがずらりと下手から上手まで並んでいるのですから・・・。
やはりこのフェスは見逃せませんね。
Bプロ、ガラ、ベジャールガラとこれからの演目も楽しみです
でも、もう一度、気を取り直して・・・
■第3部■
◆「椿姫」より第1幕のパ・ド・ドゥ

オペラ座の名花、オレリー・デュポン。
舞台中央に鏡、下手に赤い寝椅子。
鏡を見つめて、健康の衰えと放蕩の末の早すぎる死が迫っていることに
絶望するマルグリット。
紫のドレスが白い肌と赤い唇に映えて美しい。
そこに走り出るアルマン。
ルグリは短髪にして一層シャープさを増した容姿で、素早いパを完璧に演じます。
足元に額づく若い崇拝者に条件反射的に艶やかな微笑を与えるマルグリット。
切なさと情熱に押されて惑う心、いつしか若者の求愛に力を得て生気を取り戻す
表情・・・。
ダンサーに顔ばかりを言っても何ですが、オレリーの細やかな表情の変化が素晴らしい。
ルグリは若い恋人というにはムリがあると思わせるのは顔に浮ぶ年月だけ。
アルマンの心、そしてそれを表現する圧倒的な技量は頂点を極めているとしか言えません。
彼もバレフェスに参加するのは今回が最後とか。
年月というもののやるせなさを思います。
◆「フォーヴ」

その年月を超越しているのがこの2人。
ベジャールさん亡き後バレエ団を率いるジル・ロマンと
マイヨーのミューズ、完璧なプロポーションと美しさで圧倒的なオーラを放つ
ベルニス・コピエテルスです。
昨年、せっかくモナコ公国モンテカルロバレエの来日公演を観ましたのに、
なんとコピエテルスでない主役の日に観てしまい・・・
彼女を知った今、過去のことなのに激しく後悔、です(笑)
舞台中央に洋服タンス?
マジック・ショーに使う箱?の扉が開き、片方からはコピエテルスの美脚が
もう片方からはジルの咆哮のようなアクビが。
おなじみ、ドビュッシーの「牧神の午後」の音楽で、2人の触れ合わんとすると
過剰反応して飛び退り、それぞれ余韻を味わう・・と言う動きの繰り返しが、
エロティシズムとユーモアを漂わせて展開します。
この写真とは弱冠異なり、ジルは上に白いシャツをまとい、コピエテルスは美脚は素のままに
白いビキニの上下に透ける素材の身体にピッタリ仕立てられた白いシャツ。
髪はシルバーホワイトで、ジルの黒髪とはきれいなコントラストを見せていました。
コピエテルスは長身でジルとあまり変わらないくらい。
ちょっと前田美波里を思わせるグラマラスなショー・ダンサー体型にショートカットの
粋な雰囲気のある人で、内に秘めた官能性を持つジルとの並びは
ともにセクシーでありつつも両性具有的な雰囲気をも持ち合わせている、という意味で
双子のよう。
ふたりで踊るレパートリーはもっとないのかしら?見てみたいと思いました。
◆「白鳥の湖」より”黒鳥のパ・ド・ドゥ”
バレフェスに満を持して初登場のボリショイの姫スヴェトラーナ・ザハロワ。
小作りでフェミニンな顔立ちに似合わず、意外とドライで男性的な性格という彼女らしく
オディールは蟲惑的な誘惑者、というよりも、完璧な踊りをサクサクと見せてくれました。
それにウヴァーロフのおっとり王子がまんまと夢中になってしまった・・・という感じ?(笑)
長身のペアの正統派ロシア系バレエは見応えがありましたが、
白い上下にウエストのフィット感が今ひとつの衣装のせいか、ウヴァーロフがいつも以上に
ポヤッと見えてしまって、大丈夫?しっかり!と心の中で声援を送ってしまいました(笑)
幸いヴァリでのジャンプは相変わらず高く、ホッとしましたが・・・。
◆「カジミールの色」
マリインスキーのヴィシニョーワとベルリン国立バレエ芸監のマラーホフ。
色彩から来る喜びをショスタコーヴィチの音楽に合わせて表現した、という
抽象的なる完璧コンテ。
2人してグラフィカルなショートパンツはヴィシニョーワが白と黄、マラーホフがグレーと黄。
ヴィシニョーワはそれにホルターネックのランニングタイプのビキニトップを身につけ
完璧に割れている見事な腹部を露わにしています。
エリザベス・テーラー張りの美女、情熱と高い身体能力を持ってほとんどの古典作品で
パートナーの存在感を亡き者にしてしまう(?)彼女の集中力は素晴らしく、
またそれを受けるマラーホフの微塵のゆるぎも見せないサポート振りは本当に
見事でした。
ただ、難易度の高い技巧をそれとは見せずに流れるように踊る二人の凄さは
客席の津々浦々まで伝わりきったかどうかは疑問。
コンテンポラリ-には心を閉ざす観客もいるせいか、完成度の高さの割りには
拍手が少ないことが気になりました。
◆「マノン」より”寝室のパ・ド・ドゥ”

ポリーナちゃんは最近マラーホフの秘蔵っ子とかベルリンの姫とかあまり
言われなくなりましたね。
すっかり引き締まった体躯と持ち前の演技力にも磨きがかかり、
今やすっかり国際的に活躍するスターダンサーの風格も出てきました。
とはいえ、シュツットガルトのフリーデマン・フォーゲルくんともども、
リアルでこの場面を演じられる若さがまぶしくて・・・。
マノンってベテランが芸の力で若い愛の交歓を歌い上げる、という演技も
すばらしいのですが、こういう、若さが内側からあふれ出るような
輝きを帯びた舞台にもやはり感動してしまいます。
衣装は19世紀のロマンチックなコルセットキャミとペチコートを少し省略して
上の画像に、ストラップの根元に小さなリボンを足した程度のシンプルさ。
そのシンプルな感じがクラウディア・カルディナーレのような眼力を持つ
ポリーナのしなやかな強さに合っていました。
このところ古典作品の解釈を深めているフォーゲルくんは、思いがけず
ロマンティックなデグリュー。
マクミラン作品にはその型を守って見せることにこだわりのあるわたくしですが、
この2人のナチュラルな感じは、それはそれで魅力がある、と思いました。
◆「ドン・キホーテ」
ボリショイのナターリア・オシポワ、マリインスキーのサラファーノフ。
大トリはロシアの若きテクニシャン。
額に巻き毛の古典的なこしらえがボリショイらしいオシポワは回転系の安定度が抜群。
サラファーノフは、シムキンに対抗する気持ちとかないのかしら?
と気になっていたのですが、余裕で得意のマネージュのところどころに
アラベスクで一回転したり、前後に開脚する高いジャンプなど、彼ならではの
空中での絶妙なコントロール力を発揮してラストに相応しく華やかに決めてくれました。
とはいえ、あまりに自然なので会場が息を呑み、興奮するといった類のものではなかったかも(笑)
サラファーノフの中途半端に前髪を下ろしたぽさぽさのヘアスタイルが
細身を身体に対して頭を大きく見せて苦手、という意識があったのですが、
今回はキレイに撫で付けていてホッとしました(笑)
それにしても最後の全員揃ってのカーテンコールのゴージャスなこと!
当然舞台中心で喝采を浴びて当然のダンサーたちがずらりと下手から上手まで並んでいるのですから・・・。
やはりこのフェスは見逃せませんね。
Bプロ、ガラ、ベジャールガラとこれからの演目も楽しみです
