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お着物Enjoy生活からバレエ・オペラ・宝塚etcの観劇日記に...

第12回世界バレエフェスティバル Bプロ ②

2009-08-10 04:43:27 | BALLET
バレフェスBプロ2日目、
行って参りました・・・
本当に密度の濃い舞台で、今回は落ちてしまった演目もなく、存分に楽しむことができました。



今回のバレフェスは、開幕の「ドン・キホーテ」全幕のときから、なのですが
会場内の設えが華やかで・・・
こちらは東京文化会館のロビーですが、天井から吊られていたり、
柱やイーゼル?におかれた出演ダンサーのパネルが、気分を盛り上げてくれます。

■第1部■

◆「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」

淡いピンクの衣装のマリアネラ、胸元にラインストーンがキラキラするのが
彼女にピッタリ。
ちょっとしたパとパのつなぎ、ソアレスによりそってポーズを決めるときなどに
さりげなく女らしい しな?柔らかいニュアンスのある動きを入れていて、
フレッシュさだけでない、独特の女性的な魅力がありますね。
最後の方のピルエットもサポートほとんど不要?な感じで5回転はしていましたが、
・・・バレフェスおそるべし、でこの先、ピルエットについては恐ろしいほどの
テクニシャン続出で、最終的にマリアネラレベルは平均値、ということになるのですが(!)
ソアレスはきっちりとサポートしていましたが特別Aプロのシムキンくんを
凌駕する何かを見せたわけではなく・・・まぁあれだけされると
同じ演目、というだけでもプレッシャーかも?
長身で男性的な魅力があるのとマリアネラとの息がピッタリなのが見ていて心地よい。

◆「コッペリア」

純白にキラキラクリスタルの衣装のサレンコ。
白いふんわりブラウスに淡いグレーのタイツ(今回この組み合わせの男性多し)のコンヴァリーナ。
Aプロのコジョカルペアの愛の溢れる演技に影響を受けたのか、
アイコンタクトもキチンと取って、優しい雰囲気のPDDでスタート。
なかなか丁寧で感じがいい・・・と思っていましたが、
一人になると寂しいサレンコ。どことなく、心もとない感じが漂ってしまうのは
押し出しの強いスター軍団の中にあるから?
コンヴァリーナは地味ながらもノーブルな、とてもキレイな踊りでした。

◆「アレクサンダー大王」

この演目、もとは「トランスパレンテ」という演目のはずが、
急遽差し替えになった模様・・・。
ウエスト部分にターコイズブル-の刺繍?の施された黒いロングの巻きスカート。
引き締まった上半身を見せるフォーゲルと、刺繍の入った黒のビキニトップのポーリーナ。
とてもスピーディでダイナミックな振付が、少し日焼けして黒髪をダウンヘアにして
野性味とシャープさを増した彼女に良く似合っていてとても印象的な作品でした。
ポーリーナはバンビのようなチャーミングな容姿ではありますが、
前回のバレフェスでの「黒鳥」で眼力の凄い演技でびっくりさせてくれたように
意外と強さのある役どころのほうが似合うのかもしれません。

振付のロナルド・ザコヴィッチはベルリン国立バレエ団のプリンシパル・・・
ということはポーリーナの同輩ですね。
才能のある人だと思いました。
このPDDが先に2008年に初演されて、これから全幕が発表されるとか。
ちょっと「スパルタクス」を思い起こさせなくもありませんが、興味を惹かれます。

◆「海賊」より”寝室のパ・ド・ドゥ”

アイボリーべージュの薄いドレスのメドゥーラ、レイエスはやっぱりちょっと
フェリっぽいかも。
カレーニョは白ブラウス+淡グレータイツの基本形ですがウエストに赤いサッシュを巻いて
海賊の首領コンラッドに。
あまり見ることの少ないPDDだと思うのですが、2人が心を通わせる場面、ということで
とても良い雰囲気のペアでした。
でも・・・。カレーニョの安定したサポートと決めポーズの美しいあごの角度を堪能、はしましたが
なぜにソロのヴァリエーションがないの~?!

とても短かったですxxx
この演目も「ロミオとジュリエット」のバルコニーのパ・ド・ドゥのはずが
急遽変更になったものなので(というかガラで踊るはずだったのに)
カレーニョが本調子ではない、ということかしら。ちょっと心配です。

◆「白鳥の湖」より ”黒鳥のパ・ド・ドゥ”

ロイヤルのデヴィッド・マッカテリをパートナーに東バ代表上野水香さんが踊ります。

1度彼女の全幕を観て、ちょっとダメ、と思って封印してきたものの、
最近の再演についてはポジティブな感想を耳にしていたので安心して
見始めたのですが・・・。
うーん。なんとも微妙な心持にさせられてしまいました。
お顔の表情はとてもコケティッシュに”誘惑”しているのですが、
なんだかパとパのつなぎが・・変?
パドブレとか、所謂振りが入っているところはまだしも、ただ後ずさるとか
普通の動きがバレエでなく素?と思ってしまうほどキレイでないのがなんとも気になります。
フェッテが回れる、という以前の問題かも。
あと最初のPDDのラスト、音楽が終わっていないのに決めポーズをとってしまったのはなぜ?
マッカテリ、あわてて合わせていましたが・・・。
なにかと落ち着かない気分に(;;)

◆「パリの炎」

そんなもやもやを一掃してくれたフレッシュな2人。



もとより、技巧派の技を見せるコンサートピースとして知られる
(というか全幕で上演されることはまずない)演目ではありますが、
え、この振りってこんなだったかしら?!!
と思わせるシムキンスペシャル。

180度開脚のジャンプ、この写真よりももっと!240度?
どういう柔らかい関節を持っているの?と思わせる驚異的な身体能力。
でも、きちんとバレエのエレガンスを保ち、音にもあわせパートナーとの
呼吸もはずさないところが彼の凄さ。
ピルエットもカレーニョで観られなかった分をここで・・というわけでも
ないでしょうが、数えられないほどの回転数で高速で回っても、最後はきれいに減速して
静かにピタリと決めるのがニクイ。
脚を大きく回転させながらのジュテもつま先がきれいな円の軌跡を描き、
場内興奮の嵐。
コチェトコワもフェッテ、片脚でジャンプしながらのステップなど
チャーミングな笑みを絶やさずにキレイに決めてくれて、タメ息もの。

この2人、全幕のときには 凄いけれども一応上品なクラシックの枠をはずさない、という
エレガントさとクレバーさ加減が絶妙でしたが、こういうお祭りGALA系の
演目では少し枠をはずしてはじけてくれるのがまた好ましい。
ええ、それでもバレエとしての美しさ滑らかさは損なわれていないのですから・・・

通常2回のカーテンコールが客電がついても拍手が鳴り止まず、3回になりました☆