もう、観てから半月が経過・・・
時の経つのは早いもの・・・。
エトワール・ガラが始まってしまう前に、急いでUPです!
このガラ・タイトル、如何にも光藍社さんですね^^;
こちらのプロモーターさんには会員登録をしていないので、E-plusでとったチケットではありましたが、25列目のセンターブロック、とまずまずのお席。
この会場は前方が傾斜がなくて前後の席がほぼかぶっているので、良席かと思うゾーンが意外と見づらいので、このあたりが却って見やすいのかも?
「バレエの真髄」 2010年7月8日(木) 18:30開演
文京シビックホール
<第1部>
■「眠りの森の美女」よりローズ・アダージョ
ナタリヤ・ドムラチョワ
セルギイ・シドルスキー/イーゴリ・ブリチョフ/ オクレシイ・コワレンコ/チムール・アスケーロフ
音楽:P.チャイコフスキー
振付: M.プティパ
いきなり4人の王子がでてきてローズ・アダージョ。
ドムラチョワのオーロラ姫はかわいらしくて素敵でしたが、バランスはあまりお得意ではないらしく、アラベスクのポーズのオーロラが次々と王子たちに手を預けるシーンでは、ほとんど自分でバランスキープする時間を作らずちょっと余裕がない感じで残念。
タマラ・ロホやシルヴィー・ギエムみたいに王子を必要としないほど自立しているのも、オーロラとしてはいかがなものかしら?とも思いますが、魅力のあるダンサーだけにもっと得意な演目が他にありそうなのに・・・と思わないでもありませんでした。
■「侍」
岩田守弘
音楽: 鼓童
振付:M.ラブロフスキー
和太鼓の音が印象的でしたが、踊りとしては特に印象に残らず。
■「海賊」よりパ・ド・トロワ
エレーナ・フィリピエワ
セルギイ・シドルスキー
ヴィクトル・イシュク
音楽: R.ドリゴ
振付: M.プティパ、V.チャブキアーニ
ヴィクトル・イシュクは金髪の少年。アリ、のイメージとは全く異なる個性のダンサーですが、膝を90度にして少しずつ低くなっていく4回転などテクニックの見せ場をふんだんに盛り込んでいる構成。
とても華奢なので、フィリピノワをリフトするときには大丈夫?^^;という感じに・・・。
フィリピノワは絶好調で、連続フェッテの安定感はさすがの一言。
シドルスキーはダイナミックで勇壮な感じ。マネージュもきれいでキレがありました。
■「阿修羅」
ファルフ・ルジマトフ
音楽:藤舎名生
振付:岩田守弘
舞台中央に垂れ幕。
能の謡、笙、篳篥の、空間を引き裂くような音、に対し、最小の腕のムーブメントだけでそれを表現していくルジマートフ。
彼の、大人の成熟した男性としての厚みを増した身体とその存在感を上手く活かしていて、今のルジマートフにあっている作品だと思いました。
・・・が、何ですか?あの携帯の音!観客席から2回!・・・@@
■「ディアナとアクティオン」(”エスメラルダ”より)
ナタリア・ドムラチョワ
岩田守弘
音楽: C.プーニ
振付: A.ワガノワ
ドムラチョワのライトイエローグリーンの衣装がとても爽やか。
岩田さんはテクニックも優れていて、キレイに踊っていらしたけれども、この演目は全盛期のホセ・カレーニョがデフォルトになってしまっているので、この薄物の衣装の神話の世界の登場人物としては、もっと理想的な浮世離れした体型、雰囲気があればもっといいのに・・・とついつい思ってしまいます・・・。
■「ライモンダ」よりグラン・パ・ド・ドゥ
吉田都
セルギイ・シドルスキー
音楽:A.グラズノフ
振付: M.プティパ
当初予定されていたロバート・テューズリーが降板。急拵えのペアで心配していました。
やはりリフトではぐらぐらしてしまったり、観ていてハラハラするシーンもありましたが・・・。
あぁ、でもやっぱりグラズノフのあの音楽にぴったり合わせて踊る都さんの踊りの美しさと言ったら・・・
パのひとつひとつが丁寧で、パートナリングの不安を打ち消すような晴れやかな笑顔が最高!
エキゾチックなこの音楽が大好きなのですが、その音楽を体現するような踊りに陶酔してしまいました。
ああ、クラシック・バレエの主役をおどる都さんを全幕で観たいです~!
最初は4カップル、4人の男性の踊り、2人の女性の踊り、そして主役のPDDとソロ。
キエフバレエのソリストはスタイルが良くてとてもキレイ。
シドルスキーもPDDでは慎重でしたが、ソロではのびのびと、空中で一瞬ポージングの姿勢で止まって見える高いジャンプなど魅せてくれました!
第一部の終わりで一旦カーテン・コール。
確かに、第2部とは別物ですものね。
2つの公演を連続してパッケージにしたような今回のGALAとしてはこの進行のほうが自然なのかも。
<第2部>
■「シェヘラザード」
エレーナ・フィリピエワ
ファルフ・ルジマトフ
オレグ・トカリ
ルッスラン・ベンツィアノフ
ヴォロディミール・チュプリン
キエフバレエ
音楽: A.グラズノフ
振付: M.プティパ
この演目については昨年、マリインスキーでロパートキナとヴィシニョ―ワという究極のバ-ジョンで観ているので
今後どのバレエ団で観ても、あの舞台と脳内比較してしまうのだろうなぁ・・とちょっと満足できないのでは、と心配していたのですが・・・。
いや、さすがはロシアのバレエ団。衣装や装置がマリインスキーと比べると心持ちキッチュな感じがしないでもありませんが、極彩色の舞台の中央でスタイル抜群のオダリスクたちが腰をくねらせるのを観た瞬間、あぁ、この演目はこのバレエ団にとっては もう身に染み付いた掌中の作品、得意中の得意と言ってよいものなのだろうなぁということがすぐに伝わってきました。
あとはもう、エキゾチックな作品世界にゆったりと浸るだけです・・・^^
お話は・・・。
舞台は中東のハーレム、寵愛する美姫と金の奴隷との密通、狩りに出て留守にしている間の獄中の男奴隷とハーレムの女性たちとの乱痴気騒ぎの噂を弟から聞かされた王は、それを確かめるために、狩りに出る振りをします。
早速宦官を買収して鍵を手に入れ奴隷たちを解き放つ女性たち。
繰り広げられる官能的な饗宴・・・
そこに踏み込む王の一団。殺戮、寵姫の自殺。
フィリピノワのゾベイダは真っ赤な薄物を身にまとい、とても美しくて妖艶。
王を籠絡する愛撫、解放した金の奴隷に対する誘惑、ともに自らの意思で獲物を捕らえるように真っすぐな情熱を男たちに向ける、気性の激しいきっぱりとした造型が良く似合う。
最後も、王弟が金の奴隷を手にかけたのを見るや、彼に斬りかかろうと短剣を手にして止められ、王に対して自分が死ぬのとどちらを選ぶのか?という仕草をし、顔をそむける王を見て状況を悟り、潔く自害する。
迷いのない炎のようなゾベイダでした。
ルジマートフの金の奴隷は、以前、ユリア・マハリナとの黄金コンビでこの演目を観たときの印象と変わらず、 けれん味たっぷりな見えの切り方といい、うっすらと脂ののった筋肉質の身体と言い見た目がこの役どころにピッタリ。
ジャンプの高さ、ダイナミズムは若手に道を譲った感がありましたが、回転技での鋭さと迫力は健在。
大きな拍手に包まれたカーテンコール。
花束を抱えた観客がルジマートフとフィリピノワに手渡すのが見えると、わらわらといつの間にか、大きな花束を抱えた方々が舞台の前に列をなしていて・・・。
はい、全員、ルジ様お目当てです@@
普通はどんなに男性ダンサーのほうが格上だったり人気があったりしても、一応はパートナーの女性を立てるのがお約束ではありますが、今回は明らかにファンの熱視線がルジマ―トフ一人をめがけていたせいか、さくさく受け取り、そして何度も眼の前でサッと腕を滑らせて見えを切る、独得のポーズでのレヴェランスが延々と繰り返され、さぞかしファンの方々もご満足なさったのではないでしょうか・・・。
「ライモンダ」と「シェへラザード」
都さんとルジ&フィリピノワ。
エキゾチックな演目で、全く異なる個性を堪能した、まさに真夏の夜の夢・・・のような夜でした
時の経つのは早いもの・・・。
エトワール・ガラが始まってしまう前に、急いでUPです!
このガラ・タイトル、如何にも光藍社さんですね^^;
こちらのプロモーターさんには会員登録をしていないので、E-plusでとったチケットではありましたが、25列目のセンターブロック、とまずまずのお席。
この会場は前方が傾斜がなくて前後の席がほぼかぶっているので、良席かと思うゾーンが意外と見づらいので、このあたりが却って見やすいのかも?
「バレエの真髄」 2010年7月8日(木) 18:30開演
文京シビックホール
<第1部>
■「眠りの森の美女」よりローズ・アダージョ
ナタリヤ・ドムラチョワ
セルギイ・シドルスキー/イーゴリ・ブリチョフ/ オクレシイ・コワレンコ/チムール・アスケーロフ
音楽:P.チャイコフスキー
振付: M.プティパ
いきなり4人の王子がでてきてローズ・アダージョ。
ドムラチョワのオーロラ姫はかわいらしくて素敵でしたが、バランスはあまりお得意ではないらしく、アラベスクのポーズのオーロラが次々と王子たちに手を預けるシーンでは、ほとんど自分でバランスキープする時間を作らずちょっと余裕がない感じで残念。
タマラ・ロホやシルヴィー・ギエムみたいに王子を必要としないほど自立しているのも、オーロラとしてはいかがなものかしら?とも思いますが、魅力のあるダンサーだけにもっと得意な演目が他にありそうなのに・・・と思わないでもありませんでした。
■「侍」
岩田守弘
音楽: 鼓童
振付:M.ラブロフスキー
和太鼓の音が印象的でしたが、踊りとしては特に印象に残らず。
■「海賊」よりパ・ド・トロワ
エレーナ・フィリピエワ
セルギイ・シドルスキー
ヴィクトル・イシュク
音楽: R.ドリゴ
振付: M.プティパ、V.チャブキアーニ
ヴィクトル・イシュクは金髪の少年。アリ、のイメージとは全く異なる個性のダンサーですが、膝を90度にして少しずつ低くなっていく4回転などテクニックの見せ場をふんだんに盛り込んでいる構成。
とても華奢なので、フィリピノワをリフトするときには大丈夫?^^;という感じに・・・。
フィリピノワは絶好調で、連続フェッテの安定感はさすがの一言。
シドルスキーはダイナミックで勇壮な感じ。マネージュもきれいでキレがありました。
■「阿修羅」
ファルフ・ルジマトフ
音楽:藤舎名生
振付:岩田守弘
舞台中央に垂れ幕。
能の謡、笙、篳篥の、空間を引き裂くような音、に対し、最小の腕のムーブメントだけでそれを表現していくルジマートフ。
彼の、大人の成熟した男性としての厚みを増した身体とその存在感を上手く活かしていて、今のルジマートフにあっている作品だと思いました。
・・・が、何ですか?あの携帯の音!観客席から2回!・・・@@
■「ディアナとアクティオン」(”エスメラルダ”より)
ナタリア・ドムラチョワ
岩田守弘
音楽: C.プーニ
振付: A.ワガノワ
ドムラチョワのライトイエローグリーンの衣装がとても爽やか。
岩田さんはテクニックも優れていて、キレイに踊っていらしたけれども、この演目は全盛期のホセ・カレーニョがデフォルトになってしまっているので、この薄物の衣装の神話の世界の登場人物としては、もっと理想的な浮世離れした体型、雰囲気があればもっといいのに・・・とついつい思ってしまいます・・・。
■「ライモンダ」よりグラン・パ・ド・ドゥ
吉田都
セルギイ・シドルスキー
音楽:A.グラズノフ
振付: M.プティパ
当初予定されていたロバート・テューズリーが降板。急拵えのペアで心配していました。
やはりリフトではぐらぐらしてしまったり、観ていてハラハラするシーンもありましたが・・・。
あぁ、でもやっぱりグラズノフのあの音楽にぴったり合わせて踊る都さんの踊りの美しさと言ったら・・・
パのひとつひとつが丁寧で、パートナリングの不安を打ち消すような晴れやかな笑顔が最高!
エキゾチックなこの音楽が大好きなのですが、その音楽を体現するような踊りに陶酔してしまいました。
ああ、クラシック・バレエの主役をおどる都さんを全幕で観たいです~!
最初は4カップル、4人の男性の踊り、2人の女性の踊り、そして主役のPDDとソロ。
キエフバレエのソリストはスタイルが良くてとてもキレイ。
シドルスキーもPDDでは慎重でしたが、ソロではのびのびと、空中で一瞬ポージングの姿勢で止まって見える高いジャンプなど魅せてくれました!
第一部の終わりで一旦カーテン・コール。
確かに、第2部とは別物ですものね。
2つの公演を連続してパッケージにしたような今回のGALAとしてはこの進行のほうが自然なのかも。
<第2部>
■「シェヘラザード」
エレーナ・フィリピエワ
ファルフ・ルジマトフ
オレグ・トカリ
ルッスラン・ベンツィアノフ
ヴォロディミール・チュプリン
キエフバレエ
音楽: A.グラズノフ
振付: M.プティパ
この演目については昨年、マリインスキーでロパートキナとヴィシニョ―ワという究極のバ-ジョンで観ているので
今後どのバレエ団で観ても、あの舞台と脳内比較してしまうのだろうなぁ・・とちょっと満足できないのでは、と心配していたのですが・・・。
いや、さすがはロシアのバレエ団。衣装や装置がマリインスキーと比べると心持ちキッチュな感じがしないでもありませんが、極彩色の舞台の中央でスタイル抜群のオダリスクたちが腰をくねらせるのを観た瞬間、あぁ、この演目はこのバレエ団にとっては もう身に染み付いた掌中の作品、得意中の得意と言ってよいものなのだろうなぁということがすぐに伝わってきました。
あとはもう、エキゾチックな作品世界にゆったりと浸るだけです・・・^^
お話は・・・。
舞台は中東のハーレム、寵愛する美姫と金の奴隷との密通、狩りに出て留守にしている間の獄中の男奴隷とハーレムの女性たちとの乱痴気騒ぎの噂を弟から聞かされた王は、それを確かめるために、狩りに出る振りをします。
早速宦官を買収して鍵を手に入れ奴隷たちを解き放つ女性たち。
繰り広げられる官能的な饗宴・・・
そこに踏み込む王の一団。殺戮、寵姫の自殺。
フィリピノワのゾベイダは真っ赤な薄物を身にまとい、とても美しくて妖艶。
王を籠絡する愛撫、解放した金の奴隷に対する誘惑、ともに自らの意思で獲物を捕らえるように真っすぐな情熱を男たちに向ける、気性の激しいきっぱりとした造型が良く似合う。
最後も、王弟が金の奴隷を手にかけたのを見るや、彼に斬りかかろうと短剣を手にして止められ、王に対して自分が死ぬのとどちらを選ぶのか?という仕草をし、顔をそむける王を見て状況を悟り、潔く自害する。
迷いのない炎のようなゾベイダでした。
ルジマートフの金の奴隷は、以前、ユリア・マハリナとの黄金コンビでこの演目を観たときの印象と変わらず、 けれん味たっぷりな見えの切り方といい、うっすらと脂ののった筋肉質の身体と言い見た目がこの役どころにピッタリ。
ジャンプの高さ、ダイナミズムは若手に道を譲った感がありましたが、回転技での鋭さと迫力は健在。
大きな拍手に包まれたカーテンコール。
花束を抱えた観客がルジマートフとフィリピノワに手渡すのが見えると、わらわらといつの間にか、大きな花束を抱えた方々が舞台の前に列をなしていて・・・。
はい、全員、ルジ様お目当てです@@
普通はどんなに男性ダンサーのほうが格上だったり人気があったりしても、一応はパートナーの女性を立てるのがお約束ではありますが、今回は明らかにファンの熱視線がルジマ―トフ一人をめがけていたせいか、さくさく受け取り、そして何度も眼の前でサッと腕を滑らせて見えを切る、独得のポーズでのレヴェランスが延々と繰り返され、さぞかしファンの方々もご満足なさったのではないでしょうか・・・。
「ライモンダ」と「シェへラザード」
都さんとルジ&フィリピノワ。
エキゾチックな演目で、全く異なる個性を堪能した、まさに真夏の夜の夢・・・のような夜でした