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お着物Enjoy生活からバレエ・オペラ・宝塚etcの観劇日記に...

宝塚星組「南太平洋」千秋楽

2013-04-11 04:46:15 | TAKARAZUKA
宝塚の星組が1週間にわたる台湾公演を4月6日に開幕した裏で、
残り半分のメンバーが専科の轟さん主演のミュージカル「南太平洋」を日本青年館で上演中・・・。

正直、華やかな海外公演の陰で、抜擢された相手役の娘役さんもスターとして扱われたことのない妃海風ちゃんで、作品自体も往年の名作ミュージカルとはいえ、今の日本、今の宝塚で上演する意味、というとっかかりがなく、ポスターも決して美女とは言えない風ちゃんの横顔と轟さんのアップで、特に観に行くつもりではなかったのですが・・・。

3月19日から30日の梅田芸術劇場シアタードラマシティでの評判が聞こえてきて、どうも良作らしい・・・、と。
特に風ちゃんの歌唱力、舞台度胸、作品の中での比重の重さがかつてないレベル、男役スターに寄りそうヒロインの枠を超えて、退団後のTOP男役スターが外部での公演で主演するときのレベルの主役っぷりで、その扱いに応える彼女のパフォーマンス、というお話に加え、脇の美城れんさんを始め、英真なおきさんら専科の客演者のクォリティの高さなど、作品としてハイレベル、という評判で、これは一度観ておかなくては!と。

すべりこみで千秋楽、短い東京公演(4月5日~10日)@日本青年館大ホールに行って参りました^^


■主演・・・轟 悠(専科)

ブロードウェイ・ミュージカル
『南太平洋』

Rodgers & Hammerstein’s
SOUTH PACIFIC
Music by RICHARD RODGERS
Lyrics by OSCAR HAMMERSTEIN II
Book by OSCAR HAMMERSTEIN II and JOSHUA LOGAN
Adapted from the Pulitzer Prize winning novel
"Tales of the South Pacific" by James A. Michener

潤色・演出/原田諒

[解 説]
 リチャード・ロジャース作曲、オスカー・ハマースタインⅡ世脚本・作詞により、1949年にブロードウェイで初演、翌年にトニー賞最優秀作品賞を受賞。2008年には第62回トニー賞において、リバイバル作品賞をはじめとする7部門もの受賞に輝いたミュージカルの傑作。太平洋戦争の最中、とある南の島で繰り広げられるフランス出身の農園主エミールと、島の海軍の看護婦ネリーとの恋を、流麗な音楽に乗せて描いた作品。宝塚歌劇では、1984年に剣幸、春風ひとみらにより宝塚バウホールで上演し、好評を博しました。今回はブロードウェイでのリバイバル版(2008年)が魅せたように、より現代的に、そしてドラマティックな演出で感動の舞台を甦らせます。

〔主な配役 ]
エミール・ド・ベック(島に住むフランス人農園主)  轟 悠
ネリー・フォーブッシュ(赴任してきた従軍看護婦)  妃海 風
*~*~*
ジョセフ・ケーブル(中尉)  真風 涼帆
ブラッディー・メリー (土産物売りのやり手おばさん) 英真 なおき
リアット(メリーの娘)  綺咲 愛里

ジョージ・ブラケット(上官・大尉)  一樹 千尋
ウィリアム・ハービソン (ブラケット大佐の副官) 美稀 千種
ルーサー・ビリス (副業に精を出す兵士)  美城 れん
アメリカ軍の女性たち・ネリ―の仲間:  花愛 瑞穂 、白妙なつ、愛水 せれ奈、妃白 ゆあ 、紫月 音寧、 華鳥 礼良
アメリカ軍の兵士たち: 如月 蓮、 天寿 光希、 大輝 真琴、 真月 咲、 輝咲 玲央、麻央 侑希、飛河 蘭 瀬央 ゆりあ 音咲 いつき

リチャード・ウエスト(エミールの屋敷の執事) 夏樹 れい(米軍の女性もアルバイトで)
ガーナ(エミールの娘)  紫 りら (米軍の女性もアルバイトで)
ジェローム(エミールの息子)  城妃 美伶(米軍の女性もアルバイトで)
エミールの屋敷の使用人:  天華 えま、 綾 凰華

いや、良かったです。
行って良かった。

お話そのものをおさらいしますと・・・(ネタばれアリ)。

南部の小さな町で保守的な両親のもとで育てられたネリ―が、環境を変えたくて来た南の島(舞台の上手に東京までの距離、下手にNYとBOSTONまでの距離をしめした標識があり、ちょうど中間地点であることを示しています)で、土地に根付いて成功しているフランス人エミールと出会い恋に落ちる。
明るくて聡明で心優しい彼女だが、彼には死別したポリネシアンの妻との間に2人の子供がいることを知り、そのことを受け入れることが出来ず、苦悩する。
一方エミールは、故郷でマフィアのボスの排除運動のリーダーとして名乗りを上げたときに、ボスを偶然死に至らしめ、貨物船で逃げてきた先で成功。読書家で知的な大人の男性だが、アメリカ軍から危険な情報活動の任務への協力を求められる。

島でのアメリカ軍は女性に飢えた若い兵士たちと彼らをいなすやり手のメリーとの楽しい掛け合いから始まるが、そこに到着したのは膠着した戦局を打開するプランを持ってきたケーブル中尉。
男っぷりの良い中尉にメリーが目をつける。
実は彼女には秘蔵の娘リアットがおり、美しい彼女のために、ふさわしい相手と見込んで、兵士たちの目からかくしていた娘を引き合わせる。
隣の美しい島、将校しか渡れないバリハイにメリーの商売敵(でも良き仲間)ビリスの手引きで渡った中尉はリアットと恋に落ちるが、メリーから結婚を切りだされて逡巡する。
やはり保守的な教育を受けた彼は異なる人種間の結婚には踏み切れない。

エミールは大尉に呼ばれて、土地に詳しい人間としてガイド的役割の協力を要請されるが、愛する女性のためにも死の危険を犯すことはできないと一度は断るが、混乱したネリ―に拒絶された後 彼女が転属を希望していると聞き、戦争を早く終わらせるためなら・・とケーブル中尉とともに危険な任務に就く。
ケーブル中尉とエミールの間に友情が生まれ、自由な博愛精神を持つエミールに感化された中尉はリアットとの愛をはぐくむことを決意。
作戦そのものは、偶然密航?したビリスの働きもあって成功するが、中尉は戦死。
そのことを知ったネリ―はリアットを抱きしめ、エミールの2人の子供の面倒を見ながら、彼の帰りを待つ・・・そして・・・。

ハッピーエンドで気持ち良い涙を流せる良作でした。

また、この作品には、星組の次期のTOP娘役候補?の旬な娘役3人が出演しているので、2番手で台湾公演中の紅ゆずるさんの相手役として今の、TOPさん後の星組の将来を占う・・・という楽しみもあり^^
ちょっとそれを意識して見て観ました^^

■まず、一幕を観ての感想:

南太平洋良いですね!

ネリ―=風ちゃんがだんだんチャーミングに見えてきました
端正で大人なエミール=轟さんとの並びは違和感かと思いましたが意外と作品の設定(知的で大人なフランス人男性と元気で闊達な若いアメリカ人女性)に合っていたせいか良い感じ。
歌はバッチリで演技も出来るし長身なので、チャピちゃん(月組の現TOP娘役の愛希 れいか)タイプのトップ娘役として紅くんとバリバリ大作ミュージカルをこなすポテンシャルはありそうです

リアット=あいりちゃんは可愛いですね
黒塗りで可憐な肩だしドレスで、たどたどしいフランス語を数回話す(ma mere,とか^^;)以外の台詞は「チュウイ」のみ。愛らしく微笑み掛けてクルクルとケーブル中尉の周りを踊るだけで、歌も芝居も必要なし!という宛書きッぷりが素晴らしい(笑)姿の可愛さは目を惹きますね。

彼女に夢中になったマカゼくんのソロも安定していて、ミッキーを中心とした海兵隊の若者達や土産物やのやり手おばさんの英真さんのバリハイなどの名曲の狭間にあっても著しく落ちる感じがないのは成長したのかしら?
金髪のリーゼントにベージュの軍服でスッとした立ち姿がダンガリーシャツを崩して着ている下級兵士とは一線を画していて、メリーがこれぞと目をつけたのも納得!

原田先生の潤色は、いつもながら安定の美しさで、古き善き時代のパラマウント映画のよう…

■さて、第2幕、

冒頭、感謝祭のイベントで男役を従えてだぶだぶのセーラー服でセンターをとって歌い踊りまくる風ちゃん・・・。
身長が高い(公称164cm)のと芸がしっかりとしているので安定感すら漂いますね・・・。
唯一難点だとされていたお顔ですが、表情がくるくると変わって表現力があるのと、悩んだり悲しんだりする表情にヘンなクセがなくて、ファニーフェイスのカワイイ娘役さんとしてはアリなのでは?
スタイルはコンパクトながら女性らしいラインの現・TOP夢咲ねねちゃんのようにはいかず、カーキ色の開襟シャツワンピ姿はスラリとはしているものの、ミニの巻きスカートにブラトップの南国スタイルでは、お胸のラインはSEXYとは行かず、脚も長いけれどやや逞しいかしら・・・。
演技は良いデス。
あと、昔、凰稀かなめさんのパーソナル・ブックで海辺のデート設定で相手役を努めていらしたときに、スイカ割りなどアクティブな設定で、猛暑の中の撮影だったけれども明るい風ちゃんが雰囲気を盛り上げてくれて助かった・・的なコメントをかなめちゃんが残していて、性格美人なのだなぁという印象があり。
今回の大抜擢が今後実を結ぶと良いですね

もうひとりの注目株、城妃美伶ちゃんは子役。黒塗りでしかも男の子でしたが、「ジャン・ルイ・ファージョン」でのロザリー役で、その娘役らしいきれいなソプラノの発声で注目を集めた通り、子役でも、やはりかわいいお声と存在感でした^^ お顔が丸顔でちょっとゴツイ感じなのが、小顔の 綺咲 愛里ちゃんに一歩譲るところでしょうか。
お声重視の方には評判が良いですね^^


ぶれない主人公轟さんと、素直で芯のしっかりした明るい風ちゃんが最後は…で後味の良い芝居でした
千秋楽のご挨拶は挨拶苦手な轟さんらしく、時候の挨拶→あっさりと掃ける→スタンディングオベーション→さっきは途中でした、と、100周年を迎える宝塚歌劇をよろしくお願いします→手を振りながら掃ける→出てきてあっさり礼をしてサッサと掃け、下手で風ちゃんの肩を抱いて一礼、という流れ。観客も空気読んで帰る、という感じでした。マカゼくんが上手に捌けながら最後まで観客に手を降っていたのがさすが余裕の2番手格。 綺咲愛里ちゃんが一緒に胸の前で手を振っていたのが可愛かったです

印象に残ったのは、道化役を嫌味なくほんわかと演じた美城れんさん、轟さん宅の召使でセリフなしの役でも美貌と子供たちに向ける優しい視線で何気に目をひいた夏樹れいちゃん。

時代を感じるテーマ(戦争、人種差別)と聞き覚えのある名曲の数々で、今の宝塚らしいのか、と言われれば?ですが、違和感を感じさせずに作品として引き込まれる出来栄えだったとは言えるかも・・・


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2 コメント

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Unknown (maria-pon)
2013-04-12 23:09:41
tsubaki-hymeさん、こんばんは{マト赤}

星組ですもの{ハート}というだけで観に行こうと思うにはあと一歩二歩・・・^^;のポスターでしたよね^^;

真風君のファンの方は御満足なさったのではないかしら、と思いました^^
金髪も珍しいし、轟さんを説得して死地に向かい、心を通わす親友みたいな役で美味しかったと思いますわ。

風ちゃん、「セレブリティ」の全ツで、人数が減った分をフォローするために新たに設定された女性レポーターの役で、滑舌と舞台度胸の良さを発揮していたものの、所謂路線娘役のポジについたことがなくて・・・。
いきなりの抜擢に見えましたが、文化祭をご覧になった方に言わせると、その頃からすでに各種スキルの完成度が高くて、なかなか出てこないな~とやきもきしていたのだとか^^;
(星の娘役は基本VISUAL重視ですものね)
これから路線に乗って活躍してくれるかどうかは新公でジュリエットが出来るかどうか・・・でしょうか。
本公演ではロミジュリって本当に娘役に役がない演目ですものね。
(盤石の2番手娘役だったれみちゃんでさえ乳母だったことを思うと・・・{ショック}良かったけど、れみちゃんの乳母)

おっ!雪のベルばら特出、行かれるのですね{キラピンク}
わたくしも遠征致しますが・・・{バラ}
ばったり大劇場でお会い出来たりして{走るひよこ}うっとりしすぎて挙動不審になっていたらスミマセン{ラブ}

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Unknown (tsubaki-hyme)
2013-04-12 09:33:30
こんにちは!

星組だし真風くんだしで、ちょっと気になりつつも、ポスターを見た瞬間何となく冷めてしまい・・・(mariaさんの記事の冒頭と同じ意見で)わたしも観ずに終わった作品でしたが、mariaさんの観劇レポ読んだらやっぱり観ておけばよかったかな。。。という気持ちです。
地味そうに見える作品ほど、案外よく出来てたりするということですよねー{YES}
妃海 風ちゃんも今まで注目したことなかったですが、次回の星組で観てみます。楽しみですね{ルンルン}

次回星組公演の前に、ちえちゃんアンドレ&かなめさんオスカルの特出ベルばら、なんとかチケットゲットできたので行ってまいります{ラブ}{キラリ}
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