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お着物Enjoy生活からバレエ・オペラ・宝塚etcの観劇日記に...

ロイヤル・バレエ「ロミオとジュリエット」 6/27 ④

2010-07-13 04:48:37 | BALLET
ワールドカップも終了!
決勝戦のオランダvsスペイン
スコア的には接戦でしたが、ファウルも少なく、美しいパスサッカーで大会を通じて良いパフォーマンスをしていたスペインチームの優勝は誰もが納得?
個人的には、今回のW杯のBestFightは3位決定戦、ドイツvsウルグアイの一戦。
激しい攻防の末、このPKが決まれば延長!というところで無情にバーをたたくボール・・・
でも、このPKを蹴ったウルグアイのディエゴ・フォルランが放った2点目の鋭いボレー・シュートはミラクル!
そしてこの大会5点目で大会得点王の4傑の一人として名を残し、なおかつ大会MVPに輝いたのはファンとしても嬉しい限り・・・でした

さて、本題に(笑)

<第3幕>

第1場 ジュリエットの寝室

朝、ロミオが先に目覚め、ジュリエットを起こさないように、そっと頭をなで、キスして起き上がります。
そっと出ていくつもりがジュリエットが気配を察して起き上がり、別れのパ・ド・ドゥ。
彼は割とさっさと出て行かなくてはならない・・・という気持ちが先に立っているのか、あまり未練を残さずスマートに出ていきます。

一人残されたジュリエットに試練が。

昨夜の婚約式の翌日の結婚式に向けて、ティボルトの喪中ではあるものの、この話を進めるつもりの両親と婚約者が、早朝からジュリエットを訪ねます。キャピュレット夫人の黒い薄物のヴェールがティボルトを失った悲しみを残してはいますが。
ここでジュリエットは豹変・・・。
ロミオの妻となった彼女にとって、パリスに手を取られることはもう我慢のできない違和感を覚えることなのでしょう。
激しく身震いして嫌がり、身を翻して手をすり抜ける様は本当に皮膚感覚で拒絶している感じがまざまざと伝わり、彼女にとってロミオとの秘密裡の結婚によっていかに難しい局面にたたされているのか、同情を禁じえません。
同情と言えば、昨夜の舞踏会ではとても愛らしく一緒に踊ってくれたジュリエットの嫌悪さえ漂う拒絶ぶりに大いに心を傷つけられた様子のパリスもお気の毒。
何をわがままな気まぐれを言っているんだ!叱り飛ばす父、キャピュレット公。
乳母に抱きついても母にすがっても、父の心が変わらなければ何も変えられません。
全く何を考えているんだか・・・やれやれ、といった様子でいったん引き揚げる一行。

再び、一人残されてベッドに座るジュリエット。
ここでは、表情の変化だけで、全てを表します。
どうしてもパリスの妻にさせられてしまう・・・!という絶望的な気分から、次第にこうしてはいられない、ロミオとの愛の成就のために、できることは何?そうだわ、行動しなくては!との気持ちの変化が瞳だけで表現されています。
明け方の光とともに、ドラマティックにその心が表されていて、固唾をのんで見つめてしまいます。

第2場 教会

ロレンス神父のもとに走るジュリエット。
早朝のミサの準備でしょうか。ちょうど神父と会うことが出来、もう、どうしたらよいか・・・!!とすがるジュリエット。
そうだ、お待ちなさい。と再び姿を現した時には銀の薬入れを手にした神父。
一時的に死んだ状態になる薬草。再び目覚めたときにロミオがあなたを連れ去るように計らいましょう。と神父。

第3場 ジュリエットの寝室

戻るとまもなく再度様子を観に来た両親とパリス。
今度はジュリエット、YESと承諾の意を示します。あぁ良かった。
ひざまづいて微笑み、ジュリエットの手にキスをしようとするパリス。承諾の意は示したものの、ここでも都さんはハッと手をひっこめてしまいます。あぁ・・・。
でも、まぁ、承諾してくれたことだし。
この年頃はどうも気まぐれで・・・わが子ながら手を焼きますよ。にこやかに退出する一行。

意を決して薬を飲むジュリエット。程なくブライスメイドの衣装に身を包んだ6人のお友達がブーケを手に祝福に訪れます。
ジュリエット、お寝坊さん、起きてよ!
笑い声で幸せそうにさんざめいていた少女たちが異変に気付きます。
そこに現れた両親とパリス。
皆の様子がおかしい!
ジュリエットの脈をとり、死を知った父、キャピュレット公の落胆と嘆き・・・厳しくはありましたが、本当に娘を可愛がっていた父親としての情愛を感じさせるギャリーの演技。

「ロミオとジュリエット」におけるジュリエットの両親とパリスは、封建的な家庭の家父長が家の利益を第一に非人間的な冷酷さをもって押しつける結婚、そして気取った鼻もちならない婚約者、という造型で淡々と語られる場合を多く見受けますが、今回のロイヤルのロミジュリでは、良かれと思って事を取り運ぶ愛情豊かな父親と控え目な母、優しくジュリエットに愛情を抱く婚約者、という設定で、誰が悪いわけでもないのに・・・という前提の下の悲劇として描かれているがゆえに、一層運命の残酷さに焦点が合う、という印象を受けました。

第4場 キャピュレット家の墓室

ティボルトを殺めたことにより、ヴェローナを追放の処分になっていたロミオが戻った時には、すでにジュリエットの夭折が伝わっていました。僧ロレンスにことの次第を確認することなしに、ジュリエットの墓に忍び込んだロミオ。

墓室の中、墓石の上に横たわるジュリエットに近親者が最期の別れの儀式をしています。
最後、ひとり残って婚約者のために祈り、十字を切るパリス。
ジュリエットの墓に曲者が!と丁度その場を見たロミオが飛び出してきて、有無を言わせず彼を切り捨てます。
よろよろと上手側に倒れるパリス(あぁ・・・本当に気の毒!!)

ジュリエットの死体をなんどもなんども起こそうとし、彼女の腕を肩にかけ、また再び踊ろうとするロミオ。
リフトしてもだらりとその力ない手足を動かすことのないジュリエット。
なかなかその事実を受け入れることが出来ず、無駄な試みを繰り返す悲痛なロミオ。
ここで特筆すべきは、死体として、どんなに引きずられたり持ち上げられたりしても、全く自らが力を入れているようには見せない都さんのボディコントロール。かといってグダグダになるわけでもなく、都度力ないまでも美しさを損なわないポーズはキープしているあたりがなんとも素晴らしい。
スティーブンも、力任せに死体をふりまわしているようではなく、愛するジュリエットに対する丁寧な扱いゆえに、悲痛な中にも乱暴な感じをあまり与えません。最後 諦めて再び彼女を横たえるときのそっと墓石に載せるその優しさに、一層悲しみを深くさせられました。

なにかあった時のため?常備していた毒薬を飲み干し、後を追います。
そして息絶えるとほど同時に目覚めるジュリエット。
まずパリスが倒れているのが眼に入り、なぜ?!と驚き、次に、すぐさまロミオに気付きます。
喜んでそしてショック、というのではなく、一目で彼の状態を見てとり、小さく声もなく叫ぶ。
大げさな嘆きではない自然な演技。
彼の毒薬入れの銀の容器を見つけて残りを飲もうとするが中身は残っていません。
墓石を挟んで上手側で、パリスを殺めたロミオの短刀を手にし、決意してみぞおちにその刃を突きたてます。
いまわの際、ロミオの近くで・・・と一生懸命身体を台の上に運び、寝台の下手側下にいるロミオの身体に触れようと必死で腕を伸ばします。そう、ちょうどバルコニーのシーンでバルコニーの上と下で腕を差し伸べあい、お互いを求め合ったあの星降る夜のように・・・
そしてふっと微笑み、天に召されるジュリエット。

何度も何度も繰り返されるカーテンコール。
夢中になって拍手を続けているとボウッとしてきて微笑む二人をあと一度観られる、でもあと一度だけなのか・・と思いながら観ていました。

この日のデマチは蒸し暑い日であったにも関わらず、終演の9時半ごろから都さんのサイン会が始まる11時頃まで、大変にぎわいました。
ロイヤルバレエのダンサーは、ファンと交流するのを楽しむタイプの方が多く、
またファンも英語でコミュニケートできるからか、ゆっくり一人ひとりのダンサーに感想を述べたり、写真を撮ったり・・で和やかな雰囲気。
スティーブンはおでこに小さな絆創膏を貼っていましたよ。
もう大丈夫、と言っていました。額の真ん中なので跡にならなければ良いのですが・・・。
都さんはお疲れでしょうに、サイン会の形式で、並んで待つファンの最後の一人まで、微笑みながら応対してくださいました。

今回の舞台で嬉しかったことがもう一つ。
NBSの佐々木さんが”張り込んで”くださったのか、オケが東フィル!
で、プロコフィエフですから、かなり本気で取り組んでいることがわかる演奏!
(所謂バレエ音楽、ですと手を抜く傾向?あり)
特に弦は良かったです。
第3幕のプロローグでピアニッシモからフォルテに、不協和音を重ねていくところ、とてもキレイに揃っていてコントロールの効いたタメがドラマティックでした。(ここが予定して、ではない不協和音・涙になることや、音がバラバラになることが多いので・・・)
このプロコフィエフの「ロミオとジュリエット」のスコアはそれ自体大好きなので、耳も眼も、本当に満足の出来る、素晴らしい舞台でした


ロイヤル・バレエ「ロミオとジュリエット」6/27 ③

2010-07-11 23:19:31 | インポート
<第二幕>

第1場 市場

舞踏会の晩から、ジュリエットのことを思い続けているロミオ。
ベンヴォーリオとマキューシオが顔馴染みの娼婦たちといつものようにふざけていても彼一人は幸せそうに考え事をしています。 
細かく縮らせた赤毛を振り振り踊る娼婦役のラウラ・モレ―ラ、蓮っ葉なだけでなく、ちょっと気のいい情の深い感じが彼女ならではの味付けで絶品ですね。
いつもなら率先してふざけるロミオが大人しいので心配しますが、彼は彼女を引き寄せて、でもちょっと背伸びしてさりげなくチュッとおでこにキスします。
彼女のことが嫌いになったわけじゃないけれど、今はジュリエットに夢中なので・・という彼のキュートな意思表示。
結婚式の行列を観てもあぁ、自分とジュリエットなら・・と思ってしまう彼。
ジュリエットの乳母が手紙を手に登場。
ロミオを捜して回りますが、3人が入れ替わり立ち替わり、そのロミオは自分です!と名乗り出て見たり彼女をからかいます。ダメですよ、これは大切な手紙。直接ロミオさまに手渡さなくてはね!
最終的にちょっかいを出す二人の手を避けつつ手紙を受け取り、その場で読んであまりの嬉しさに乳母をセンターとして同心円を描くようにシェネで高速回転一周するロミオ。スゴイ!
なんというか。。。乳母を中心に身体が少しずつ外側に傾いて慣性の法則に従って自然とくるりと一周しているかのように見えるんです!あまりにそれが凄くて思わず会場から笑いが。

第2場 教会

秘密の結婚式を挙げる2人。僧ロレンスは二人の結婚が両家の和解につながることを願って協力を申し出ているのでした。
可憐な都さんのジュリエットは乳母を伴って登場。邪魔が入らぬよう、ひそやかに手早く誓いの言葉とキスでの結婚。

第3場 市場

ロミオはすぐに教会から市場に戻りました。
何事もなかったかのように・・。
ティボルトが現れ、モンタギューの一団を挑発します。
あぁ、言えないけれどももう僕と彼とは親戚なのか、とにこやかなロミオとそんな態度をいぶかしがるティボルト。
マキューシオが受けて立ちます。
二人の闘い。剣さばきが見事です。白熱する二人。
なんとかマキューシオが優位を保ち、ティボルトを軽く愚弄してから背を向けると・・・ちょっとこれは卑怯では?と思ったのですが背後から待てい、と追いかけてきたティボルトの剣が刺さった、という感じに。
おかしいな、いや大丈夫だ。。。大。。。丈夫なはず・・・だ・・・、
皆が注視する中、よろめいて死に至るマキューシオ。なかなかの演技巧者。最期にロミオにあいつと一戦交えてくれ、いいな、と剣を差し出し こと切れます。
ショックにうつむくロミオの脇を、まあ、仕方ないってことよと鼻で笑うように通り過ぎるティボルトに、悲しみにくれつつも衝動的に勝負を挑むロミオ。
かたき討ちは成功し、ティボルトが倒れると、ロミオは慌て、こんなはずでは・・・と運命の暗転を嘆きます。
その様子を建物の上から見てとったキャピュレット夫人が駆け下りてきて、ティボルトの亡骸を抱きしめ、その場に座り込み、地面をたたいては激しく慟哭します。
あまりの迫力にだれも何も言えず。
キャピュレット夫人のこの場の嘆きは、愛する甥っ子の死、というだけでなく、密かに愛人としていた彼の死に衝撃を受けたから・・とか色々は解釈がありますが、今日のジェネシア・ロサートの突き動かされるような激しさには圧倒され、理由はどうであれ、とにかく彼女にはそこまでの嘆きを表現する必然がある、と思わされるものでした。






ロイヤルバレエ「ロミオとジュリエット」6/27 ②

2010-07-11 20:53:44 | BALLET
これぞ!と思う感動の大きな舞台の感想になるとなぜか緊張して(?)というか
力みすぎてなかなか取り組めずに時が過ぎてしまう傾向にあるわたくし・・・
よろしくありませんね!

さて、ワールドカップ3位決定戦の素晴らしい試合内容を思い出しつつ(ウルグアイのフォルラン選手、大会MVPおめでとう!その価値のあるプレイ内容でした!)今夜3:30からのFINAL,
オレンジ対赤、という熱い闘いもまた楽しみ・・・

という間隙をついて、少しずつ、あの宝物のような舞台を思い返してみたいと思います

都さんは子供?と一瞬違和感を感じるほど、無邪気そのものの登場時から、少女ではあるのですが、その中にも場面ごとにくるくると変わる豊かな表情、おおげさでないのに伝わる表現が見事でしたが、今回、スティ―ブンのロミオの素晴らしさにも、彼の成長が感じられて眼福でした。少年なのですが、実に品があって、やんちゃな振りをしても育ちの良さが滲むのですよね・・・。
決して背が高くはないスティーブンですが腕のラインも全身のバランスも美しく、華奢で可愛らしい都さんと二人のバランスもとてもよかったと思います。

<第一幕>

第1場 市場

モンタギュー家のロミオは 美しいロザラインに憧れて今日も彼女を待ち伏せするが軽くあしらわれてしまいます。
恋する少年ロミオは爽やか。
マキューシオとベンヴォーリオがいつもつるんでいる仲間。
ベンヴォーリオに先日プリンシパルに昇格したばかりの(プログラムではまだファーストソリストの表記)セルゲイ・ポルーニンがキャスティングされていますが、3人そろってのジャンプやフェッテの際にも恵まれた体格、伸びやかな動きで目を惹きます。
マキューシオのブライアン・マロニーもどこが悪いというわけではないのですが、この二人と並んで同じ振付・・はちょっと分ブが悪いかも。
反目し合っているキャピュレット家の甥、ティボルトが登場。
こわもてなトーマス・ホワイトヘッド。ラインがきれいで殺陣も迫力があります。
ちょっとした口論から小競り合いとなり、広場じゅうの人たちも2手に分かれて剣で対立。
いつの間にやら両家の当主たちも加わって怪我人も続出。と思ったら、なんと!スティーブンの額に血が・・・
大丈夫かしら?
ヴェローナ大公が登場し、その場を諌めます。
キャピュレット公のギャリーがカッコイイ・・・彼は目力が強いので、大公に促されて剣を置くときにもぎょろりとモンタギュー公をねめつける様がなんとも言えません。

第2場 キャピュレット家のジュリエットの控えの間

お人形を手に、乳母に甘えるジュリエット。
大きな目をくりっとさせて、天真爛漫な子どもっぽい彼女。
突然両親が、知らない若い男性を伴って現れます。
初対面の婚約者、パリス。このパリス役のヨハネス・ステパネクがとてもよかった。
エレガントで優しげな容姿だけでなく、子供のように、目は興味を示しているのに人見知りしてパドブレでスススと乳母の影に隠れてしまう純真な乙女に思わず口元がほころぶ様など、イイ人みたいで良かったじゃない?ジュリエット!と声をかけたくなるほど(笑)
「大変可愛らしいお嬢さんですね」「そうかね、よかった。。いや、まだ子供でね」という会話を交わす未来の婿と舅・・。
立ち去る3人。
びっくりしたわ~と人形をまた手にするジュリエットに、「ジュリエットさまももうお年頃なのですから・・・ほうら」と
乳母に促されて胸に手をやりびっくりしたように目を見張るジュリエット。
ここがあのバルコニーのシーンの伏線となっているですね・・・

第3場 キャピュレット家の外

ジュリエットのお披露目?お誕生日?婚約発表?の仮面舞踏会。
門の前で招待客を迎えるのはティボルトです。ロザラインに渡したバラを、彼女はちょっと思わせぶりに、いち早く彼女の登場を見てまとわりついてきたロミオに手渡します。俄然、舞踏会に忍び込むモチベーションUP(笑)入場時にそっと彼女にバラを返して、マンドリンを手にした悪童(の割には上品ですが)3人、仮面をつけて彼女を追います。

第4場 舞踏会場

荘厳な音楽に合わせて、貴族の踊り。センターのキャピュレット公ギャリーに目が行きますが、下手にパリス、上手にティボルト、もなんとも観ていて心地よいこと。 女性の袖口が大きく開いて振袖のように長く下がったドレスと大きく巻いて髪を覆ったボリューミーなターバンがエキゾチック。エトロのアイコン的なペーズリーのスカーフのような深いオレンジ、ゴールドブロンズ系の豪華な織の衣装。トランプの王様のようなシルエットのギャリーの衣装もバロックダンスの動き、そして音楽にあっていて、このシーン、しばし陶然とさせられます。
ジュリエットがパリスと二人で踊ります。はにかみながらも時折見せる笑顔がなんともチャーミング。
ここでパリスに対してなんの感情もない、寧ろ嫌い、という演技をするジュリエットもいますが、都さんのジュリエットはまだ恋を知らないので、男の人と二人で踊る、ということに少女らしい恥じらいを持ちながらも大人の社交界にデビューするというその場を楽しんでいる様子。
そんなジュリエットをとろけるような優しさでエスコートするパリス。
どこからみてもパーフェクトなカップル。

ジュリエットのお友達が踊りを披露します。
彼女たちのために、マンドリンを膝に置いてつまびくジュリエット。
少女たちに混ざって、遮って、舞い踊るロミオ。だれなのかしら。皆の視線が集まります。
そして彼のソロ。お見事!
ジュリエットも踊りを披露します。パリスは微笑んで眺めつつ、周囲の知人と挨拶をしたりしていますが、もうこのときジュリエットの視線はひと時もロミオから離れることはなく、一身に見つめ合っています・・・。
マキューシオがロミオから人々の注目をそらすために踊りますが、ティボルトがそれと気づいてしまいます。
舞踏会にふさわしからぬ対決の火種をおさえるべく、キャピュレット公がロミオを客として歓迎するという意思表示をして、熱くなりやすいティボルトを牽制。

愛5場 キャピュレット家の外

舞踏会から帰る客たちをお見送り。
外で待つ籠を担ぎ、門番2人を大きな鬘をかぶった子供が左右対称形に配されているのがピーター・グリーナウェイの映画のバロック趣味のような感じで、雰囲気があります。
歩いて帰るもの、喧嘩しながら帰るカップル。丁寧に挨拶していとまごいをする客・・など、このの描写も演技が細やか。
ロミオに絡もうとするティボルトをキャピュレット公が再び諌めます。

第6場 バルコニー

待ってました!
もっとも美しい初恋の高ぶる心をそのまま映したようなパ・ド・ドゥ。
夜空に星のきらめくバルコニー。見慣れた手すりに細いカーブした階段・・はなく、石造りの無骨な土台があるばかり、でちょっとイメージの違うセットではありましたが、都さんが天を仰いで、ロミオを思う・・その音楽と表情で、すぐにバレエの世界に惹きこまれました。
マントを翻して中庭に現れたのはロミオ!
階段を駆け下りるジュリエット。見つめ合う眼と眼。
もっと自分の気持ちをわかって欲しい!そう!とロミオの手を取り、衝動的に自分の胸に当てるジュリエット。
あの乳母に、もう子供じゃないのですから、と自覚を持たされた、その気持ちを伝えるときにロミオに同じように胸に触れてもらう・・という行為はとても象徴的で切迫感がありますね。
彼女の心がすっかりわかって有頂天になるロミオの舞。
重力がないように軽やかに身体を預け、回転し・・とはいえ、この日はタイミングの問題か、リフトが思ったほど高くは上がらなかった模様。そんな中でも都さんは高々と掲げられているのと同様に美しい身体のラインをキープしたポージングで、さりげなくフォロー。とても上手にフォローしていらしたので、気付かない方のほうが多かったかもしれませんね。
美しい音楽と初々しい二人の高まる心が伝わってきてうっとり・・・。
いつまでも観ていたいシーン、最期、バルコニーの上に上がったジュリエットのほうに再び駆け寄り、上と下で互いに手を伸ばし合う・・・
別れがたい心を見せる名場面です。


ロイヤル・バレエ 「ロミオとジュリエット」6/27 ①

2010-07-06 04:18:25 | BALLET
吉田都さんの英国ロイヤル・バレエ団での最期のジュリエット。
6月27日(日)18:00~と29日(火)18:30~の2回観るチャンスに恵まれました。

まずは27日の日曜日、18:00からの公演から・・・。
この日、わたくしは、夏着物兼用のSmartPinkオリジナルのYUKATAを小紋のように半襟をつけて白足袋に草履で着ていったのですが、他にも涼やかな夏着物の訪問着などをお召しの方もいらっしゃり、ちょっと心なしか特別感のある雰囲気の会場でした。
秋にNHKの芸術劇場で放映されるらしく、この日、会場にはNHKのカメラが客席に3台備え付けられており、
都さん引退のドキュメンタリーの企画でもあるのか、幕間などに会場の観客が声を掛けられては撮影されていました。

もちろん、入口には、赤地に白抜きで、「大入り」のお札?が

英国ロイヤル・バレエ団 2010日本公演
「ロミオとジュリエット」

ジュリエット: 吉田都

ロミオ: スティーヴン・マックレー

マキューシオ: ブライアン・マロニー

ティボルト: トーマス・ホワイトヘッド

ベンヴォーリオ: セルゲイ・ポルーニン

パリス: ヨハネス・ステパネク

キャピュレット公: ギャリー・エイヴィス

キャピュレット夫人: ジェネシア・ロサート

エスカラス(ヴェローナ大公): ベネット・ガートサイド

ロザライン: タラ=ブリギット・バフナニ

乳母: クリステン・マクナリー

僧ロレンス: アラステア・マリオット

モンタギュー公: アラステア・マリオット

モンタギュー夫人: ローラ・マッカロク

ジュリエットの友人: リャーン・コープ、べサニー・キーティング、イオーナ・ルーツ、
エマ=ジェーン・マグワイア、ロマニー・パジャク、サマンサ・レイン

3人の娼婦: ヘレン・クロウフォード、フランチェスカ・フィルピ、ラウラ・モレーラ

マンドリン・ダンス: ホセ・マルティン、
ポール・ケイ、蔵健太、ミハイル・ストイコ、アンドレイ・ウスペンスキー、ジェームズ・ウィルキー


舞踏会の客、街人たち:英国ロイヤル・バレエ団


指揮:ボリス・グルージン
演奏:東京フィルハーモニー交響楽団

◆上演時間◆

【第1幕】 18:00-19:05
休憩 20分
【第2幕】 19:25-20:00
休憩 20分
【第3幕】 20:20-21:00


ロイヤル・バレエ「うたかたの恋」 ③

2010-07-04 20:52:26 | BALLET
アルゼンチンもブラジルも敗退・・・南米勢優位との分析はなんだったのかしら?
このままいくと、ドイツ対オランダ、或いはスペイン対オランダ・・・(ウルグアイファンの方、ゴメンナサイ!でも主力がレッド退場覚悟の反則をした以上万全ではないチーム力、ということで!)うーん、どちらも観ごたえはありそう。
それよりも、これからウィンブルドンの決勝ではありませんか!
ロジャーの敗退は想定外でしたがナダルがんばれ!

諸々、あちこちに気持ちがぶれつつ・・・^^;
「Mayerling」,最終幕、行きます

<第3幕>

第1場 田園地帯。皇室の狩猟場

冬の狩猟大会の日。皇帝の誕生日に集ったメンバーが揃って、狩猟服を着ているのがシック。
控え目な色使いながら、毛皮など豪華な素材感が却ってその場のものさびしさ、寒さを物語ります。
冬を彩る楽しみごと、なれど、何気に伯爵夫人と皇太子妃が反目し合っていたり、なんとなくルドルフもイラついている感じ。
突如として王室メンバーの方に銃口が向いているにも関わらず、ルドルフが訳もなく発砲してしまう・・・。
もちろん銃の暴発、不幸な事故。
現代の新聞を賑わせる不毛な事件を思い起こさせる展開。

 第2場 ホフブルク宮のルドルフの部屋

憔然としているルドルフのもとにラリッシュ伯爵夫人が訪れます。
そこに伯爵夫人の叔母にあたるエリザベート皇后 が現れ夫人を責め、追い出します。
過去に、姪とはいえ身分はかなり格下なラリッシュ伯爵夫人とルドルフの愛人関係を知り、快くは思わぬまでもスキャンダルを防ぐために結婚を勧めたことがある、といういきさつがあるためか、今は正式な妻を迎えたルドルフとよりを戻しているのではないかと疑念を持ったから、でしょうか。

再び一人になった彼のもとに今度はマリーがやってきます。
極度の神経衰弱状態にあるルドルフは、彼女に心中を持ちかけます。
あっさりと断った以前の愛人、馴染みの娼婦ミッツィカスパーとは違い、銃を手に、その概念~愛のために死ぬこと~に見入られた様子のマリー。

 第3場 マイヤーリングの狩猟小屋

ホイオス伯爵、フィリップ公と遊んでいたルドルフ。
酒をあおるように飲む彼からグラスを取り上げるフィリップ。
ブラッツフィシュがマリーを伴って現れ、伯爵とフィリップ公は席をはずします。

何やら重苦しい空気を読んで、場を盛り上げようと、懸命に楽しく踊って見せるブラッフィッシュ。
リッカルド・セルヴェラが見事に回転技やジャンプを見せても一顧だにされず。
気落ちしつつも、何度も試みる彼に気付いたルドルフが、もういいよ、とハグします。
上着を手に、二人の様子を気にしながらも辞居するブラッツフィッシュの胸に去来したのは死の予感だったのでしょうか。

二人きりになったマリーとルドルフののパ・ド・ドゥ。
狂ったように情熱に駆られて愛を交わす二人。
死を覚悟したうえでの最期の情熱の発露。二人の心が同じ方向に向かって寄り添い、駆け抜けていくような非常にアクロバティックな踊りです。
音楽がやみ、静寂が訪れ、二人は横たわり、ただ、荒い息遣いだけが聞こえます。
お互いに銃をみて、そしてうなずくマリー。

二人が衝立の向こう側に姿を消して間もなく、銃声が響き渡ります。

よろめきながら姿を見せたルドルフ。
聞き咎めたお付きのものがやってくるが下がらせてまた衝立の向こうに姿を消し、再び銃声。

ロシュック、ホイオス、フィリップの3人が駆けつけると、
倒れた衝立の向こうに臥したルドルフ。ベッドの上にはマリーの屍。。。

<エピローグ>

夜明け前。ハイリゲンクロイツの墓地。

この心中事件は宰相ターフェ伯爵の命で、もみ消されました。
服を着せられ叔父二人につきそわれて馬車に座らされてきたマリーの遺体がようやく埋葬される運びに。

ブラッツフィッシュがその棺に白い花を一輪捧げて涙にくれます。
冒頭のシーンが繰り返され、墓地に並んで立つ叔父二人の黒いこうもり傘に白い雪が果断なく降り積もります・・・

リストのメロドラマティックな音楽をジョン・ランチベリーが巧みに組み合わせて構成された音楽を、今回の公演では、(佐々木さんが張り込んでくださったと見え・笑)東フィルが確かな演奏でバリー・ワーズワースさんの指揮棒に応えてくれました。
幕が降りたとたんに拍手が起こりましたが、音楽が終わってからにしてほしかった・・・というのが感想です。

主役二人はもちろん、彼女なりのやり方で情のこまやかなところを見せるラリッシュ伯爵夫人のマーラ・ガレアッツィを始め、脇も盤石。
素晴らしい舞台でした
ただ、「リーズ」とは逆で、誰一人として心を通わせることのできる人物が出てこない、人間の心のダークサイドに光を当ててえぐりだすようなこの作品、また、他のキャストで観てみたい!と思うものではなかった・・・かも。
出来るだけBESTキャストの日を選んで、一度は観ておくと良い、価値のある舞台だとは思います。