こちらで生活を始めて、もうすぐで五年になる。
家族で仕事の都合で渡米したのであって、期間は決められている。来年にも帰国することになりそうでもある。
ここで暮らしていると、私たちとは違い、こちらでずっと暮らすことにしている、つまり日本へ帰ることのない、人たちともお付き合いするようになった。アメリカ人の夫を持ち、子供をもっている、日本人の女性たち。
実は、駐在員で赴任期間の決まっている人たちと、現地で生活をしている、日本へ帰らない人たちとの交流はあまりない。お互いにけん制し合っているとは言わないが、結局帰ってしまう人たちとばかり付き合っていると、お別ればかりすることになってしまう。また、興味関心も微妙にずれている。
子供の教育に関しては、私たち期間限定組は前半は、語学の問題も含めて、どうやって現地に馴染むかになやみ、馴染んだら馴染んだで、今度は日本へ帰ってから、どうやって復帰させるか、その間の学習の遅れ具合にも頭を痛める。実際、日本の教育水準は高く、教科も多いので、子供たちは相当に遅れをとる。これに関しては、我が家も人事ではない。子供に聞かれるまま、私も因数分解、二次関数などの問題を毎日解くはめになった。
現地で暮らす人たちの子供たちは。日本語を話せるほうが稀で、もうアメリカ人として暮らしている。最初から。お母さんが働いている場合、子供たちに日本語を教えるのは相当大変らしい。また、夫婦が違った言語の国籍を持っていると、共通に話せる言葉が英語で・・・・と、もっと複雑になる。そういったばあい、子供たちが三ヶ国語、つまり、母方言語、父方言語、英語とはなす場合もある。たいていの場合、お母さんは働いていないような気がする・・・・例外もあるでしょうね。その、努力はまったくにすばらしい。
どんどん話がずれていったが。先日、お誕生会にとお誘いを受け、バースディケーキを作りお邪魔した。みなさん。口をそろえて、もう帰らない、もう日本では暮らせないと話していた。人間関係が面倒くさい。街が騒々しい(地域差有)、家族がこちらにいる・・・・と。人間関係とは?親戚、近所付き合い、冠婚葬祭、盆暮れの贈り物、等。
ふーん。私は日本が大好きだから、日本に帰れることはうれしい。この地で永住なんて考えたこともない。
色々な人がいて、色々な話が聞けて面白いし、考えさせられることも多い。もうちょっと、そんな生活が楽しめそうだ。