私は、アジアの食材を求めて行く店がある。日本食材を主に扱う店と、広くアジアの食材を扱う店がある。私は、迷わず後者に行っている。同じ食材が、名前を変えて存在したり、ちょっとちがうけど非常に似ている食材を見つけたりすると、なんだかわくわくうれしくなる。大陸は道で繋がっていたとか、日本は島国だけど、大陸からの文化の影響を受けていると思うと、アジアは兄弟だと感じる。
それは間違いないのだが・・・・。
先日。後者の店のビルマ人オーナー( ミャンマー人ではなくバルマ人と呼ばれるほうがいいらしい・・・)から、着物はない?と尋ねられた。
アジアの文化、生活を紹介する、アジアフェスティバルを市から頼まれていて、子供たちに、各国の民族衣装を着せて、ファッションショーをするのだという。
私は持っていないが(女の子も居ないし・・・・)、友人を紹介できるかもしれないと答えた。電話した友人は、ゆかたを持っているからと、こころよく貸してくれることを承諾してくれた。また、英語の上手な友人だったので、あとのことは、直接交渉してねと、任せておいた。時期的に、私は前期のファイナルの試験や、プロジェクトを抱えていて、それ以上かかわれなかったこともあった。また、ビルマ人が、今回のフェスティバルの担当だとも聞いていたから・・・・・。
その後、地方紙で、ファッションショーが開かれたとの、記事をみた。写真も載っていたが、白黒ではっきりは写っていなかった。ただ、その企画が成功したような印象を、写真の人たちの様子で感じた。心からよかったと思った。
後日、買い物の機会があり、新聞を見たことをはなし、成功してよかったねと、声をかけた。オーナーも喜び、そのときの写真をカラーで見せてくれた。
そのとき実は、私は声を失った。これが日本のよ・・・・と、教えられた衣装は、ゆかたでも、着物でもなかった。借りてきたゆかたが、色も薄く、地味に見えたのか・・・彼女たちは。ゆかたを参考に、新しい衣装を作っていた。色はピンクで、チャイナドレスのような、サテンの光る、ピカピカ生地。丈は膝まで。おまけに両脇には、チャイナドレスのようなスリットが入っている。帯は、ウエストより下の位置に占められ、幅も細い。男性が締める帯に感じは似ている。
これが着物?これが日本だと紹介したの? と、私は声を失った。
そりゃあ。チャイナドレスや、ビルマのドレスに比べればゆかたは、地味に見えたかもしれない。色だって淡色系で見劣りもしたのだろう。だからといって、これは日本ではない。勝手に作り変えないで~と、思った。
二百人以上の人が見に来ていたらしい。
別に気にしなくてもいいのかもしれない。でも、私は、悲しくなった。