テニスに親しんだことはなかった。
やってみたことはあったけど、どうも私は球技が苦手らしい。ただ走ったり、跳んだりするほうが、楽しいかは別にして結果を残せるようだった。遠い昔、走り高跳びで、小学校の記録を作った覚えがある。ターザン少女だった時代の能力を如何なくなく発揮した頃ではなかったか。
しかし、いったんそれに球が入ると悲惨なことになる。ぶっさいくなんてもんではない。息子たちは、私の姿を見て、最近の言葉だろうか・・・ありえないよなあ・・・・などど落胆している。それは、運動神経はお母さんに似るらしいよ・・・遺伝子的に。だから、プロのスカウトは母親を観察に行くらしい・・・と、あらぬ知識を吹き込んでいたからだ。当然、息子達は自分の運動神経のセンスを母親に重ね合わせ・・・・ありえない・・と嘆いているようだ。
申し訳ないけど仕方ない。私だって、こんな風に生まれてきたかったわけではない。兄が運動神経、特に球技に才能があるようなのにどうしてだろう・・・。ただ、彼は走るのはめちゃくちゃ遅かった。
こちらに来て、テニスを始めた。40過ぎてからの手習いなので、上手になるような気がしていなかった。いや、確かにうまいわけではない。ただ、日本人のテニスの上手な友人が、70歳を超えて始めた人が居るけど、年々うまくなるよ・・・といっていたのを思い出して続けている。続いているのは、実は楽しくてショウガナイくらいに、面白くなったからだ。今日も、右半身の痛みを気にせずテニスに向かう。
帰国が見えてきたときから、もうちょっと上手になっておきたいと欲がでてきた。
この国のテニス人口は、幅広い。ちょっと考えられないけど、硬式テニスを、小さい子は4歳くらいからやっているし、80歳を過ぎてもやっている人もいる。体力的に強いこともあると思う。日本なら、まず軟式テニス、ソフトテニスからどうぞと、なるのかもしれない。
シニアで上手な人たちは、ほとんど動かないでも、ラケットのアングルをうまく使いながら、試合を楽しんでいる。私の方が数倍足は達者でも、きっとあの人たちに、テニスの試合を挑んだら、勝てないだろう。
そして、チームプレーで、なんとも楽しそうにしているではないか・・・。もちろん、ウェアーだって楽しんでいる。年齢を問わず、カラフルなテニスウェアーがコートに華を咲かせる。私も思い切ってスコートを買った。この国では、結構我慢しないで、いろいろな格好にチャレンジすることができる。サイズだって、みんな格好よくやせているわけではない。私でSサイズが大きかったりするから、どんなサイズのスコートでテニスをしているか・・・でも、格好いいのよね。楽しそうにテニスを楽しんでいる姿に、そんなことは全く気にならない。ああいいなあ・・・わたしもああいう風に、将来にわたってもテニスを楽しめたらいいなあ・・・と、痛感する。
そこで、もうちょっとランクを上げておきたいと欲をだしている。日本に帰ったら、スコートもはけないかも・・・。でも、思いっきりスポーツを楽しめる自分でいたい。
自分も始めるようになると、俄然プロの試合も面白くなってきた。サッカーより面白いじゃない・・・と、最近は思っている。
息子の友達が、この州の Mr.テニスに 選ばれた。お忙しそうだけど、今度遊びに来たときに、スライスがうまくできないのだけど、教えてくれる?と。頼んでみようと思う。もちろん、ボランティアでね。