私の知り合いにとても鼻が高い人がいる。
そういう人は、とても横顔が美しい。正面から見ると目がそれほど大きくないので、(はっきり言うと細い)、横顔の印象が強い。つまり、正面からみたときと、横から見た時では、雲泥とは言わないが、まあ近いほど違う。
ところが、その御仁、自分が鼻が高いとは知らないとおっしゃる。
また~すっとぼけてるよな~と、私は思う。
我が家の家系のコンプレックスは、ズバリ「鼻」なんだよね。
父には申し訳ない。彼は、とても鼻梁が高かった。だけど、父の兄弟が全員鼻が高いかというと、そうでもなく、不幸にして一人だけ鼻がぺっちゃんこの伯母がいる。ひとりだけだ。6人中の1人。とても、気の毒だと子供のころから思っていた。だいたい、祖母が一番そう言っていた。きっと申し訳なかったのだろう。その伯母だけが祖母に似た故に鼻が低かったからだ。
私はというと、鼻は低くはないが、なんとも形が悪い。つまり、父ではなく、母か伯母に似たのだろう。でも、幸運なことに、兄と私は平等に同じ鼻をしている。伯母のような不幸はない。これって結構大事なことだと私は思う。
兄のお嫁さんは、ここだけの話だか、類が友を呼んだとしか思えない、鼻をしている。
すると、どうなるかというと、私たち家族が集まると、だいたい鼻の話になる。人の基準は鼻で評価される。ああ。。あの鼻の高い人ね~とか、低い人ね~とかいう具合だ。
そんな私だから、鼻が高いことを知らないという、知り合いが不思議でしょうがない。
ついつい鼻のことを聞きたくなる。すると、その人は、家族で鼻の話なんかしたことがないという。これは、びっくり仰天ものだ。
わが家では、父の一周忌で鼻の話になり、義姉が「ここでも、鼻の話になるか・・」と、冗談めいて話を切ったことがあるくらいなのだから。
そうか、鼻が高い一家では、鼻の話にはならないのだと・・・私は納得した。
今日、出勤しながらラジオを聞いていた。すっぴん というNHK第一の放送。藤井アナが、「自分の顔って、自分が一番見ないからね」と、言った。そして、続けて、「鏡で見る自分の顔は、逆さに見える。」の意味のことも。
私は、なんか、氷が解けていくように、色々なことがわかったような気がした。
そっか、自分の顔って、自分が一番見ないんだ。だから、ある人が、自分が鼻が高いことを知らないということもあるんだ。ましてや、鏡で自分の横顔をチェックなんてしないから。
なんだか、一見落着した 朝だった。