朝日新聞紙の「シャープ、鴻海と優先交渉、台湾資本で再建めざす」を拝読しました

　2016年2月5日に発行された朝日新聞紙の朝刊一面に掲載された見出し「シャープ、鴻海と優先交渉、台湾資本で再建めざす」を拝読しました。

　経営再建のために、支援策を探しているシャープは、2月4日に台湾の鴻海精密工業（ほんはいせいみつこうぎょう）と、優先的に交渉することを決めたと伝えます。

　最近は、経済産業省系の政府ファンドの産業革新機構（東京都千代田区）による再建案が有力と伝えられていましたが、流れが変わったようです。

　朝日新聞紙のWeb版である朝日新聞　DIGTALには同様の見出し「シャープ、鴻海と優先交渉、台湾資本で再建めざす」と掲載されています。



　2月4日に開催されたシャープの取締役会では、再建の支援先を議論し、鴻海精密工業の提案を中心に検討を続けることを決めたそうです。

　鴻海精密工業はシャープを約7000億円で事実上、買収する案を出し、シャープの従業員の雇用を維持し、また家電事業も売却しない案を提示したもようです。

　一方、産業革新機構は3000億円を出資し、主力取引銀行が3500円程度の金融支援を行う案と伝えられています。この際に、シャープの主力事業の液晶事業をシャープから切り離し、ジャパンディスプレイ（JDI）と統合させる案と、シャープの家電事業を切り離して、東芝と事業統合する案が浮上していました。



　こうした中で、鴻海精密工業からの提案内容を聞いた取締役会では、社外取締役が「資金面で勝る鴻海精密工業案を支持した」と伝えています。

　雇用を守り、家電事業を切り離さない点が評価されたようです。

　各大手新聞紙の夕刊と、そのWeb版の記事は、次々と変化する状況を伝えます。速報記事の見出し「シャープ・鴻海、買収合意へ詰め　トップ会談」の記事は、シャープの経営再建を巡り、台湾の鴻海精密工業の郭台銘董事長は2月5日午前の、大阪市のシャープ本社を訪れ、同社買収に向け高橋興三社長ら幹部と詰めの交渉に入った。郭氏は本社に入る前に記者団に「シャープの主取引先銀行も含め、今日の午後2～3時前後には契約について最終形のサインをしたい」と述べ、同日中の決着を目指す考えを示したと、伝えます。

　さらに、鴻海精密工業の郭台銘董事長は「基本合意にこぎつけ、サインした」と伝えますが、シャープはこれを否定しているそうです。

　日本を代表する企業のシャープを約7000億円とう巨額で、台湾の企業が買収する話しは、大詰めです。今後もいろいろな記事が報道されそうです。

　なお、鴻海精密工業の英語表記はHon Hai Precision Industry Co., Ltd.です。その傘下に、中国には巨大な製造企業を持っています。