新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

11日夜の対イラク代表のサッカー

2015-06-12 13:46:50 | コラム
4点取って勝ったから良いものじゃない:

私には亀田兄弟のボクシングの試合を思わせられた昨夜の対イラクのサッカーだった。以下はその回顧だ。偽らざる感想では10点取れても良いほどイラクは弱かった。

テレ朝のアナウンサーが「アジアカップのベスト4のイラク」を連呼した昨11日の男子サッカー・キリンカップ戦は「これって何だ」と最後まで訳が解らなかった酷い試合だった。何が悪かったといって、アナウンサーが騒ぎ立てるほどの力も技術も体格もイラク代表には認められなかったのだ。アジアカップでのイラクのサッカーは確か入院中に暇を持て余して観ていたが、もう少しまともで、エースと言いたいほどの上手い者もいた記憶があった。

昨夜のイラクの出来は全く体をなしておらず、中近東勢独特の狡賢く汚い当たり方や反則を犯す訳でもなく、当たられてもいないのに転がってのたうち回る三味線も弾かず、何とも綺麗な(フェアーな?)下手さだったのである。あれが本当に正式なイラク代表かと疑っていた。我らが代表が溌剌として走り回り、動き、綺麗にパスを回し、ほとんどフリーという形で前半早々に2点も取った辺りで、これがもしかして実力向上なのかとも疑い?始めていた。

そこで、今朝になってネットでセルジオ越後があの試合の結果をこき下ろし、もっとまともなものを相手になければ何の役にも立たないと言っていたのを読んで、やっと自分がひが目でなかったというか、私と同じ見方をした高名?な評論家がいたと知って一安心だった。マスコミと言うかテレビも新聞もベタ褒めなので、冷静な評論家の当方の目も狂ってしまったのかとさえ考えていた。

私はあのような下手な相手を選択するのは、嘗てあの悪名高きボクシングの亀田兄弟が「負けない相手を選んでは連戦連勝だった」という決して感心しない相手の選び方と同じではと痛感していた。あのイラクの出来が悪い醜態が協会の失態なのか、あるいはイラク側が日本与し易しと甘く見て二軍を連れてきたのか何れかと思うのだ。

批判するだけではなく少しは褒めておかねばフェアーではあるまい。本田、宇佐美、香川、岡崎、長谷部辺りまではあの相手であれば当然と言って良いような持てる力を十分に発揮していた。ヘヤースタイルだけは何時でも綺麗にしている槙野はあのイラクを相手にして守っただけでは未だ評価は出来ない、たとえCKから1点取ったとは言え。

しかし、主力があのW杯でグループリーグを勝ち上がれなかった時から遠藤を外しただけと言いたいような顔触れでは、来たるべきロシアW杯最終予選では多くを期待出来まいと思う。それが証拠に後半に6人を入れ替えた結果では、あの弱体なイラクを相手に1点しか取れなかったではないか。ドイツに移籍するという武藤君も未だ未だ威勢が良いだけが取り柄に見えたのは、ハリルホジッチ監督が後半からしか使わなかった訳だと思わせてくれた。

男子代表もその限りでは女子の代表と似たような後継が育っていないという問題点を抱えていると見た。監督は社交辞令に長けた外国人だから、「美しい勝利」等と言っていたが、私は心中はそんな思いではなかっただろうと読みたい。もし本気であの程度の相手に勝って喜んでいるようだったら、大仁会長は又もや監督の人選を誤ったことになりはしないかと気が気ではない。