新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

業界再編成の凄まじさ

2015-06-14 09:50:43 | コラム
「アメリカの紙パの業界再編成の凄まじさを考えると」の訂正版:

先程は「参考資料」の記述が洩れていましたので、末尾に追加します。

洋紙メーカーは何処に行ったのかと言わざるを得ない気がする印刷媒体の衰退が最大の原因でしょう。

前回はWeyerhaeuser(Weyco)のみの衰退振りをお知らせしていましたが、アメリカの紙パの業界再編成(Consolidation)の勢いと言うべきか、経営統合か合併か吸収で救い合う以外に道がないかのような状態を、やや専門的にはなりますが、ほんのご参考までに採り上げてみます。こと紙媒体となると、新聞とその用紙の衰退が最も顕著で、10年間近くに60%も減ったと聞きました。

最近の例では、ミードウエストヴェイコ(MeadとWestvacoの合併)とロックテンがスマーフィットストーン(ジェファソン・スマーフィットとストーンコンテイナーの合併)が統合して「ウエスト・ロック」になるという板紙パッケージングと段ボール原紙界の再編がありました。因みに、Meadは私が1972年8月に最初に転身したアメリカ印刷紙・パルプとパッケージングの名門会社で、コート紙生産の技術は我が国のメーカーにライセンスを下ろしていたほどでした。

しかし、2000年代初期には板紙包装容器の名門Westvacoと合併しMeadWestvacoになってから印刷洋紙事業を売却し、その言わば第2会社だったNewPageは既にChaper 11となって再生されていました。実は、Weycoは2005年まではアメリカ最大級の上質紙(コピー用紙のような模造紙)メーカーだったのでした。

今となっては私にも何処か何処と合併していたのか解りません。14年度の売上第1位がWeycoとともに「脱洋紙」の先駆者だったInternational Paperで235億ドル($1=¥125ならば2兆9千億円です)、2位には上記の洋紙メーカーではないロックテンがいたようですが、合併もあって売上高不詳。3位が何と2005年に洋紙事業を分離独立させ段ボール事業までを売却していたWeycoで74億ドル、4位がキンバリー・クラーク(Kleenexで我が国も広く知られている)の66億ドル、5位が板紙包装のPCAで58億ドル、6位がドムター(Weycoの洋紙事業部を引き受けた会社)で55億ドル。

以下、ミードウエストヴェイコ、ソノコ(紙管や板紙)、グライフ、グラフィック・パッケージング、キャップストーン、クリヤーストーン(確か元は洋紙から板紙とティシュペーパーと手広かったポトラッチから分離)等が続きますが、印刷紙というか洋紙メーカー主体のメーカーはほぼ消滅。Weycoにしたところで、出発点の材木会社主体に変換したら、住宅産業が復調して好決算が出来たと聞きました。

このアメリカの実態から見れば、我が国の紙パは幸いにして未だ業界再編成というか印刷洋紙メーカーの衰退の仕方が遅れている?と言える気がしてなりません。業界の経営者たちは既に意識はしておられるでしょうが「我が国でもICTがアメリカ並みに進めば、何れはというか『明日は我が身』であると意識せねばなるまい」との危機意識がより一層必要になってくるのではないかと危惧します。

参考資料:紙業タイムス社 Future誌 第1773号

アメリカの紙パの業界再編成

2015-06-14 08:07:18 | コラム
アメリカの紙パの業界再編成の凄まじさを考えると:

洋紙メーカーは何処に行ったのかと言わざるを得ない気がする印刷媒体の衰退が最大の原因でしょう。

前回はWeyerhaeuser(Weyco)のみの衰退振りをお知らせしていましたが、アメリカの紙パの業界再編成(Consolidation)の勢いと言うべきか、経営統合か合併か吸収で救い合う以外に道がないかのような状態を、やや専門的にはなりますが、ほんのご参考までに採り上げてみます。こと紙媒体となると、新聞とその用紙の衰退が最も顕著で、10年間近くに60%も減ったと聞きました。

最近の例では、ミードウエストヴェイコ(MeadとWestvacoの合併)とロックテンがスマーフィットストーン(ジェファソン・スマーフィットとストーンコンテイナーの合併)が統合して「ウエスト・ロック」になるという板紙パッケージングと段ボール原紙界の再編がありました。因みに、Meadは私が1972年8月に最初に転身したアメリカ印刷紙・パルプとパッケージングの名門会社で、コート紙生産の技術は我が国のメーカーにライセンスを下ろしていたほどでした。

しかし、2000年代初期には板紙包装容器の名門Westvacoと合併しMeadWestvacoになってから印刷洋紙事業を売却し、その言わば第2会社だったNewPageは既にChaper 11となって再生されていました。実は、Weycoは2005年まではアメリカ最大級の上質紙(コピー用紙のような模造紙)メーカーだったのでした。

今となっては私にも何処か何処と合併していたのか解りません。14年度の売上第1位がWeycoとともに「脱洋紙」の先駆者だったInternational Paperで235億ドル($1=¥125ならば2兆9千億円です)、2位には上記の洋紙メーカーではないロックテンがいたようですが、合併もあって売上高不詳。3位が何と2005年に洋紙事業を分離独立させ段ボール事業までを売却していたWeycoで74億ドル、4位がキンバリー・クラーク(Kleenexで我が国も広く知られている)の66億ドル、5位が板紙包装のPCAで58億ドル、6位がドムター(Weycoの洋紙事業部を引き受けた会社)で55億ドル。

以下、ミードウエストヴェイコ、ソノコ(紙管や板紙)、グライフ、グラフィック・パッケージング、キャップストーン、クリヤーストーン(確か元は洋紙から板紙とティシュペーパーと手広かったポトラッチから分離)等が続きますが、印刷紙というか洋紙メーカー主体のメーカーはほぼ消滅。Weycoにしたところで、出発点の材木会社主体に変換したら、住宅産業が復調して好決算が出来たと聞きました。

このアメリカの実態から見れば、我が国の紙パは幸いにして未だ業界再編成というか印刷洋紙メーカーの衰退の仕方が遅れている?と言える気がしてなりません。業界の経営者たちは既に意識はしておられるでしょうが「我が国でもICTがアメリカ並みに進めば、何れはというか『明日は我が身』であると意識せねばなるまい」との危機意識がより一層必要になってくるのではないかと危惧します。