新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

6月28日 #1

2015-06-28 16:00:52 | コラム
W杯女子の準々決勝戦の対オーストラリア戦観戦記:

一寸不安材料もあったが、あの僅かの残り時間で決勝点取れた実力を讃えたい勝利だった。

28日朝はチャンと午前4時半に起きて、食事の用意までして、日本時間午前5時キックオフのFIFAワールドカップ女子の準々決勝戦を見た。正直なところ、体力と体格と身長差を取り柄とし、又武器にもするだろうオーストラリアが相手では、未だに外国人慣れしていない者が数名起用されている我らが代表の苦戦を予想していた。しかし、中継が始まってピッチとやらに出てきた顔を見て「これなら大丈夫かな」と一安心だった。

途中まで注意していたボールの保有率(フットボールでは”time of possession”等と呼んでいる)が60%を超えていたほど、我が代表の力が上で、アナウンサーや解説者が警戒するほどのものではないと解り、何時点を取ってくれるのかだけが関心事となった。何時も感じることだが、アナウンサーも解説者もあれほど対戦相手国に気を遣う必要があるのかと不思議でならない。ハッキリと「我が方が此れ此れ然々で上だ」と言ったらどうかと思うのだ。

戦術眼、パス回し、岩清水・熊谷・鮫島を中心とした守備力、宮間と阪口の中盤と球裁き、大野と大儀見の骨惜しみしない動き等々は、流石4年前にW杯を制覇しただけの実力があり、勝ち方を心得ているというか、これは危機かという時にはミスをしない実力見せてくれた。一方のオーストラリアは我が方に守備力高さに遮られとも言えるが、その堅い守りを崩す個人技もフォーメーションの持ち合わせもないので安心だった。

しかし、不安材料がなかった訳でもなく、アナウンサーも解説者も褒めあげて勤務先までインタビューに押しかけた有吉はそこまでには至っておらず、攻守ともに不安材料だった。攻める方では良くしたもので「ここぞ」というチャンスに有吉が、中を走って上がってくる味方に向かって折り返すことになるのだ。遺憾ながら彼女の技術では中を見定めてから蹴るだけの力がなく、二度ほどキチンと合わせることが出来ずにチャンスを逃がしていた。近賀の復活に期待したくなる。

有吉の場合は守る方でも岩清水他二人の域に達するまでには未だ相当の時間を要するだろう。未だ何をすべきかを見極め切れていない場面が多かった。私は次ぎの対イングランド戦ではここを衝かれると苦しいのではないかと、悲観的な観測をしている。

宇津木も不安だと見ている。この人の場合は守りはまだキチンと出来ていると見るが、攻め上がった場合にはパス出しも不正確だし、状況判断も未だしのように見える。結局、澤を温存して阪口だけしか先発させないと、イングランド辺りにはここが有吉とともに欠陥と見られはしないかと危惧する。即ち、澤の未だ消えていない神通力を何時どのように活かすかが、準決勝戦での課題になる気がする。即ち、澤を入れる時期を何時だと判断するかだ。

アナウンサーも解説者は決勝点を取った岩淵を一般論で持ち上げるが、私の目には「あの体格とスピードではこれから先にあるイングランドやアメリカ乃至はドイツの欧米人を抜き去るか、あの体格差と足の長さをものともしない攻め方は出来ないのでは」と危惧する。しかし、これらの二線級をこれから先も大きな試合に馴れさせておく必要はあるのだ。それは、何時までも澤や宮間や阪口や上記の3人の守備陣を頼っていてはならないということ。

何時も同じことを言うが、「勝った方が強くて上手いのであって、負けた方はそこまでのもの」なのである。毎試合最少得点で勝ち上がり、失点も2試合で1点ずつあっただけというのは立派である。しかし、今朝も枠に飛んでGKを慌てさせたシュートは宮間の一本だけだった不正確さと、思い切りの悪さは次ぎの試合の中で修正するしかないように思う。ここを是非勝ち上がって「連覇」を目指して貰いと祈念する。