新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

6月27日 その2

2015-06-27 08:47:20 | コラム
憲法違反と言えば印籠か:

「民主的ではない、憲法違反だ、人権侵害だ」の3点さえ唱えていれば百戦これ危うからずと未だに信じ込んでいる野党を笑いたい。

私は何時のことだったか、この3点を「三種の神器」(当時は家電だったか)に準えて、リベラル派であるとかマスコミ論調を皮肉ったことがあった。中でも「憲法違反」は恰も水戸光圀の印籠の如きで、相手を平伏させる抜群の効果があったようだ。アメリカでは(又か、等と言わないで欲しいが)マスコミ論調でも普通の話題にでも「憲法」(=”constitution”)が出てきたことはなかったと記憶する。アメリカの憲法論議など気にしたことがないが、兎に角そのような話題を知らなかった。

ところがである、我が国では安保法制案と言うのか集団的自衛権論なのか知らないが、兎に角学者が憲法違反と言っただけで野党側は鬼の首を無数に取ったかの如くに勇み立って、辻元の如きは違反ではないと言う学者の名前を沢山挙げろ等と戯言を言いだしてきた。彼等は矢張り「印籠」だと信じ込んでいるのだ。兎に角、第九条ありきらしい。

昨日採り上げた衆議院の特別委員会の質疑を見ても、一部の議員が言い募る「総理は関係のないことまで答えて時間の空費を狙い、審議時間を十分にかけたという気だ」観がなくはないが、総理が苦笑せざるを得ないような重箱の隅を突くような本質的な議論ではない揚げ足取りをしていることへの自覚はないようだ。彼等は未だに「憲法違反」を決め球にすべく、総理と自民党のカウントが不利になるように追い込もうとしているとしか思えない。

憲法解釈論は最早聞き飽きたし、誰が言いだしたかもう記憶が定かではないが「普通の国」としては集団的自衛権を否定しては如何ともならないと思うのだ。野党の唱えることを聞けば「自衛隊から犠牲者が出ればどうする」等という愚かな主張がある。これも何処かで報じられていたことで「警察官や消防署に勤務する場合には、殉職者になる危険性を知らない者はいないだろう」というのがあった。

我が家の直ぐ近くにある消防署で実施されている激しくもあり又危険でもあるだろうと思わせる訓練を見れば、署員とは常日頃から鍛えておかねばならぬ仕事だと良く解る。あれを見れば一瞬たりとも気を抜くことや油断があれば生命の危険がある職務だと解る。自衛隊でも報道で見た空挺隊の訓練を見ればその危険があり、それを回避するためには鍛え抜いておく必要があると解る。

それにも拘わらず、「海外に派遣され犠牲者が出ればどうする」と言い、デモ隊は「子供を戦死させかねない法案を廃棄せよ」と「戦争反対」と叫んでいる。勿論犠牲者が出ないに越したことはあるまい。私が論じられるのはここまで辺りが限界だろうと思う。何れにせよ、「何が何でも反対」と言うだけで眼下に迫っている危険かも知れない中国の南沙諸島沖等への進出を何とも思っていないような野党がいるのは甚だ遺憾である。


6月27日 その1

2015-06-27 08:42:46 | コラム
アメリカを分析すれば:

畏友尾形氏と「アメリカとは」という形で意見交換をして、興味深いものになりましたので、時間の経過を追って編集して送ってみます。余りピンとこないものになってしまったかと危惧しますが。文中YOが尾形氏で、私真一文字はMMとしてあります。

YO:
貴方のお説に賛成します。特に「世界の頭脳を集めている」、はとても重要です。国家も企業も家庭も、結局は人です。

MM:
以前に「頂門の一針」にも投稿したことがありますが、アメリカの階層を少し細かく分ければ、Ivy Leagueのような年間の学費が5万ドルもかかる大学とビジネス・スクールに悠々と子弟を送り込める富有階層(WASPだけではなく政治・経済等を支配する少数派)、clerkか精々地方採用でマネージャー止まりの4年生の州立大学の出身者、一度組合員となったら脱出出来ないだろうしする気も乏しい労働組合員、白人であっても大学には行けなかった人たち等々になるでしょう。

公式には1,200万人となっていますが、2,000万人はいるとも推測される不法移民はヒスパニックやアジア系に圧倒的に多いと聞きました。私はこれらの移民たちとヒスパニック系等が民主党というかオバマ大統領の票田であると聞いておりますし、その通りであると思っております。

何度か申し上げてきたことですが、私は22年余りの間に一度もアフリカ系と膝つき合わせて語り合ったこともなく、アジア系とも社内ですら交流がありませんでした。故に、異なる層に属する者たちの実態の把握は困難というか出来ませんでした。しかも、一般論として白人対アフリカ系の対立は深刻ですから・・・・。

要するに、「アメリカには”un統治able”な者たちの階層乃至は集団が数多くある」ので、取り締まる側が手荒くなったかのかと想像する次第です。私はアメリカの警察官は一人しか知りません。彼はワシントン州立大学卒の穏やかな人で、刑事課ではありませんでした。

まー、「間違っていたらご免なさい」という、私のアメリカの階層観です。さて、私はどれに属していたのやら。

MM:
<「アメリカの没落」みたいなタイトルで売っているものがあります。>

何を以て、如何なる基準で何処の国と比べてアメリカが没落したと言うのでしょう。確かに往年の凄味というか全ての面で世界の最先端を行っていたアメリカではなくなったと言えるでしょう。だが、決して侮ってはならぬ力があります。蓄積してきたものの量と質が違います。世界の頭脳を集めているとも言えます。日本人でありながら帰化してノーベル賞を貰った学者が出ていたではありませんか。

私が最初に転身したM社の日本代表者は(MBAでした)は「我が国も金さえ出せばアメリカが持っているものを買えるまでの力がついた。だが、それらはアメリカでは既に所有されているものに過ぎない。国力の蓄積に差があると知れ」と喝破しました。

今のアメリカは凡庸な大統領を選んでしまったために苦戦中です。中国辺りはその辺にアメリカの弱みを見出して付け込む気だったのでしょう。それはアメリカの真の実力を過小評価した嫌いがあると思うのです。習近平がアメリカ人の中で暮らしたり、大学に行った経験がないのでは知り得ない点が多々あります。

アメリカが絶対的に没落したのではなく、他国が追いつき始めたのであって、それを没落と見るのは早計でしょう。私は過大評価をしているかも知れませんが、過小評価もまた禁物でしょう。

YO:
アメリカをどういった視点、切り口で見るかで評価は大きく変ります。西武の書籍部に平積みになっている新書に「アメリカの没落」みたいなタイトルで売っているものがあります。 おいおい、と思いますが、読む気がしません。経済、軍事、政治・外交の何を指しているのか分かりませんが、ただ今現在で見ればまだ米国が断トツの覇権国である事は間違いないと思います。

細かい事は抜きにして、シナの高官を含めて、「逃げ込むならアメリカ」というのが現実だと思います。答えは簡単です。「違法行為をしない限り、米国内で不当に逮捕される事はない」からです。また、正面からアメリカに喧嘩を売れる国はありません。独裁者やマフィヤ、巨大金融機関、世界サッカー連盟なども、アメリカの司法当局に睨まれたら震え上がります。あのスイスだって、アメリカの捜査協力要請があれば、よほどのことがない限り拒否できません。アメリカ以外に、こんな事が出来る国はありません。

これが現実だと思います。