新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

女子サッカー日本代表の技術面の考察

2015-06-25 07:44:00 | コラム
矢張り宮間の技術水準は高い:

昨日は「勝って良かった」論のみの終わったので、ここではテレビで見た限りの女子代表の技術面を褒めておく。

先ずは宮間である。あの一点目になった左サイドでの、誰からのリードを付けたパスだったかは覚えていないが、ドリブルでゴールラインに向かっていながらチャンと一度頭を中に向けて誰が何処に上がっているかを見定めてから綺麗な左足でのセンターリングを上げて、大儀見の頭に合わせたいたのは「流石!」と言う以外にない。いうのは簡単だが、容易に出来るものではない。ドリブルの間に余裕はあったが、キチンと見定めるのは基本であるとは言え、そこを守っていたのは立派だなと評価した次第。

次は二点目になった大儀見からのヒールパスを受ける前に、大儀見が裏を取る良いパスを受けてペナルティ-エリア内を外に向かって斜めに走った際に、宮間はかなり後ろから素早く上がってフリーの位置でパスを受けて、岩淵と阪口が待ち構えているところにこれ以上ないと言う見事な所謂「マイナス」のパスを出していたこと。あれも立派なものだった。あのパスを出したのは誰かと思って見れば8番をつけた宮間だった。

更にニュースで知ったのだが、阪口はあの時に「自分の方が前にいた岩淵よりも良い位置にいたので『スルー』と声をかけた」と言っていた。この判断も素晴らしいが、決めきったキックも賞賛に値する。宮間も阪口もこのように技術の水準は高く、状況判断にも優れているのだ。

ディフェンスに行こう。岩清水と熊谷は常に安定した守りを見せており、ボールをキープして出てきた相手に対しても、裏を取られた深いパスを出されても、決して無闇に勝負に行く事をせずに、最後まで相手の動きを見ているので決定的に抜かれることがない。また、相手のパスのコースを読み切ってあるので、巧みに封じ込むか横取り(インターセプションであり「カット」ではない)してカウンターに出るもとを作っている。

鮫島についてはアナウンサーは常に「前にで行く」というか「オーヴァーラップ」を強調するが、それだけが彼女の良さではない。鮫島も抜け出してきた相手に無闇に勝負に行かずに最後の瞬間まで外側に追い込む(昔は「ワンサイドカット」等といったが)形でついていって(ボールを蹴るまで待って)、守り切るかインターセプションにつなげていく。これも基本なのだが、鮫島の岩清水も熊谷もキチンと守っている。では「男子のA代表はどうか」と尋ねられても、彼等は期待を裏切ってばかりいるので、そこまで注意してみていない。済みません。

以前にも指摘したが、女子の方が基本に忠実で言われた(教えられた)ようにやっているのが特徴だろう。当然のことだが、基本技が完全に固まってからその応用編に進ものであり、足し算・引き算がチャンと出来てから掛け算と割り算に行くのである。その点を忠実に実行しているのが我が国の女子代表のサッカーの特徴であると思っている。基礎が固まっていたからこそ、前回は優勝出来たし、今回も苦労しながらでもあそこまで上がれたのだと見ている。


ナガセ社長・永瀬昭幸氏は言う

2015-06-25 07:05:09 | コラム
「アベノミクスよりすごい日本再生論」の中の英語教育改革論:

President誌の2015.7.13号に掲題のナガセ社長・永瀬昭幸氏のスペシャル・インタビューが掲載されている。その内容も兎も角、私には2ページ目(128ページ)にある”英語力は世界でも劣等生!●全169ヶ国”という二つの表に大いなる関心があったと同時に、我が国の英語教育の成果には寒心を禁じ得なかった。

表の詳細は省略するが、一つ目のTOEFL(iBT)スコアの国別ランキングにおける我が国の順位は169ヶ国中の138番目と低く、遺憾ながら韓国の65位と中国の113位の後塵を拝している。実は正直に言えば、当方にはこの結果は驚きでも何でもない。

二つ目の表の”「スピーキング」のスコアだけ見ていると”では、世界最下位の166位タイで、コートジボアール、トーゴ、サウジアラビアと並んでいる。ここでも韓国が116位で中国は140位だった。なお、これは同社の編集部が「Test and Score Data Summary for TOEFL iBT Tests January 2014-December 2014 Test Data」をもとに作成したとある。

永瀬氏はこのページでは「世界で活躍出来る人材を育成するためには?」と問われて

「先ずは子供の英語力を伸ばすことでしょう。20年後を見据え、グローバル化に対応した英語教育改革が順次実施されていますが、従来の方法では、本当に英語を使いこなせる人材は育ちません。英語を学ぶ目的は、読み書きのレベルを高めることではないはずです。

国際社会に出たとき、相手の言葉に耳を傾け、自らの意見を述べ、相手を説得できるくらいに発進力を高めることが狙いです。英語能力を測るテストであるTOEFL iBTの国別平均スコアを見ると、スピーキング部門で言えば日本はi一六九ヶ国中最下位(14年)。読み書きの勉強だけしていると、こういうことになってしまいます」(以下略)

と言っておられる。

誠にご尤もなご指摘だが、これを東進ハイスクール、四谷大塚、イトマンスイミングスクール等を経営しておられる方に言われると「何だか自己矛盾ではないのか」という感があるのは何故だろう。何れにせよ、我が国の学校教育の英語の教え方を如何に改革するかが肝心な問題だが、文科省は既に中学3年で「読み・書き・聞き」等の試験をすると決めてある以上、永瀬氏の説とは相容れない方向に進んでいる気がするのだ。

TOEFLの他にも、かのTOEICの試験の成績を重要視する学校や企業がある限り、改革の方針と方向を何処に定めるかを決めることが先ではないかと思っている。遺憾ながら韓国の教え方の方が実践的に優れている事実は、私以外にも体験された方が多いはずだ。さらに近頃日本語を実に巧みにこなすアジア人と欧米人が多いことを良く考えてみるべきだ。彼等は我が国の英語教育よりも短期間に学習の効果を挙げているではないか。文科省の熟考を求めたい。