新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

8月28日 その2 新国立競技場建設問題に思う

2015-08-28 17:07:17 | コラム
国立競技場新設の予算不足を補う方法を考えれば:

お断りして置くが、以下は純粋に一般人である私の経験に基づいて言っていることで、担当大臣や議員諸先生方のご参考に供したいなどとう大それたというかお思い上がった心で言うつもりなどない。あるいは「過剰になりかねない予算を救う為」とでも言うべきかも知れないが。

2010年の1月に私はSM氏に案内されてカリフォルニア州のBerkeleyにある”University of California”(通称”Cal”乃至は「バークレー」でアメリカ最高の州立大学)に、UC対UCLA(カリフォルニア大学ロス・アンジェルス校)という言わば身内同士のバスケットボール・ゲームを観戦に出掛けた。会場は”HAAS Pavilion”と名付けられた12,000人収容という大規模の室内体育館だった。

“HAAS”とはジーンズで有名なLevi’sの社長の名字で、彼が寄付したのでその名前がついているのだと聞いた。またその観客席の中でもコートサイドにある良い席はUCに100万円相当だっかの寄付をすれば、その個人のものとなって年間一定の数の試合を観戦出来る仕組みになっていると知らされた。仮に半分の6,000席が100万円の寄付を受けたとすれば、それだけで60億円である。

仮に新国立競技場に8万席置けたとして、そのうち2万席にオリンピック終了前でも後でも、法人でも個人でも100万円の寄付を募れば、200億円が出てくるではないか。勿論その指定席がオリンピック期間中のものではないとしても、東京ドームなどで行われているように、その席には所有者の社名なり何なりは記載されて、広告収入にも繋がる可能性がありはしないか。

下村文科相は確か新競技場の命名権を云々していた時期があったが、それは飽くまでもオリンピック後のことになるだろうか。だが、それも予算の獲得の一補助手段にはなり得るだろう。だが、その種の収入にIOCが関連するか否かは私が関知するところではない。

先程、関連業者に協力を要請することに触れた。それは簡単に言えば形を変えた価格交渉だが、それにしたところで何の見返りもなしに交渉するのは野暮というもので、例えば椅子関ならば納入乃至は製造会社名を何処かに記載する広告を取ることも条件に出来はしないか。鉄鋼関連にしたところで、競技場の何処かに納入か製造会社名を記載したプレートを有料で埋め込むことだって可能ではないか。歴史に名を残す広告だ。

第一、現在の鉄鋼市場には中国のように過剰設備を抱えている国があるではないか。私には中国の鉄関連の製品の質が我が国での使用に耐えうるか否かなどは知る由もない。だが、もしも基準を満たすものならば「これから微力ながら協力に貴国の産業に協力するから、今後は尖閣云々だの何のと言い掛かりは無用。歴史に名を残すことを考慮されては」くらいのことを言っても良くはないのかな。

その他にここまで複雑なことを言わずに、真っ向から国内の企業にあらゆる考え得る形での寄付というか協力を要請することだって出来ると、私は考えている。確か旧国立競技場にはプロ野球場のような広告はなかったが、如何なる形の広告にするかくらいについて、関係閣僚や議員たちは無い知恵を絞ってみたら如何か。また、国内の産業の中には、あの程度の規模の競技場用に受注できれば経営が改善される業種があるかも知れないと思う。

確信はないが、我が母校の某学部の校舎や設備一切は、カトリック信者であるドイツの某鉄鋼会社の寄付によるものだと聞いた記憶もある。嫌みで言うのではないが、予算が足りないので、見直すのと言って会議ばかりする暇があれば、このような浄財を募るとか、広告収入を得る手法を考えていたらどうかと考えてしまう。マスコミだって揚げ足取りばかりしていないで、何らかの知恵を出してお国に協力したらどうだ。


政治屋を叱る

2015-08-28 08:20:33 | コラム
新国立競技場建設問題に見る政治家の愚かさ:

これが国事行為と認識出来ていないのではないかと腹立たしい。歳費分くらいは働けと言ってやりたい。

私はこの度の新国立競技場建設に関して、今日までに見せた政治家どもの、愚かさというか実務を知らぬ無能さに心底から怒り悲しい思いを強いられている。対策とやらで担当大臣を任命したり、無知蒙昧な閣僚と関係者を集めては予算の枠をいじり回しているだけで事足れりとでも信じているだろう姿勢には「政治家に自分たち以上の器量は期待出来ない」との言い慣わしは大間違いだと遅まきながら気付いた次第だ。

何度でも言うが、私は政治家ほどAHOでも無知ではないと確信している。実務の世界を見て経験してきたから確信を持って言う。

事は1千~2千億円という国費を使う大事業である。それだけの大きな実務を伴う「実業」の世界で何れは起きていく仕事である。私には彼ら森喜朗以下の関係する政治家連中は「予算の枠だけをこねくり回していけば、何時か何処かで請け負った民間の企業群が期限内にその優秀な技術と能力を発揮して、自分たちが決議したように事を運んでくれる」とでも安易に考えているのだろうとしか思えないのだ。

彼らは一度政治家が号令をかければ、閣議決定だろうと国会の議決だろうと、自分たちが何事か定めれば関係官庁をも含めた関係者が「良きに取り計らうものだ」とでも思っているのだとしか思えないのが極めて遺憾だ。この競技場問題は最早IOCまで巻き込んだし、何とか言う怪しげなデザイナーが創造した?ロゴマークに疑惑が生じたなど、容易ならざる段階に立ち至ってしまったことが、未だに本当に理解出来ていないとしか思えない。

私は今回のこの停滞しきっている案件に「政治家の実務知らず」と言うか「現実の世界での仕事の運び方を経験すらしたことがない連中が『政治屋』に成り上がって、如何にも権威者の如くに政治的に予算枠だけでも討論していれば良い」とでも思い込んでいるだろう姿勢に限りない不満と怒りを覚えている。それだから今日に体たらくでマスコミにすら論われているではないか。「恥を知れ」と言ってやりたい。

2,520億円だったか何だか知らぬが、巨額の国費を投じる案件を実務を知らぬ者たちというか烏合の衆が寄ってたかって小田原評定を繰り返していても、何ら建設的な結果を生じないことを、彼らは既に証明した。長いこと彼ら政治屋を非難し過ぎたので、ここから先は私なりの具体案を述べていこう。私は曲がりなりにも日米の企業社会で40年も実務を経験してきたから言うのだ。

今回は実際に競技場を建設するのは大手ゼネコンの大成と竹中と報じられていたようだ。しかし、当たり前のことでこの2社が直接泥をこねたりセメントミキサー車を走らせる訳ではない。膨大な数の関連業者、二次・三次・四次・・・の下請け業者、建築そのものや鳶職や左官等の熟練の技能者、鉄鋼や建材等の関連の資材納入業者、家具納入業者等々が、それぞれの段階で参入して建設が完成へと進むものだ。

そして、上記のそれぞれの業界と業種には関連し且つ監督する諸官庁がある。私は事に当たっている閣僚乃至は議員は国会会期中である週日でも可能な限り時間を作って、これらの関係先に「周知のように事は国家の威信がかかっている重大な案件で万局に差し掛かっている。この際、御社や業界も諸般の事情を理解の上で、国家のためにコストや納期その他の面で出来得る限りの協力で我々を支えて頂きたい」程度の要請をして回ったらどうかと言いたい。

また、輸入を伴うような材料の場合には関連の官庁とも連絡を密にして、担当の商社だけに止まらず、輸入する諸国に出向いてでも協力方要望して回ることだって可能なはずだ。この案件であると知った先が、無碍に真っ向から協力(価格的なという意味だ)を拒否することがないよう、全力を尽くしてみたらどうだ。

そこまでやって、各方面の全面的な協力が得られず、尚且つ1,500億円だかの新予算を超えざるを得なかったならば、素直に率直に自分たちの無能さを国民に詫びて、予算増額をあらためて願い出るべきではないか。会議ばかりしかしないと怒っておられる国民の方々はおられるはずではないのかな。

私は中でも重要な懸案の中でも大きな課題は、鳩山内閣の失政で生じた熟練した現場の労務者の不足を如何にして補って尚且つ建設の速度を上げていくのかにあると思う。だが、これ即ち大きな労務費の高騰の原因になりかねないと危惧している。遠藤担当大臣には「その対策は如何」と問いたい。

これまでにテレビ報道で見る限りの遠藤担当大臣を始め下村文科相も、森元総理も、遺憾ながら安倍総理にも切迫感を感じさせる悲壮感は全く表れておらず、唯々数字いじりに終始しているとしか見えないのは遺憾では済まない無策振りを見出す。特に「ニコニコ」するのが能事の如き遠藤担当大臣には事を達成しようとする気迫が全く感じられない。あの何処が政策通なのか?政策に通じれば競技場が建つのかとと問いたい。

安保法制案の重大さに比べれば、新国立競技場建設問題は言わばマイナーリーグ・一シューだと私は思う。だからと言って遠藤担当大臣如きに委ねていてより問題ではない。偏向マスコミは無意味な街頭インタビューなどで何も知らない一般人に「アスリートのために良い競技場を」などと言わせ、競技場内を走った訳ではない有森裕子には涙で「アスリートのための競技場を」などと言わせて、あらぬ方向に持って行こうとしている。怪しからん次第だ。

安倍総理、何卒怪しげなマスコミが創り出した与論や世間知らずの閣僚やJSCの言い分などに惑わされることなく、安保法制案に示された指導力を十二分に発揮して、ご自身が先頭に立って関連業界をお国のために奮起させ協力させて下さい。宜しくお願い申し上げます。