新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

韓国にも敗れた女子サッカー

2015-08-05 10:05:38 | コラム
如何に武漢というアウエーでもまた負けた:

私はあの世代交替への過渡期であの総合力では止むを得ない事かも知れないが、負けて許されることはないと思っている。

昨4日は居合わせた愚息#2と前半だけを観戦した。この愚息の方も関東大学1部リーグでのフットボール経験者であり、遺憾ながら当方よりは観察眼が備わっているし、競技こそ違えまるで見ているところが違うので参考になる。前半だけで辞めた理由は、たとえ前半は1対0でリードして終わったとはいえ、あの試合運びと実力では勝ちきれないと判断したからだった。残念ながら判断が正しかったと今朝になって知った。

あのW杯では精々補欠扱いだった程度の者が2~3名入っただけの選抜メンバーでは、ティームとしての体をなすまでに全員の考えが合わせられておらず、お互いに何をすれば良いのかが把握出来ていなかったとしか見えなかった。しかし、世代交替への過渡期だと佐々木監督も割り切ってあの顔触れを選んだのだろうから、負けたことを真っ向から批判する材料はない。

しかしながら昨夜も我が国のサッカーの通弊である「無意味な後方への展開」と言うべきか前を向いて攻めることをせずに、折角入って来た縦パスをそのまま真後ろに蹴り返し、またそれを受けた後陣が何処にフィードするべきかに迷っている間に誰もフリーになろうという動きをせず、結局は相手のゴールに背中を向けている背後にがっちりとマークがついている者に縦のパスを蹴っては為す術もなくまた後方に蹴り返すことを繰り返しただけに終わった。

これは以前から当方も指摘し、かの釜本も怒っていた「今のサッカーでは背後からマークに来た者を個人技で抜き去るか外して、前を向いて攻め上がってはいけないと教えているのか」という問題である。対照的に韓国側は前を向いた形でパスを受けられる者に向かって形で展開するので、少ない人数で攻め上がっても結構チャンスの形が出来ていたのだった。佐々木監督も選手たちもこの隘路を何とか打破する研究が必要ではないか。

もう一つ目立った欠陥は思い切ったシュートに持っていかないことだ。誰に遠慮するのか、またはパス回しを優先せよと下部組織で仕込まれてきたのか、多少でも強引にドリブルで上がっていって蹴ってやろうという意欲(乃至は掟破りか?)を持つ者が少なすぎるのだ。これは男女に共通する問題点だ。愚息はたとえ枠を外れてもGKになれば、攻める態勢を再度整える余裕が出来はしないかと指摘した。

解説した山郷だったかはGKに捕られても良いから枠の中に入る正確さが欲しいとまで言っていた。それを言うのならば「自分でシュートしようとする積極性を果敢に発揮せよ」くらいは指摘して欲しかった。私はもう少し同情的?に「未だ全員が海外試合で(世界の一部リーグででも良いが)何をすべきかを把握出来ていない段階にあるので、積極性が出る以前の模索中にある者の集合体だ」と見ている。

まさか佐々木監督はオリンピック予選までもあの手探り集団で臨む気ではないだろうな。もしそうなら無茶苦茶かも知れないが、そうでもしないとあの連中には余程辛い経験をさせておかないことには、4年先のW杯出場などは夢のまた夢となるかも知れない。