新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

10月19日 その2 "you know"は好ましい言葉遣いか

2017-10-19 14:12:37 | コラム
“you know”多用の是非を問う:

親しくさせて頂いている国文学者のKS氏から、下記のような”you know”についての興味深い問い合わせというか、私の意見の照会があった。それはノーベル文学賞受賞者のカズオ・イシグロ氏の小説の中に you know を多用させる件があったことに発する疑問だった。念の為にいきなり結論を言えば「使わないように心掛ける」である。

>引用開始
<『私を離さないで(Never Let Me Go)』という作品に、興味ぶかいくだりがありましたので、本日はメイルを差し上げました。主人公の友だちが、たいへん言いにくいことを主人公に話す。その台詞のなかで、やたらとYou knowが連発されるのです。この「主人公の友だち」は、べつに教育レベルが低いとかそういうわけではなく、口にしづらいことを無理していっているために、乱れ打ちのようにYou knowをくり返す。ほかの場面では、この人物の台詞にYou knowはまったく含まれません。
このことから推して、You knowは「えーっと、そのお」みたいな言いまわしで、「下品」というより「口にしすぎるとみっともないフレーズ」なのではないか、と感じました。>

<引用終わる

というものだった。私からの返信の第1回目は

>引用開始
大変興味深いお尋ねかと思うのです。

私は嘗てTK博士が私の英語を評して言われた「支配階層のそれ」という点から考えれば「”you know”はあり得ない言葉遣い」だと言えると思います。嘗て、某有名私立大学のS総長が公式の場での英語の語りがテレビで聞こえた際に、余りにも you know が多発されるのに驚愕したことがありました。

S総長の英語自体はそこを除けば十分に格調は高かったのですが、you know の多用には驚きを禁じ得ませんでした。このことは以前にお話ししたかも知れませんが、もしかして若い時にS氏は英語を学ぶ相手を誤ったか、不適切な場で学ばれたのかと推理します。または、教えてくれた人の英語の格(か質の低さ)が判断できなかったのでしょう。

私はアメリカ人の一定以下の階層、例えばプロのスポーツ選手、では you know は多用されると承知しています。これは難しいことですが、彼らの育った環境にもよることと解釈して間違いではないと思います。以前にも語りましたが、私び中学1年の頃に英語で話すことを厳しく教えて下さったGHQの秘書だった方は「言葉に詰まった時でも何でも you know と言ってはいけない。もしも言葉が出てこなければ Let see. か Well. で繋ぎなさい」と指導されました。

お尋ねの例では、ご指摘のような

<えーっと、そのお」みたいな言いまわしで、「下品」というより「口にしすぎるとみっともないフレーズ」なのではないか、と感じました。>

との解釈で宜しいかと思います。一種の口癖のような場合もあります。私の生涯最高の上司だったワシントン大学の4年制の出身者は、エリート層の出身者とは言えない家柄でしたから、多少 you know と言う場合があるのが気になりました。そういうものです。

日本語の場合では、石原慎太郎君は「所謂」と「要するに」を多用しているのが気になりました。それと言うのは、何処かで聞いたか、誰かに教えられたか、これらの言葉遣いは何れも自らの発言に自信がないことを示しているのだそうです。英語の場合の you know にもそれに近い感覚があると思っております。

換言すれば、you know を多発するか、「所謂」と「要するに」を多用する者(最初からその属する階層が明らかな者は言うに及ばず)の発言は前後の関係もありますが、信ずるに足らずと思っても良いと、私は見做しております。

上記に対するKS氏からの返信というか質問は

<石原慎太郎氏が、「つまり」とか「所謂」を多用するのは、繊細かつ小心なので、議論が自分の予期せぬ方向に展開し、思わぬかたちで傷つけられることを恐れているからではないでしょうか。>

となっていた。

私からは「ご指摘は尤もだと思います。経験からも言えるのですが、多くの方は自信が持てないこと言う場合に「所謂」か「要するに」に依存して、自信のなさを問わず語りしていると思って聞いています。以前にも指摘しましたが、中学か高校の頃の石原君は秀才ですが、言うなれば青白きインテリ的で気が小さい人と見える人でしたから。

私事で恐縮ですが、私がアメリカの会社に変わって1~2年経った後で、昔の上司や同僚に会った話し合った時に如何にも感に堪えたように言われたことは「君は良くそれほどまでに断定的にものが言えるように変わったな」でした。

それは二進法的思考で白か黒かを真っ直ぐに表現せねばならない世界に入った為に、短期間にアメリカ式思考体系感化されたのか、毒されたかの何れかだろうと答えました。しかし、時には言を左右するか迷った場合のつなぎが you know である階層があると思います。私を指導されたGHQの秘書の方は「言葉に詰まったら Let me see. か Well. と言いなさい。You know は駄目」と厳しく教えて下さいました。

これを伝えた私が最も尊敬するWeyerhaeuser のOBの夫妻で共にMBAでコンサルタント事務所を開設しておられた奥方は「GHQの秘書の方が、最初に私にyou know は駄目だと教えたと聞いて、 Good for her. と称えられました。これで、私はアメリカのアッパーミドルでの言葉遣いの厳格さを学びました。序でですが、この夫妻の会話で、知人が Me too. と言ったと奥方から聞いた Bob は「彼は公式の場でそんな言葉を使ったのか」と切って捨てました。

尤も、他の同僚にこの夫婦間の会話のことを伝えると「彼奴の家は一般的な庶民ではない。そういう世界もあると思ってくれ」と諭されました。しかし、Weyerhaeuser の社内にあって、ある程度以上の地位にいる者たちは概ねこれかこれに準ずる例が多いと言えます。彼らは先ず you know と言うことはないのです。即ち、黒木さんが指摘された支配階層の者が運営している会社でした。

この点から考えれば、我が国は遙かに機会均等で「悪」が付く平等な世界だと思います。


18日は野球とサッカー観戦で

2017-10-19 11:23:46 | コラム
ACLのチャンピオンのサッカーが終わった後では脇の下に汗が:

東浜は不出来だった:
先ずはクライマックスシリーズの野球から。如何なる仕組みになっているのか知らないが、NHKのBSはパリーグのみの中継だった。楽天対ソフトバンクの試合はそれなりに面白かったが、楽天が1回、2回と4回にホームランで3点取っただけでは逃げ切れるのかなと不安だっただけに、裏番組の日テレのサッカーの試合と交互に見るのはかなり難しい仕事だった。

正直なことを言えば「野球はどちらも贔屓でも何でもないので、試合内容と技術の評価が出来れば十分」なのだが、サッカーは相手が中国の「上海上港」とあっては、勝ってくれと真剣に応援する感情で見ていた。しかも、浦和はJリーグでは今季不振であり、その為に監督を電撃解任したばかりであれば、多少の不安があったのだ。

野球がだが、今シーズンに大飛躍を遂げて最多勝投手となったソフトバンクの東浜巨が一見好投風の不調で、ホームランを打たれてしまった3球とも「失投」の部類に入る甘い投球で、折角この3安打だけに抑えながら「俗に言う試合を作れなかった」結果に終わってしまった。これぞ勝負というもの怖さが非常によく見えた。

楽天は良く投げていた塩見を6回まで引っ張った時に、言い知れない不安を感じた。それは打順が一番の明石に始まり次が時々思い出したようにホームランを打つ今宮だったからだ。私の閃きは先ず明石が塁に出て今宮がホームランを打てば、たちまち1点差になってしまい、次に控えしは内川とキューバ人のデスパイネとなるからだ。幸いというか何というか、ホームランは走者無しでの今宮の一本で終わったので、3対1は維持できた。この辺りに私が前日取り上げた「ソフトバンクには柳田がいないのは弱い」が如実に表れたと思う。

後は楽天が投手を上手く繋ぎ、ソフトバンクも追加点を与えない継投をしたので、残すは9回裏に私は危なっかしいと未だに評価しない松井裕樹が何処までやれるかだと思っていた。と言う理由は「松井は未だに精密なコントロールで打者の欠陥を突くのではなく、言わばアメリカ式の『打つなら打って見ろ』投法の域から出ていないからだ。果たせるかな内川に打たれて1点差で、粗雑な打者のデスパイネを切り取って逃げ切れた。

言いたくないが、我が国のような枝葉末節までゆるがせにいない野球をやってくる国に来れば、南米やカリブの諸国から来る野球学の勉強が不十分な者どもは粗雑さが際立つのだ。その辺りを捉えて、南米人ばかりの雑な野球に堕したMLBを張本勲が貶すのも無理はない。

余談に近いが、楽天の中々良い中継ぎ投手の福山は、何と投手不足の感があるDeNAから移ってきて成長した選手だだった。阪神にも今シーズンに飛躍した中継ぎに桑原がいるが、彼もDeNAからの移籍組だ。他球団に売られて一念発起したのか、DeNAが彼らの素質を見抜けなかったのか知る由もないが、DeNAのコーチ陣は見る目がないのかと思わせてくれた。

汚さも戦術の内か:
サッカーは開始12分で浦和がCKから綺麗な点を取ったので、ここから先が大変だろうと思った。それは、相手が我が国に対しては対抗心をむき出しにするだろう中国人のクラブに、ブラジルの元W杯代表選手を2~3名も金に糸目を付け右図に加えていれば、かなり手強くても当然だと思ったからだ。だが、結局は浦和の主将阿部以下槙野、遠藤等が良く守り切ってピンチらしいピンチもなく1点を守り切ってくれた。

上海は確かJリーグにもいたことがあるフッキ(FULK)というブラジルの往年の大選手がいたが、中国人たちが彼を活かす切れずと言うか、周囲が彼の意図を読んだサッカーが出来ずに、徒に日本の選手に対して小汚い反則を繰り返すだけで、アナウンサーが騒ぎ立てたほどの速攻も出てこなかった。

彼らの小汚さで呆れたことがあった。それは中国人選手が倒れて身動きもしなかったのでフェアープレーを重んじる浦和が敢えて外に蹴り出して試合を止めた時のことだった。サッカー界の常識的な儀礼ではフリースロウを得た中国側がボールを浦和に返すのだが、フッキ奴はそのままボールを自軍に回して攻めてきたのだった。かかる悪知恵も時には戦略上あるのかも知れないが、反則ではないのかだから困る。

浦和がこういう手合いを相手にして上手く1対0で逃げ切ってくれれば良いと真剣に願ってみていたのだ。だが、後半の45分が過ぎたところでまさかのエキストラタイムが4分と表示されたのはビックリ。だが、粗雑なサッカーしか出来ないフッキ頼みの上海は無為に終わった。アー良かったと思った時に、脇の下の汗に気が付いた。それほど心配で熱心の応援していたのだった。