新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

10月14日 その2 野球観戦で終わった

2017-10-14 17:51:53 | コラム
予報通りの雨降りで:

憂鬱な天気だったが、昨日SクリニックでS先生に「普通は貴方ほどの年齢になれば感度が鈍って気象の変動に災いされる率神経失調症にはならないものだが」との診断で、肩に2箇所のブロック注射をしていただいた効果で漸く全身の凝りと痛みが去ったので、安心して外出はせずに野球観戦に集中した。

先ずは大嫌いとまでは言わないが、好みではないヤンキースとアストロズのリーグ優勝の第1戦。田中将大が期待の登場だったが、確か以前に日本で見たような記憶があるアストロズの170 cm台?の小柄なアルトウーベだったかに撃たれたのが敗因で、好投はしたもののNYYの惜敗に終わったのは田中には悪いが、良い感じだった。

田中将大は確かに良い投手に成長していたとは見たが、日本にいた頃よりも低めに投げないと一発を食うアメリカのMLBでは、かなり重心を下げた低い姿勢での投げ方に変わっている印象があった。しかも、「郷に入れば郷に従え」の大原則を守っているのか、精密なコントロール重視で打者の欠陥を突く投球ではなく「打つなら打って見ろ」という打者との力勝負の投手になっていた感があった。

張本勲ではないが、余所の国の野球はこれくらいにして、NPBのクライマックスシリーズの話にしよう。NHKの都合なのか、中継して貰いたい為の配慮か、パシフィックリーグとセントラルリーグの時間差攻撃だったのは結構だった。それは、先に見た西武対楽天が1回の裏に浅村栄斗がかなり難しい投球に見えたインサイドをホームランにして2点先取する場面を見られたからだった。これで、菊池雄星がレギュラーシーズン通りの出来であれば、ほぼ試合が決まったと同様に思えたからだった。

しかも、楽天の則本昂大がインサイドとアウトサイドの低めに制球が定まらず、また球審との相性も悪くて全てボールの判定とされた感があり、大きく崩れてしまったので安心して2時からのセントラルリーグの阪神対DeNAの観戦に転向できた。

この試合はDeNAの井納の起用が意外だったし、しかも良く投げていたので、結構な投手戦となって見る者を楽しませて貰えた。阪神は骨折から復帰したメッセンジャーが故障前と同じような好投だったので、これでは阪神がに分があるかなと思わせてくれた。横浜の敗因は矢張り以前に指摘したことで野球が粗雑である点だ。一番打者の桑原などは自分で「未だレギュラーのポジションを取れたとは思っていない」と認めていたが、振っても絶対にヒットにはならない球に手を出す粗さが目立っていた。

ロペスも筒香も宮崎も見事に押さえ込まれたのも最大の敗因だろうが、筒香の責任感からか力みすぎで三振ばかりだったのは誤算だっただろう。また折角首位打者が取れた宮崎も空回りで、あれでは良くあるシリーズの不出来男に終わってしまう危険性がありはしないかと思った。

最後に得意の閃きに話を持っていこう。それは折角良く阪神を抑えていた井納を6回の裏に出してきた時に「ラミレス監督は引っ張りすぎではないか」と不安に思った。そこにいきなり無死で糸井にヒットを打たれて4番の福留に回ったのだ。ここでは「井納とDeNAはこの危機は乗り越えられないな」と思った。そして、福留のホームランとなって閃きが当たってしまった。

この結果では、もしも明日は雨天中止(矢張り英語の講釈をすれば“rained out game”などと言うようだ)になっても阪神の勝ち抜きになるそうだ。一方のドーム球場での西武対楽天を予想すれば、西武の10点も取ってしまった打ち過ぎでは明日が一寸気になるが、辻発彦が監督になってからは非常に密度が高い野球をするようになっているので、未だ未だ発展段階とでも形容したい楽天には目がないように思えるのだが。


私の体験的アメリカ論

2017-10-14 09:16:11 | コラム
私が内側で実体験し、見てきたアメリカ:

私の意見では「トランプ大統領は多くの欠陥があるアメリカ史上でも珍しい存在だろう。彼に対する評価も大きく二つに割れているだろうし、好きか嫌いかの点でも大きく分かれるだろう。だが、現実には彼がアメリカの大統領である以上、我が国では政・官・材・民を挙げて仲良くして以外の選択はないだろう」と思います。

彼の一見思い付き的であり、その都度ぶれる発言やTwitterに見せる粗雑で乱暴な言葉遣いはとても気になり、一国の指導者が公開すべきではないと感じます。しかし、彼が対DPRKに見せる手の内や政策には色々と批判し非難する声が上がるのは当然でしょう。だが、私はアメリカが結果を出すまでは何かと強調はしても、見守っている行く以外の道はないと思うのです、憲法がある以上。

私は終戦後間もなくの中学生の頃からGHQに出入りする機会があり、1947年頃だったか隣家の親類が如何なる伝があったか記憶はありませんが、当時のChase National Bankに家をまるごとサマーハウスを貸しましたので、GHQの職員やアメリカと日本の行員に接する機会がありました。当時、神奈川県の海老名に住んでいた叔父が近所の基地の兵士と親しくなって連れてきたこともあり、この点でもアメリカとの接触がありました。

こういう経験で得たことは「アメリカ人が日本人に対する愉快とは言えない優越感を表し、見下した態度を取る者もいたこと」です。このような経験があったことが、あの就職難の昭和29年にそれなりに多くあったアメリカの会社からの求人には見向きもしなかった大きな原因でしょう。行けば如何なる待遇を受けるかがそれまでの経験で見えていたと思いました。

その就社後に多くのことを学ばせていただいた日本の会社を思いもかけなかった原因と、運命と、動機があって自己都合で1972年にその就社後に多くのことを学ばせていただいた日本の会社を思いもかけなかった偶然と、原因と、運命と、動機があって自己都合で辞職してM社に転出しました。更にまた偶然の積み重ねで2年半を経てW社に転じました。アメリカの会社で新入社員の時に教育され、また実務で得た経験が非常に役に立ちましたし、寧ろアメリカの社員に勝るとも劣ることがなかったほどでした。

子供の頃から通算すれば50年以上続いた「アメリカという国とアメリカ人とのつきあい、触れあい」で得た経験では、ビジネスの世界が長かった経験からは、畏メル友のO氏ご指摘の「庇護国」であるのは紛れもない事実だと感じてはいました。

私が籍を置いた紙パルプ産業界の我が国と非常に関係が濃かったアメリカの大手2社での22年半の勤務と、その間に接した多少乃至はそれ以上日本を知る者たちから受けた偽らざる印象では「アメリカは我が国を子会社の如くに取り扱っているようだ」でした。アメリカ人の圧倒的多数は「自分が生まれ育った州には絶対的な関心があっても、我が国ことなど全く知らないものばかり」が実態でしょう。まして「日米安保を知るか」に答えられる者がどれほどいたでしょうか。アメリカ人の中には「日本は中国の一部である国」などと言う極端な非常識な連中がいることをご承知な方もおられると思います。

これを詳細に語れば長くなりますが、当初はアメリカにとって我が国は「何でも言うことを聞く、イヤ聞かせる為の存在」の如きでした。だが、我が国が池田勇人総理の所得倍増政治以来の目覚ましい経済というか製造業の進歩発展がほぼ完全にアメリカを凌駕し、ジャパン・アズ#1の時が来て、NBCの「日本に出来ることが何故アメリカに出来ないのか」(1980年代の大人気番組でした)が出るに及んで、安保条約で保護すべき超優良子会社であり、尊敬の対象にまでなりました。

実話ですが、その頃世界第2位の我が国が世界に誇るT印刷に、ある重要な技術的なプリゼンテーションを依頼されて、工場から生まれて初めて外国に来た技術者が、帝国ホテルでリハーサルをした時に震えて喋れなかったのです。連れてきた本部のマネージャーに訳を訊くと、

「考えても見ろ、アメリカを追い抜いた世界の技術大国に来て、それもアメリカにはあり得ないような大規模な印刷会社の技術陣を相手にプリゼンテーションをするのだ。海外慣れしていない者が圧倒的に多いアメリカでは、未だにこういう者が多いのだ。彼が過度に緊張するのは当たり前。」

でした。1980年代末期に同印刷の東京と関西の購買部長さんを本社と工場にご案内したことがありました。関西の部長さんは営業から転じてきた方でした。そのお二方がアメリカで美しい印刷の美術雑誌をめくって「ふーん、アメリカもやるじゃないか。ここまでは出来るようになったんだ」と評されました。彼らに訊けば、この分野では我が国の方が既に遙か先まで行っていたのは紛れもない事実で、我が国では一般的にそこまで知られていないだけだそうでした。

何を申し上げたかったかと言えば、製紙や印刷だけのことではなく、我が国の製造業の技術水準は中小は言うに及ばす大手でも世界最高であり、アメリカとしては範を求めるに足る貴重な子会社だったのです。N製紙の常務だったM氏は我が社に「当社が要求する水準まで品質を向上させなさい。そこまで到達すれば必ず世界の何処に行っても黙って売れる紙になるから」と激励されました。そして、そこまで何とか到達しました。

私は経済というか製造業の世界では、我が国はアメリカに色々な形で貢献する最優秀な子会社の地位を確保していると思っております。その子会社の製品が多くの分野で、質の低い労働力を抱えて輸入品(ここには中国が入ります)に席巻されているアメリカ市場で大いなる市場占有率を誇っている事実を、トランプ様が覆そうという気になりその為の政策を打ってくる気持ちは解ります。だが、その為には、関税だ何のという輸入制限策よりも、自国の労働力の質を如何に世界的水準にまで高めるかの努力が先決問題だと思います。

何度でも同じことを言いますが、1994年7月にはカーラ・ヒルズ大使はその労働力の質の問題点を公開の席で認めたのです。そこが未だに改善道半ばでありながら、多くの少数民族を抱えざるを得なかったアメリカがどれほど苦しいかが良く解ります。トランプ様がこの難問題をお気付きではないなどということがないと願いたい気がするのです。

O氏が指摘された「アメリカの庇護下にある国」論はその通りかと思います。私のアメリカ感(観?)は全て子供の頃からの経験とアメリカ経済を22年半にわたって内側から言わばアメリカ人の異文化の中で彼らの一員として(生活の手段として所懸命に)対日輸出を担当した経験がから出てきたものです。自分から言うのは良くないかと思いますが、日本人としてはかなり珍しい部類の経験談だと思いますが、如何ですか。それ故に「そうだったのか」と言って下さる方は少ないと感じています。