新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

10月1日 その2 9月30日は閃きが良く当たった日だった

2018-10-01 14:56:44 | コラム
気になる試合が多かったので:

昨9月30日は台風24号の襲来で不順な天候の為家の中に閉じ込められたので、仕方なくテレビでスポーツの中継ばかりを見て過ごしていた。それがまたどうしたことか、テレビの画面を見た途端に閃いた勝負の行方が全て当たってしまったという珍しい日になってしまった。順序不同で思い出してみよう。

先ずは後一勝というパシフィック・リーグの優勝がかかった西武対日本ハムから。これは西武に分がないと直ちに閃いた。西武が過度に緊張していたのか、ヤクルトで大した実績もなかった杉浦という投手に捻られていたし、ご贔屓の秋山までが三振させられていては益々勝ち目がないと思って見ていた。

ところが捨てる神あれば拾う神ありで、裏で進行していたロッテ対ソフトバンクがロッテの一方的な展開で、これも移籍してきた岡がシーズンで2本目という満ホームランが満塁で出て、途中経過で8対1とリードしてしまったので、西武の優勝が決まったと思い、そこまでで見るのを止めた。

気になっていたのが女子の日本オープンのゴルフで、畑岡奈沙の三連覇はないという気がしてならなかったが、何としたことか世界のランキング1位になったことがあるという韓国の柳(ユと発音するらしい)にやられてしまうという愉快ならざる結末。この閃きが当たったのは悔やまれた。でも2位に入ったというが、張本勲は優勝しなければ2位もビリも同じだという。男子の東海クラシックも3日目まで首位だった池田勇太はひょっとして駄目ではないかと思っていたら、フィリピンのキューなる者が首位になって終わっていた。

次は女子のヴァレーボール。朝のTBSの「喝」の枠に登場した前監督の真鍋が「本日のオランダ戦が最も難しく危険」と予想していたので、関心を持ってチャンネルを最初から合わせた。出てきた画面で「これは駄目だ」と閃いた。事実、第1セットは途中で6点だったかリードして優勢に見えたが、我が方はどうやってこのリードを守り切れずにセットを失うのかと思っていたら、オランダの粘りに遭ってひっくり返されて、27対25で落としてしまった。ここで万事休すと思った。

結果的には5セットまでいったが、あのセットを落としたのが全てだった。ヴァレーボールであるとかバスケットボールでは、結局は身長の差が決め手となってしまうのが何とも悲しいところのように思えてならない。我が国の代表は男女とも本当に優れた技術と敏捷性を十分に活かして善戦健闘するが、アナウンサーと解説者がいう「高さ」にやられてしまうのだ。慰めるべき言葉を知らない。

でも彼ら放送の関係者たちは何で「高さがある」という奇妙な表現(業界の専門語か?)を使うのだろう。普通にに日本語で「身長の高さを活かして」とか「身長が高いという優位性がある」とか「身長の差があるので」と言わないのだろう。何処かの局で誰かが1度でもこういう隠語めいた言葉を使うと、一斉に真似て使う自主性の無さは何なのだろう。

他にも残念なことがあった。広島が叩いて4位に落として欲しかった読売は「広島が4対3のリードで先発投手の大瀬良を引っ込めた」と聞いたところで、逆転勝ちしてしまうと閃いた。そして当たった。CSに出られない4位に沈める為には、残り試合が多いDeNAに奮起して貰う以外ないのだが、ここは何分にも未だに野球が雑だし、投手が不揃いで余り頼りにならない気がする。そうすると読売が投手陣が手薄な広島をCSで蹴落とすことすらあるかと心配だ。だが、これは始まってみないと解らない。


「我が国とアメリカのTAGに思う」の補足

2018-10-01 07:34:08 | コラム
アメリカは何を本心から求めているのか:

以下は先日の「我が国とアメリカのTAGに思う」で、少し考えあぐねて敢えて省いたところを採録してみた。何故発表するのを躊躇ったのか、自分でも解らない。

トランプ大統領とライトハイザーUSTR代表は何はさておいても我が国に農産品と牛肉と車を売りたいのが目的のようだ。だが、私は長いことアメリカ人の中にあって(雇われて)彼らの一員として対日輸出を第一線で担当してきた。故に彼らの輸出に対する見方も本心も(一般の方が外部からご覧になるよりは)良く承知していると自負している。

1970年代に彼らに教えられたことは「アメリカでは輸出とは国内よりも良い価格で売れる場合に手がけることで、その際には国内の顧客に『あなた方よりも高く買ってくれる先に売るのだから悪しからず』と仁義を切る」だった。良く覚えて置いていただきたい。21世紀の現在に至ってもアメリカの製造業がかかる方針を堅持しているのか否かはリタイヤーして24年も経った私には判断できないし、トランプ大統領の心中など読める訳もない。

何れにせよ、アメリカの経済と産業は内需に依存しているのであって、基本的に輸出国ではなく、それも東海岸を中心に生産しているので海外との貿易に注力する企業の顔も自然とヨーロッパに向いているのだった。太平洋というか西側の諸国に向けての輸出には重きを置いていなかったと言えるだろう。しかも、繰り返して言ってきたように、アメリカでは強力な労組の攻勢に遭って労務費が高騰して生産拠点を(中国や南アメリカ等の)海外に移さざるを得なくなって空洞化した為に、非耐久消費財等々は輸入に依存する以外なくなったのだった。それにも拘わらずトランプ大統領・・・となるのだ。

アメリカだけではなくある業界で東海岸に主たる生産拠点を置く世界最大級のメーカーの日本法人の社長に本部から派遣されてきたIvy League 級の私立大学出身の日系人は「私の日常の業務で最も時間が費やさざるを得ない仕事は本部に向かって『何故この程度の規模の市場に懸命に努力をして売らねばならないかと説得すること』だった」と述懐していた。

ウエアーハウザーは幸か不幸かそういう作業をする必要がない立地条件だったが、彼の言うことは誠に良く理解できたし、同情もした。お断りしておくが、私がこのような話を彼から聞く機会を得たのはウエアーハウザーをリタイヤーした後のことだ。

TAGの交渉期間中には我が国から輸入する自動車の関税率の引き上げはしないとも「コミット」(カタカナ語になるかな?)されたそうだ。そこを見ていると、私には無言(会談中にはそうではなかったかも知れないと疑うが)の圧力で猶予期間中に輸出を減らしてアメリカ国内での生産台数を増加させよ。即ち、デトロイトの周辺での job を増やせと圧力をかけたかも知れないと疑いたくなる。そう言う根拠は「何と言ってもトランプ大統領の狙いは貿易赤字の削減とjobの創造」にあるのだから。それだけではない、名うての Mr. unpredictable ではなかかったか。

念の為の補足しておくが、jobを「雇用」と訳すのはマスコミのアメリかについての勉強不足による誤りである。アメリカの製造業では新規事業を開始するか、引退等により部内に空席が生じたか、業容が拡張して人員が不足した等々の場合にのみ新規の仕事、即ちjobが発生して、会社の内外に募集をかけるのである。そして、適任者が現れて初めて雇用が成立するのだ。適任者が現れなければ空席とするか誰かの兼任で切り抜けるのだ。労働組合員の場合は業界横断の職能組合であるから、会社が募集する訳ではない。

しかしながら、私などが云々するまでもなく、我が国の自動車産業界がアメリカ向け輸出を減らして現地生産をおいそれと増やせる状況下にはないのだ。また、これは「だろう話」ではあるが、我が国からの自動車関連の輸入の関税を25%などに引き上げれば、我が国からの部品の輸入に依存しているデトロイトは窮地に追い込まれかねないのだ。現に、デトロイトは関税率の引き上げをトランプ大統領に請願してはいないと言っているではないか。

アメリカは我が国に牛肉を買えと長年迫っているが、確かにオーストラリアからの輸入量よりも少ない。検索した限りでは16年度に192,000 ton だった。正確になところは把握していないが、米国の国内価格では$115/100 lbs.(=約¥278,000/ ton)程度らしい。この計算が誤りでなければ、でそれほど安いとは思えない。しかも、70年代に教えられた原則に従えば、それより以下では輸出しないことになる。だが、その程度の価格の牛肉をどれほど沢山売っても、我が国から輸出されている170万台の自動車の輸入分をチャラに出来る訳がないと思う。

では、この私の見方が当たっているとした場合に、トランプ大統領は督励してUSTRに何をさせたいのだろうか。そこが解らない。まさかプーアホワイト以下に加えて徐々に共和党支持のインテリの支持率も高まっているという彼の岩盤の支持層に向けて「親友の安倍晋三を説得して巨額だった対日貿易赤字を牛肉を買わせてこれだけ減らした」と誇りたいのだろうか。でも、それは11月の中間選挙には間に合わないのだろうと思うし、話が解って貰える安倍総理だって後3年の任期だ。