新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

加藤勝信厚生労働大臣に失望

2020-02-09 14:16:54 | コラム
決断力不足と言い訳ばかりが目立った:

敢えて加藤厚労相としたが、「政治家という人種はこんなものか」としても良かったかも知れない。フジテレビの朝の番組では言葉遣いも丁寧だったし、淀みなくそつなく語っておられたが、内容は私に言わせて貰えば全く空疎だった。既に指摘したことで、この方がメディアが言うように安倍総理の次の次辺りの候補者であるとしたら、彼が総理大臣になった頃には生きていたくないとすら思わせてくれた。

彼は流石に元はと言えば大蔵官僚らしく、明晰だろう頭脳を見せてくれてはいた。だが、あのダイアモンド・プリンセス号の危機と言うべきか、実数としては大量の感染者を出している状況に対応する厚生労働省の大臣としての説明と解説は、私流に極端に言えば「何故ある事が出来ないか」を巧みに説明してはいるのだが、ほとんどが巧妙に責任回避をしているだけ」なのだった。例えば、乗客の方と電話で話し合った際に、必要とする糖尿病対策用のインスリンが幾ら待っても届かないと苦情を言い出した。

それに対して、「今、本船の接岸を待って桟橋に積み込めるように薬等の準備を整えてある」というだけで、その明細にも触れず、何らの具体性もないことだけを語ったのだ。言うなれば、弁解ばかりで「ここから先に、どのように対応していくのか」という類いの、彼の責任範囲内の入るような事柄への言及は極力避けていたという印象だった。

その乗客の方が「一言言わせろ」と厳しい口調で言われたことが「この船がイギリス籍で運営会社がアメリカだとは知らなかった。何時何処で如何なる原因で感染者が発生したかも船内では全く説明がない」と詰め寄っていた。加藤厚労相はこれに対して、外国籍の船には我が国は何らの権限がない等の具体的な事情に全く触れようともしなかった。私はイギリス人の船長は「その前提になっていると承知していれば、何も言わないだろう」と想像はつく。そこで、厚労省乃至は外務省が正確で日本人の乗客に告知すべき情報の公開を怠っていたのではないかと疑っている。

私はこの数千人にもの色々の国の人たちが乗船しているダイアモンド・プリンセス号というか、大型のクルーズ船内で新型のウイルスによる感染症が発生したなどいう先例はないのだろうと思っている。また、現在のように世界各国の(高齢の)富有層がクルーズ船を利用して世界に旅に出るような時代になったのだが、恐らく今回のような事態が発生した場合の対処法の規定も、法律も整備しておらず、各国間の話し合いもなかったのだろうと見ている。だからと言って、ズルズルと善意だけで対応していて良いのかとの疑問も生じる。

私が未来の総理総裁候補に望みたいことは「こういう時にこそ、縦割り行政になっている各官庁を束ねて(一丸とさせて)事に当たる勇気(蛮勇かも知れない?)を出して、今回は俺に任せてくれ。俺がやることがこのような複雑な条件が絡んだ感染症発生対策の良き先例になるようにしてみせる」なのである。言葉巧みに出来ない理由を挙げていくことだけでは、どうにもならないのだ。

答えが一つだけの問題には速やかに対応できても、答えが見えてこない新規の記述式の問題に果敢に対応してくれないことには、CNNに揶揄されてしまうだけだ。安倍総理にも小泉元総理と平壌に乗り込んだ積極性を思い出してこの問題を快刀乱麻を断つが如くに処理して頂きたいと願っている。テドロス事務局長に目に物見せて頂きたい。


ダイアモンド・プリンセス号における感染者の発生

2020-02-09 10:37:23 | コラム
我が国が責任を負うべき案件なのだろうか:

私には疑問点だらけだが、我が国は全力を挙げて、この大型クルーズ船内の新型コロナウイルス感染者の救助に努めている。良いことだとは思うが、この船はUKの船籍で運営しているのはU.S.Aの企業である。私の理解では「船の運営の全責任は船長にあり、その船についての主権は船籍がある国に帰する」となっている。その理解が正しければ、我が国の政府はその船内で起きたことに対して船長の了解無しに手は出せないはずだとなってしまう。私はの感染はこの船にとっては貰い事故のような性質だと解釈している。


だが、我が国は懸命に協力して検疫官も医師と看護師も派遣しているし、検疫と検査に当たっているし、医薬品・食料品等々も搬入している。マスコミは日本人の乗客とは連絡も取って不平・不満を聞いているし、船内の状況を示す絵まで報道している。マスコミが何をしようと勝手だとは思うが、私は我が国が権限がない外国船籍の船に何故あそこまで協力と努力を惜しまないのかが、良く解らないのだ。解りやすいことを言えば「あのように提供した検疫や医療業務、物品は何処の誰の経費というか負担で行われているのか」という素朴な疑問である。いや、何故かが解らないのだ。

しかも政府はダイアモンド・プリンセス号(DP)以外にも新型ウイルス感染者が発生している他の国のクルーズ船の我が国への入港を拒否すると発表していた。拒否と発表した中の1隻には一桁台の日本人の乗客がいると報じられている。だが、DP号には1,200名だったかの日本人が乗っているし、色々と援助し続けているし、感染者を下船させて我が国の医療機関に収容している。ということは「日本人の乗客の数で取り扱いを決める」のが基準なのかと思ってしまう。その点についての報道はないのか、政府の見解が出ていないのかの何れだろう。

アメリカ政府はDP号のアメリカ人乗客を横田基地を使ってでもアメリカに送り返そうかの申し入れがあったとかだ。先ほどフジテレビに登場した加藤勝信厚生労働大臣の「何故そうしなかったのか」との説明は私には良く解らなかった。どうもアメリカ以外にも多くの国の乗客がいるから、そうしたら収拾がつかないという如何にも元大蔵官僚的な言い訳だったと聞こえた。運営会社の国の政府がそうするのは当然かと思うのだ。CNNに「監獄」とまで揶揄されても、善意の援助を続けていては、他のクルーズ船の扱いと整合性が取れない点はどうするのか。

マスコミのこの船で発生している感染者の報道の仕方もおかしいと敢えて言いたい。それは増える一方の感染者の国別と発生に至った事情を正確に伝えないと、その感染が広がっている責任が如何にも全面的に我が国の責任であると、事情を知らない諸外国に勝手に「日本悪人説」のように受け止めれられてしまう危険性が高くなるのだ。現に、ロスアンジェリーズに住んでおられる私の友人のお嬢さんは「早く危険な東京から脱出してLAにいらっしゃい」と電話で勧誘されたと聞かされた。そのアメリかでは流感による死者が1万人を超えているのだが。

私は先ほどフジテレビに出られた加藤厚労相には大変に失望したが、その点は別途触れておくことにしたい。一言にすれば「相も変わらず情報発信量の遅れと不足だ」となる。