新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

2月11日 その2 野村克也氏逝く

2020-02-11 14:13:36 | コラム
野村克也氏が亡くなったのは残念至極:

ご冥福を祈りたい。20年以上も前に私が通っていたジムでフットボールのテイームのトレーナーも兼務していた者が「我が国でトレーニングの方法で最も時代遅れなのが野球である」と指摘していたが、その遅れている野球界の中でも野村克也氏は最も進歩的な方だったと評価していた。惜しい方をなくしたものだと思っている。

野村氏の理論に関してはこれまでに何度か触れたことがある。それは何かといえば、テレビを中心にしたマスコミが礼賛するかのように報じる所謂「千本ノック」についてだ。彼はその著書の中で、嘗て南海の監督を務めたドン・ブラッシングゲーム氏(通称ブレーザー)が「ノックして右に左に捕れそうもないところにゴロを転がし、飛び付かせる練習法は無意味だ。飛び付くのは敏捷性というか身体能力の問題であり、捕球が正確に出来るようになることとは別問題。基礎は素早く頃の戦に入って身体の中心で腰を落として捕球することを優先すべきだ」と説き聞かせたということ。

これは余りにもまとも過ぎる正論であり、このような地味な練習を繰り返して基本を覚えることを優先すべきなのだ。昭和20年代初期の我が湘南中学の蹴球部では「前後左右に緩く蹴られたゴロの球の線にいち早く入り、身体の正面でトラッピングするかストップして球が出てきた方向に正確に蹴り返す練習」をイヤと言うほど毎日やって来たのだった。「球の線に入る」、「身体の正面で捕らえる」というのが基本である。ブレーザー監督の教えと全く同じだった。千本ノックのように「絞ること」が上達への道だと思っていたら大間違いだ。

ところが、2月1日にキャンプイン(「カタカナ語であり、こんな英語の表現はない、念の為」した読売巨人軍の二軍監督に就任した阿部慎之助は、当然のようにノックバットを振るって千本ノック的な熱血指導をされたと報じられた。この時代に30歳台で指導者になって未だにこういうことをやるから、フットボールのトレーナーに軽蔑されてしまうのだ。大体からして二軍にも内野守備コーチがいるのだろうから、監督自ら指導をされてはコーチは不要ではないか。かの大監督も常にキャンプ中には選手の打撃を指導されていた。時には投手まで教え導かれていた。

私は故野村克也氏が現実にどのような監督であったかを知る由もないが、少なくとも打者の個人指導をしたとのテレビの画面を見た記憶はない。これほど野球の世界は時代遅れでも、来たるべきオリンピックでは優勝を目指すと意気軒昂である。幸いにして世界的に見ても最も理論的にも進んでいるアメリカからはMLBは代表に選手を送り込まないようだから、稲葉監督には優勝の機会はあるだろう。記憶に誤りがなければ、野村氏は「何故、俺が日本代表の監督ではないのか」とぼやいておられたとか。重ねてご冥福を祈りたい。

私は良く知らない案件なので

2020-02-11 08:37:12 | コラム
ダイアモンド・プリンセス号(DP号)の取り扱いに対する疑問:

私はこの出入国管理法第5条で乗客の入国が禁じられているこのクルーズ千二対して我が国(の政府)があそこまで努めているのが果たして国際法上に何らかのそういう規定があるのか、善意からなのかあるいは単なるお人好し(在職中は“good-natured”と表現して理解されていた)からなのかが皆目解らないのだ。それだけではなく、感染者が日に日に増加していくことをテレビや新聞が恰も我が国の責任であるが如くに大々的に報じる意図も理解できないのだ。もしも、純粋に善意からだったとしたら、好い加減にして欲しいという思いだ。


私はあの3,700名の乗客乗員から感染者が発生していることは「このような新型ウイルスが一旦一人にでも感染すれば大型のクルーズ船のような閉鎖空間に全員を止め置けばどれほどの勢いで広まるかの実験をしているのと同じではないのか」と思っている。その通りに感染者は増えていっているではないか。マスメディアはその点に全く触れずに、唯々連日「また増えた」だの「全員の検査が出来ないのか」と言うばかりだ。彼等は正確に「外国船籍の船とは」を解説すべきだ。これまでに、この点に触れたのは木村太郎氏だけだったが、司会者はそれ以上は言わせなかった。

私はあのような外国船籍の本船に乗ることは「外国に出国するのと同じで、入管に届け出てからしか乗船できない」と思っていた。それはW社が所有していた船会社の船がお台場に入港しても我々は届け出なくしては本船には立ち入り出来なかったのだから、そういう規定があると解釈していた。アメリカの船社のコンテイナー船に乗るのも同じ扱いだった。だが、今やあのDP号には検疫官・医師・看護師・荷物の搬入者等々がドンドンと乗船している。ということは、超法規的な措置か、法的手続きは省略されているのかと思いつつ、テレビの画面を眺めている次第。

上記の疑問を更に詳しく述べていけば、DP号のような船が入港を試みた場合には、国際法に関連する規定があってそれに従っているのか、出入国管理法と緊急事態が発動されている現在では特例として接岸を認めたのかという点が解らないのだ。最初は接岸させずに沖合で検疫官や医師等を乗り込ませていたのは如何なる規定に従っていたのかと思ったし、それが何で接岸させることに変わったかが知りたいのだ。運営するプリンセス会社は全額を払い戻すと表明したが、我が国が供給している医師等の費用と物品の代金も負担する契約になっているのかも知りたい。

更なる疑問は後続のクルーズ船の入港を既に拒否すると表明しておきながら、何故DP号にあそこまで努めるオブリゲーションがあるのかも知りたい。もしかして日本人の乗客が1,100名であるからなのかとも疑う。クルーズ船なるものが今日これほど増えてきた以上、このような本船上で疫病が発生したときに如何なる対応をすべきかの試験運航をしているような状況かとも思っている。前例がなかっただけに難しい問題が多過ぎるのではないのか。

乗客の方々は情報がないの薬の供給が遅いのとご不満が多く、その矛先が恰も我が国の政府に向けられているのも一寸おかしいのではないのかと思う。運営会社は乗客の方に「船内は外国である」と伝えてあったのだろうかと疑う。また、テレビでは全3,700人の検査が出来ないのかというが、もしかして物的に可能という議論は成り立つかも知れない。だが、現実的にはあり得ないと思う。確かに検査が出来る病院は我が国には数多あるだろうが、そこには入院患者と外来患者の検査もあるのだ。第一、遠隔地の病院等の機関にどうやって誰が検体を輸送するのか。無理な話だ。

未だ知りたいことがある。我が国は(もしも超法規的にGP号に対処しているのであれば)数十ヶ国にも及ぶと聞く乗客の国々から一言でも挨拶があったという報道がないのは何故だろう。「費用は惜しまないから我が国民を救って下さい」とでも申し出があったのだろうか。大体からして、あれほど多くの救急車を大黒埠頭に集めてしまえば、横浜市の消防署や救急隊は機動性を失いはしないかとすら危惧している。2006年の1月以来、それこそ数え切れないほど救急車に助けて頂いた者としては、気懸かりなのだ。

何方か無知な私の素朴な疑問に答えていただけないだろうか。それだけではない。私は矢張り新型コロナウイルスは既に我が国の至る所で空気中に飛散しているのかも知れないのかと恐れている。昨日も昼食を摂った近所のホテルの食堂では、我々夫婦の隣のテーブルに3人の北京語をはしている何処かの会社の作業服を着た連中がいた。少し怖かったが、結果が判明するのは24日も先だとか、中国のこの問題の権威の医師が発表したと報じられていたのだ。