新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

カタカナ語の面白さを追求して見た

2021-10-30 09:02:01 | コラム
カタカナ語を排斥や批判するだけではないのだ:

私はこれまでに色々な形でカタカナ語批判を展開して来たが、残念ながら余り受けていないようだった。今回もそれに懲りずに、今までとは違った角度からカタカナ語の面白さを分析してみた。その角度とは「同じ英語の綴りであっても、製造業者の理解が異なるか、または時と場合によっては、異なったカタカナ語になってしまう(されてしまう?)」ということだ。以下に、具体的な例を挙げていこう。アルファベット順にはならないが“O”を“oo”のように二つ続けた例が、最も私の興味を惹いたので、ここから始めて行こう。

“oo”をカタカナ語化すれば:
母音の話である。この綴りが入っている単語がどれだけあるのかと思って、試みにアルファベット順に並べて辞書で発音を確認してみた。すると、驚くほど沢山あった。しかも“book”のように詰まる音の「ブック」となるものと、“boot”のように「音引き」というか「ウー」となるものに別れていた。

詰まる音の例を挙げていくと、cook、foot、good、look、rookie、mook、took等があった。中でもrookieは以前から指摘して来たことで、戦後間もなくだったと記憶するが「アメリカでは野球界の新人を「ルーキー」と呼んでいる」とラジオで紹介された。それ以来rookieは「ルキー」、または「ルッキー」となることがなかった。

次に「ウー」のように長くする例にはboot/s、hoot、moot、root、shoot、toot、zootなどがあったのだ。この後に紹介する例でも、カタカナで表記する前に英和でも何でも辞書を引く手間を惜しまなければ、正しいというか英語本来の発音に近い表記になったと思うのだ。

“K”のカタカナ語化:
これはKが綴りの終わりになっている単語が、英語の通りに「ク」とはなっていない例である。それらは“deck”が「デック」とならないで「デッキ」となっているし、“milk shake”は「ミルクシェイク」ではなく「ミルクセーキ」となっているようなことだ。また“stick”即ち「杖」は「ステッキ」となっているのだ。余談になるが、“deck”は野球用語では「ネクストバッターズサークル」となってしまっている。アメリカ人の表現では“Shohei is on deck.”なのだ。どうして、デックがあのようなバッターに所有格のSまで付けたカタカナ語になったのだろう。

“R”のカタカナ語化:
これまでに“Kordy” や“Moderna”を例に挙げて「散々Rを『ル』と表記するのは駄目だ」と批判してきた。だが、勝手にこのような英語の発音とは異なる「ル」にしているカタカナ語は未だ未だあるので、この際並べてみようと思う。“cork”は「コルク」のことだが、英語では「コーク」だ。一寸難しい「モルヒネ」は“morphine”で「モーフィン」なのだ。「レトルト食品」の英語の綴りは“retort”で「りトート」である。野茂投手で有名になった「トルネード投法」は“tornado”で「トーネイドウ」なのだ。どれにも「ル」とはなっていないのだ。

結び:
再度言っておくと、「ここに取り上げたような英語の通りの表記にせよ」と主張しているのではない。多くの方が指摘されたように「最早日本語として広く通用してしまったのだから、あのままで使って良いじゃないか」だと思っている。私の意図は飽くまでも「それはそれとして、本当はこうなっているのだと承知して貰えれば、それで結構」なのである。「ルーキー」と言ったって解ってくれる優しい人もいるだろうから。