新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

11月11日 その2 偶には野球を語って見ようかと

2021-11-11 10:43:21 | コラム
NPBのクライマックスシリーズのファイナルステージ観戦記:

偽らざる所を言えば、日本シリーズはスワローズ対バッファローズになれば良いと期待している。その思いで、昨10日の夜はCSとやらの中継を見ていた。但し、NHKのBSが宮本慎也の解説で流していたバッファローズ対マリーンズを中心にして、スワローズ対ジャイアンツの試合はチェンジの間だけ見るようにしていた。実は、悲観論者の私は野球観戦が楽しいのだが、あれだけ多くの観客に入って貰っているのを見れば、別のことが気になってしまうのだ。

そもそもジャイアンツ嫌いの私は「もしかして、彼らが勝つてしまうかも知れないころを見てしまうような事態を避けたいと思っていたのだ。スワローズに「勝ってしまうかも」と怖れる根拠はと言えば、*リーグ戦終盤の10連敗というどん底から立ち直っているかも知れない、*リーグ戦中は負け越しだった菅野が彼本来の調子に戻りつつあるという辺りだ。

そこで、バッファローズの山本由伸が何とか1回表を切り抜けた後で、テレ朝に切り替えた画面を見て「山口俊が投げている」と驚かされたのだった。独裁的監督とメデイアが批判している原辰徳監督は正気かと思ったのだった。彼はMLBに行って使い物にならないとお払い箱になった山口を採用して非難されただけではなく、その山口は確か夏場から1勝もできていなかったのだから。私は今年限りで戦力外とするのだとばかり見ていた。事もあろうにその山口を出して1回の裏で3失点になったので、仮令奥川恭伸を起用していても何とかなるかと一安心だった。

ジャイアンツはこれくらいにしてバッファローズ対マリーンズに行こう。かなり厳しいことを言う宮本慎也は何も言わなかったが、私は山本由伸の1回表の投球振りを見て不安だった。それは、リーグ戦中に見せていた低目だけに速球がコントロールされ、フォークボールが「ストライクになるカウント球」と「ストライクからボールになる空振りを取るもの」に見事に投げ分けられていた投げ振りが、なりを潜めていて速球が高目に浮いていたからだ。私は即不調だと判断した。

それでもそこはリーグ戦中に18勝もした一級品の投手だけあって、大きく曲がるカーブに活路を見出して、マリーンズに与えたヒットは4本、奪った三振が10、5回以降は三者凡退という具合で、ロッテは全く付け入る隙を見出せずに終わった。今年から飛躍してきた投手にも拘わらず、恐らく自分でも調子は良くないと承知していたのだろうが、問題点を試合中に修正してしまった能力は只者ではないと思わせてくれた。大した物だと、あらためてこの投手を評価した。

一方のマリーンズの石川歩も山本に劣らない好投だったのだが、如何せん味方が山本に封じ込められたので、1回の1失点のみでも敗戦投手になってしまった。私は石川がもう終わってしまったかも知れない投手かと低評価していたが、昨夜の隙の無い投球振りを見せられては、評価を変えねばならないと少し反省させられた。

バッファローズもマリーンズも両投手に抑え込まれたので、投手戦というのか貧打戦というのか判断に悩まされたが、今頃は最後まで優勝を争っていた両テイームの選手たちは疲れが出たのだろうと、好意的に解釈することにした。1勝のハンデイキャップを持っているバッファローズがこれで2勝となって有利だが、先の見通しは未だ立たないと思う。

ところでスワローズだが、私はこのテイームの弱点は投手の数が不足しているところにあると見ていた。しかも、コントロールは抜群と評価されている奥川恭伸を第1戦の先発に使ってきた高津監督は凄い度胸なのか、未だ2年目の奥川をそこまで順調に育てた自信の表れか思っていた。その奥川が98球で完投・完封し、与えた四球がゼロとは立派だなんていうものじゃない、張本勲流に言えば「大天晴れ」だと感心した。同時に、ジャイアンツは復調した訳ではなく、実力があの程度ではないのかと、少し安堵したのだ。だが未だ未だ楽観を許す状況ではあるまい。

それにしても感心したというか印象深かったことは、大阪のドーム球場も神宮球場でもあれほど多くの観客が入っていた点だった。NPBにとっては興行的に有り難いことなのだろうが、CSなど開催して商売は上手いと思う。だが、現在は第5波が収束しつつあるのだが、観客を多く入れたことが望ましくない結果をもたらすことなどないようにと、半ば祈るような感覚で観戦していた。

それに性善説を信奉しているかのような政府は何を考えたのか、8日から入国制限を緩和しているのだ。ワクチン接種証明だとか、陰性の証明書があれば入国させると言うが、世界の何処かには何でも見事に偽造する集団があると聞く。ビジネスで入国してくる者たちをそこまで信用するのかなと、永年性悪説の国の会社にお世話になっていた者は不安になるのだが。


アメリカの就職事情

2021-11-11 08:41:17 | コラム
マスコミ報道の無責任さを問題にしたい:

本日発売の週刊誌の新聞広告には何と「小室夫妻の離縁」に触れている記事があった。小室夫妻のことについては、もう触れないと決めていたが、これを見て矢張り言っておかねばなるまいと思いついたことがあった。

それは、掲題の「アメリカにおける就職事情」、即ち文化の違いである。少し前に、どの週刊誌だったかは失念したが「小室氏がNY州の弁護士試験に不合格となり、収入が激減した場合には、UKのレスター大学で博物館学修士を取得しておられた真子さんが1,500万円ほどの年俸が期待できる博物館に就職して家計を支えれば」という記事を載せていた。非常な誤解というか誤認識を招きやすい記述だと思った。

そう言う根拠は「我が国とアメリカの間には、就職と就社の違いがあるということ」なのだ。私はこの点については、これまでに繰り返し述べてきたのである。その中で最も顕著な違いの一つとして挙げてきたことが「アメリカでは事業部長(博物館ならば館長か)が必要に応じて即戦力を採用するのであって、その必要がないときに新規に採用して増員することはない」なのである。

その「必要な場合」とは、その事業の責任者が「事業の発展によって人材不足となった」、「退職か引退によって生じた欠員を補充する」、「新規事業を計画する」等々の場合に補充するのだ。その方法は「社内に募集広告を出す」か「公募する」か「伝手を頼って同業乃至は他業界から引き抜きをかける」か「ヘッドハンターに依頼する」か「責任者の手元にある履歴書の中から選んで声をかける」か「自薦で押しかけてきた者か、他者から推薦された者を面接する」等々である。製造業界は4年制大学の新卒者を定期的に採用することなどないとは既に指摘してあった。

真子さんが就職されるとなれば、皇族の出身というのは強力な材料かも知れないし「伝手」になるかも知れない。だが、博物館にせよ何にせよ、責任者が欠員もないときに新規採用するとは考え難いのだ。私はマスメディアが海外に多くの駐在員を出しているし、アメリカ等の海外の大学に留学の経験者は多いと思う。即ち、彼らは「アメリカでは就職であって、我が国のような就社ではない」という異文化の世界だと知らないはずはないと思う。そうであれば、チャンとそういう点を明記した記事を流すべきだと思う。流石に新聞社は真子さんの就職の可能性に触れていなかったが。

最後に確認のためにもう一点触れておこう。それは「アメリカの就職は、例えばアップルに入りたいと狙う場合には、会社に採用されることを希望するのではなく、具体的にその会社のどの部門で何をしたいかを明確にしておかねばならない」のである。我が国のように「先ず希望の大企業に入社できても、どの部門に配属されるかは別な問題である」という事情とは異なっているのだ。

私はW社に転じて2年目の1976年に、我が事業部がFood & Dairy Showに出展した際に、そのブースに立っていたときのことが忘れられない。そこにやって来た某大学の大学院生と名乗った青年が「この会社のこの事業部で営業を担当したいのだが、履歴書は誰に送れば良いのか」と尋ねたのだった。全く意味が解らず、ブースにいたアメリカ人の社員に「何のことか解らないので、替わって欲しい」と頼み、後でその質問の意味を解説して貰った。私はこのようにして、初めて彼我の文化の違いを学んだのだった。