新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

NPBのCSが終了して思う事

2021-11-13 14:31:24 | コラム
プロ野球に思う事:

*NPBは時代遅れになったのではないか:
もう「その昔」と言いたくなったほど以前のことだったが、90年までのライスボウル(実質的な日本選手権)を三連覇した後に、日本大学フェニックスが低迷した時期があった。その低迷期を振り返った故篠竹幹夫監督が「うちが弱くなった訳ではない。うちがずっと同じ所に止まっている間に他が強くなって追い抜いただけだ」としみじみと語られた。スワローズと3試合して一度も勝てなかったジャイアンツにも、これと似たような低迷というか停滞振りを感じさせられた。

ジャイアンツ嫌いとしては先ずそれを言っておきたかっただけのこと。NPBは何年前から開始したのか記憶もないが、クライマックスシリーズ制(CS)なるものを導入していた。私には興業政策だとしか見えないが、それなりの成功はあったようだ。だが、今回のようにリーグ戦で3位に落ち込んで尚且つ負け越したテイームが、このシリーズに出てくるのは「如何なものか」ではないかと感じていた。

しかしながら、未だに球界の盟主の如くに崇め奉っている報道機関は、情けないことにこの「如何なものか」には一言も触れていなかっただけではなく「3位から日本シリーズを目指す」とまで言い出す始末だった。実は、既に述べたようにかく申す私はその勝ち上がりの危険性なきにしもあらずと、独り密かに危惧していた。

私が感じていた矛盾点は両リーグ併せて12テイームしかなく、そのまたセントラルとパシフィックでは上位3球団で勝ち抜き戦を行うのでは、140試合ものリーグ戦で優勝したテイームを冷遇しているとしか思えないのだ。これは、アメリカのMLBのポストシーズンゲームを真似たのだろうが、向こうさまは確か各リーグに30球団もあるのだから、お手本にも比較にもならないと思う。

少なくとも規定を変えて「上位3球団に入っていても、勝率が5割を切った場合には失格」くらいの条項を設けておくべきだと思っている。これとは話が違うが、NPBにはJリーグやBリーグのように複数のリーグがある訳でもなく、下位に沈んでも下部リーグに落ちる危険性もないのだ。因みに、JリーグはJ3までで57テイームがあり、BリーグでもB2までに38テイームがあるのだ。ポストシーズンゲームはJリーグではJ1の20テイームの上位が、BリーグではB1の20テイームの上位が覇権を争っているのだ。

「勿論」と言うべきか何と言うべきか、JもBも経営問題がなきにしもあらずのように報じられている。だが、それとポストシーズンゲームの制度は別の問題だと思う。簡単に言ってしまえば、プロ野球業界にも嘗ての川淵三郎氏のような実力者の改革者が現れて、数多ある社会人の球団に働きかけて、少なくともセントラルとパシフィックの両リーグを12球団ずつにするくらいの思い切りがあっても良くはないかと思うのだ。

私は「SDG’sだのAIの活用やデイジタル化が叫ばれている時代に合わせた変化というか、敢えて言えば進歩があって然るべきではないのか」と言いたいのだ。更に、別な問題として実情を詳細に承知していないが、社会人テイームに所属している選手たちの身分にはかなり微妙な経済的な点があるようではないか。プロとアマチュアの交流が完全に解放されていない状態も、何とかする方向に進んでも良い時が来ていると思う。

*だから数字いじりは止められない:
少し柄にもない堅苦しいことを論じたので、数字から見た勝負の面白さを感じたままに取り上げてみよう。バッファローズ対マリーンズの試合が1対0から2対0と一目上がりになっていたので、第3戦は3対0となりはしないか、同様に4対0から5対0となっていたスワローズ対ジャイアンツの第3戦は6対0かと戯れ言を述べてあった。

ところが、なのである。この辺りが数字いじりの何とも言えない面白さで、バッファローズ対マリーンズは9回裏のまさかの強行作戦で3対3の規定上の引分けでバッファローズの日本シリーズ出場、セントラルリーグでは2対2でスワローズは9回裏を戦うことなく引分けでの日本シリーズ出場を勝ち取ってしまった。規定による引分けなので未だ嘗て見たことがない幕切れだった。それに、引分けで決着では勝利と敗戦投手が不在だったのも、言うなれば面白かったと思っている。しかも先に終わった方が2対2で、後の方が3対3と、ここでも一目上がりとは。

*サッカー界に一言:
ジャイアンツ嫌いとしては、一安心の結末だったが、2試合ともこの試合は如何なる結末を見せるのかと、興味を持って見ていた。そこで、サッカー出身者が率直に言えば、残念至極にもサッカーのA代表のよう格下のベトナムを相手にして、仮令中継して貰えていなくても、1対0でやっと勝っているようでは、困ったものだと言う以外の言葉を知らないのだ。既に述べたことだが、MLBに数多くいる個人事業者の集団のように「やってやろう」という気概を見せるサッカーをやるよう奮起して欲しいのだ。