新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

私が見る岸田内閣の不安材料

2022-09-17 08:26:32 | コラム
あらためて岸田文雄内閣総理大臣に奮起を促したい:

岸田文雄氏については、予てから非公式な経路からの情報でも「力不足では?」と懸念する声が党内でも密かに囁かれているとの噂があったと聞いたこともあった。個人的には、あの30万円給付案が滑ったときに、この方の政治生命というか将来性は暗いのではと思わざるを得なかった。語り口でも常に誹りを受けないような具体性に乏しい無難なことばかりで、何を言いたいのかがので、自信がないのかので、自信がないのかとの印象だけが残った。

その岸田氏が突如奮起されて「二階幹事長追い落とし」を唱えて、積極的に脚光を浴びる位置に登場されたのは意外だったし「案外、この方も何か良いことをするのじゃないのか。これまでの慎重居士の姿勢は世を忍ぶ仮の姿だったのか」と見直しても良いのかなと感じさせる何かがあった。ところが、現実に総理大臣になられてみれば「聞く力」だの「手帳」などと、具体的に国民の為に何をやってくれるのかという点では、期待しにくい方だとしか感じさせて貰えなかった。

「矢張りそうだったのか」と失望感を禁じ得なかった。だが、私は持論として「我々国民が民主主義とやらの旗の下での選挙で選んだ総理大臣なのだから、俺は広島に行って彼に投票した訳ではなくとも、岸田氏に期待してお任せすべきである」と考えているので、「何時の日にか」と待つことにして来た。

だが、そこに岸田氏の統治能力というか「自分が一国の指導者である」との毅然たる態度で臨まねばならない安倍元総理の非業の死への対処、即ち国葬儀と対旧名統一教会の問題への対応がはかばかしくなく、野党とマスコミ連合軍に格好の非難攻撃の材料を提供する結果にしてしまった。しかも、為にする世論調査での内閣支持率が不支持率を下回るところまで持って行かれてしまった。

今頃になって言っても詮無いことだが、岸田総理は旧名統一教会問題があそこまでになってしまう前にというか、発生した時点で「私が総理総裁の責任として、この件に関しては自民党所属の全議員に即刻如何なる形でも、関連があった者は完全に断ち切れと指示した。今後一切国民の皆様に疑惑を持たれることはないと保証するので、宜しくご理解を」と、総理大臣として党総裁としての固い意志と決意を示しておけば済んだことではなかったのかと遺憾に思っている。

指導者としてグラついていたから、幹事長に党内の議員の身体検査を命じて、その結果報告に手間取り、出てきた結果が不十分だったことが野党とマスコミ連合軍にまたもや付け込む隙を与えてしまったのではないのか。マスコミは総理には木原誠二という片腕の官房副長官がいると報じるが、片腕はあの程度の対処法の進言しか出来なかったのかと疑いたくなってしまう。

国葬儀にしても、Prime Newsにゲスト出演された伊吹文明氏は「閣議決定に持っていかずに、国会と野党に諮っておけば・・・」とまで言っておられた。失礼を顧みずに言えば「聞く力を言われるのならば、閣議にかける前に先達の意見を訊かれても良かったのではないのかな」と思わせるのは、岸田総理には何らかの焦りもあったのかと感じている。

私は何度か「優先順位のつけ方に疑義がある」と指摘してきた。その一例としてNATOの会議に赴かれたのを挙げたい。私には海外出張に重点を置かれたかに見える動きは、国内の情勢への対処が不十分だとしか見えてこないのだ。解りやすい例を挙げれば「円安対策」、「物価上昇」等の国民の生活に直結しかねない問題への対応は言うに及ばず、今度は「冬場の節電を」と、今から国民に呼びかける不始末などは論外であると思う。

エネルギー問題を何処まで理解しておられるのかと言いたくもなってしまう。原子力発電所を幾つだったか動かせと言われたそうだが、報道ではそれらの原発は規制委員会が稼働を認めてあったところだそうだ。慎重に事を運ばれるのも結構だが、国民の生活が少しでも改善される方向になる政治をされるのが、内閣総理大臣の重大な責務ではないのだろうか。そうと知ってか知らずにか、エリザベス女王の葬儀への参列は取りやめされたのではなかったか。

私は如何なる事があっても、故安倍元総理が言い切られた「悪夢の民主党政権」を再来させそうな方向にはならぬよう、最善の努力をお願いしたいのだ。