新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

スポーツ、あれやこれや

2022-09-19 08:38:24 | コラム
野球、ゴルフ、サッカーを語ろう:

先ずは野球から:
私は各テレビ局が早朝から時差があるアメリカで、大谷翔平が今何をやっているかまでも報じてくれるのには、余り感激していないし評価もする気がない。私はそれよりもスワローズが無事に連覇に向かって進んだかと、村上宗隆が何とも言いようがない「敬遠攻勢?」を切り抜けて、王貞治の記録を破ったかの方に興味も関心もあるのだから。

どのテレビ局の解説者もあの立浪監督の申告敬遠の是非を論じなかったのは、不甲斐ないとしか思えなかった。最下位の球団が首位のスワローズを倒すのは甲斐甲斐しくて良いかも知れないが、その為の手段が申告敬遠とは情けなさ過ぎる。昨夜もタイガースの矢野監督は「批判されるのは承知だったのだろう顔付きで」村上を申告敬遠した。3位を死守してCSとやらに出たいのは当然だろうが、「目的は手段を正当化しない」と知るべきだ。姑息的だ。立浪は言語道断。

私は彼らが村上に打たせないようにする動機を推察すれば、自分の球団が村上に新記録を立てさせたと、後世まで喧伝されたくないためだと見ているのは僻目か。恐らく、嘗て外国人の打者に王貞治の記録を破らせまいとして四球攻めにしたのとは、違う現象だと思っている。好意的に見れば「現在の監督たちはそれほど排他的にはなりきれてはいない」と思うのだが「排内的」であるのは好ましくない。

私だって大谷翔平が2年続けてアメリカカンリーグのMVPを取れれば良いだろうと思っている。だが、私は非難攻撃されるのを怖れずに言えば、我々は大谷翔平君に「我が国を代表してMLBに行って我が国の野球選手が地元の選手たちに負けないほど優れていることを是非とも立証してくれ」と依頼した覚えはないのだ。私はこれまでに何度も「大谷翔平はいまだ嘗て見たこともない逸材である」と賞賛した。その素質に花が咲いたのは大変結構なことだと認識している。

次は女子のゴルフに行こう:
昨日も東海クラシックで尾関彩美悠(アユミと読むのだそうだ)が18番ホールで怖めず臆せずにパットを真ん中から決めて優勝して見せた。前週の川崎春花と同じに19歳だそうだ。私はその物怖じせずパットを決める姿を見て、あの渋野日向子がThe Openを制覇した最後のパットを決めた光景を思い出した。言ってみれば「怖い物知らず」の強みだと感じていた。尾関にも川崎にも同様の感があった。

「怖い物」を知った渋野日向子は、あれ以来安定した力を見せきれずにいる。「勝負」というものの怖さはこの辺にあるのだ。「勝ち方を知っている」という表現を私は良く使う。この力は1回や2回勝ったくらいでは本格的に身に付く代物ではない。尾関も川崎も「勝ち方」を知ることが出来るのは未だ先のことだろう。

昨日が三回忌だった実弟はシングルハンディキャップの腕だったが、「優勝には運もある。常に2位に入る力がある者が実力者」と言っていた。渋野、川崎、尾関の3人が一層の力を付けて「勝ち方」を身につけた実力者になる日が来ると良いと思う。

最後に私の本来の持ち場であるはずのサッカー:
11月のW杯が迫ったにも拘わらず、森保監督は26人に絞りきれずにいる。失礼を顧みずに言えば「どんぐりの背比べ」の感が濃厚なのだ。その30人だったかに選んだ顔ぶれを見ていても新鮮味が感じられない。際立ったというか、大谷翔平や村上宗隆のような存在が見当たらない。何故だろう。

中学からJリーグにかけての年齢層にある息子さんたちを出しているだろう年齢層の父親の方々は、異口同音に「今や子供たちはサッカーをやりたがっていて野球ではない」と言われる。それでも非常に優れたと見える素材を、野球に数多く見かけるのは何故だろうかと訝っている。残念なのだ。

今朝ほども、テレ朝で久保建英がスペインでGKへのバックパスを執拗に追ってボールを奪う直向きなところを見せて、得点に結びつけた場面を流していた。良いプレーだと評価できる。解説していた福田正博は「久保はディフェンスをしないと批判されるが、このプレーは良かった」と褒めた。

私はこの久保君に関しては2点挙げておきたい。第一には「彼は上手いことは無類に上手いのだが、その良い所を引き出してくれるのはスペインのリーグのように周囲にいる世界的水準にある上手い選手たち」であり、日本の代表の中に入れば周囲に久保の力を存分の発揮させる使い方で出来る者がいないのが問題」と見ている。

第2の問題点は「恐らく、彼は森保監督の目指すティーム作りには不適格なのでは」だと思っている。そういう点では、香川真司も同じような不幸な境遇にあったと、未だに残念至極な事だったと思っている。解りやすく言えば「監督さんには好きと嫌いがあるもの」なのだ。伊東純也などは足が速いだけが取り柄だったが、森保監督が辛抱強く使い続けている間に、右サイドのエースにまで成長した。

久保君は最早森保監督が指導して伸ばせる余地が残っていないのではないのか。言い方を変えれば「森保監督のメリットにならない」のではないのか。

President誌の柳井正氏との対談で、川淵三郎氏は「ヨーロッパには沢山の有望な若手が行っているが、未だに一本目の地位を確実にしている者が少ないのは・・・」と残念がっておられた。私は以前にも「本田圭佑や香川真司は日本代表で振るわないのは周囲に本田も香川もいないからだ」と指摘した。大勢のヨーロッパ組の実力が向上すれば、彼ら一人ひとりの周囲に実力者が増えてくるので、何時の日か代表ティームの実力がヨーロッパに負けない水準に達すると期待したいのだ。