WSBCプレミア12の回顧:
後難を怖れずに言えば「日本代表Bティームは善戦健闘して2位になったのは立派だった」と賞賛したいのだ。考えても見て欲しい。打者ではジャイアンツの岡本もスワローズの村上(故障中とか)もホークスの近藤も山川も不参加だったし、投手では例えばベイスターズの東もジャイアンツの菅野もファイターズの伊藤も参加して(招集されて)いなかったではないか。大谷も今永もいないのだ。
考え方次第だが、日が当たっていなかった一線級にひけを取らない力がある「明日の全日本代表」に選ばれそうな人材に、国際試合出場の機会を与え、経験を積ませて力を付けさせてやろうとの試みだったのかも知れないのだ。その効果が目に見えて現れて、昨夜の残念な敗戦までの連戦連勝となったのだろうと思う。
私の目には一線級だったはずの桑原、牧、佐野はある程度以上の働きはして見せていたが、B代表に同化してしまった見えた以上の効果は発揮していなかったと、厳しく査定したい。流石と思わせられたのは源田の守備くらいものだったと見ている。
監督を任された井端和宏は良く全体を纏めて、決勝戦まで無敗で漕ぎ着けたと評価したい。だが、台湾との一昨夜の試合の先発メンバーは失敗作だったと見ている。きついことを言えば「Bティームの中からC級と決めつけても良いかもしれない選手に出場の機会を与えた温情」は裏目に出たと思う。
あの試合ではヒットも沢山打てたし、大量得点も出来た。だが、野球という競技の特性に「前日沢山ヒットを打つと、顔ぶれを変えても次の試合では打てなくなる」という点がある。私は「当たりに当たっている小園や辰巳を温存すると、折角の好調な当たりが止まってしまうのでは」と言う点も危惧していた。
昨夜はヒットが4本だったかに止まり、小園も大振りばかりで好調さは消えてしまっていた。もともと「ベイスターズの粗雑な野球を代表する選手」と貶してきた桑原は、日本シリーズMVPの勢いを失っていたし、牧も佐野も褒められる出来ではなかった。私が「モメンタムのスポーツ」と指摘してきたbaseballの特徴が全面的に出た敗戦だった。即ち、一昨夜までで、モメンタムを失っていたと言うこと。
井端監督のもう一つの采配の誤りは「とてもシーズン中の戸郷ではない」としか見えなかった戸郷を引っ張りすぎたこと。コントロールも良くなかったし、スプリットを見切られていたので、4回までで代えるべきだと見ていた。代えなかったことが裏目に出た。後から出た隅田が持ちこたえていたのだから、投手コーチだった吉見の失態でもある。
野球という勝負事の恐ろしさが全面的に出た、無念の決勝戦での敗退となった。だが、私は「あの戦力で善くもあそこまで勝ち上がったもの。立派な成績である」と選手たちと監督以下コーチを賞賛したい。当方は「代表という名の寄せ集めティーム」を単独ティームほどには評価していない。だが、今回の代表ティームは良く纏まっていて、単独ティームにも劣らない立派な成績を上げたと賞賛して終わる。