盛り沢山のスポーツの日だった:
早朝からアメリカMLBのWorld Seriesに始まって、午後には女子の日本代表の韓国とのサッカー、ほぼ同時刻に日本代表という名のクラブ対ニュージーランドのオールブラックスのラグビーが続いた。夜はNPBの日本シリーズという具合で、冷静なる評論家には休む暇がなかった。そこで、印象に残った事象だけを取り上げておこう。
集中力の凄さ:
MLBの野球の話である。流石だと感心したのが、Dodgersが同点に追いついた外野フライを打ったベッツと、10回の裏に「サヨナラ満塁ホームラン」を打ったフリーマンの「物凄い」と形容したくなった1点に集中して見せた集中力である。あの大試合のあの場面で気後れすることなく、気迫十分の表情を見せて立ち向かって行った凄まじいばかりの集中力には、感心せずにはいられなかった。
大谷君は同点になる機会を作った2塁打プラスYankees野手の送球ミスで3塁にまで行くというチャンスを作ったという褒め称え方は出来ると思う。だが、彼は「ヒリヒリする試合を経験したい」と言ってDodgersを選んだはずだ。
そのヒリヒリをWSという最高の場で初めて経験したのだから、昨日は未だ場慣れしていなかったのだろうか、ヒットは1本だったし10回裏のチャンスにも緊張感溢れる表情でファウルフライだった。1試合経験したので、あの環境にも慣れただろうから、第2戦目以降に期待しよう。
そこで集中力だが、私はゴルフを見ていても白人(という表現を敢えて使う)たちがパッティングの時に見せる異常とも言いたくなる集中力で決めていくのを見る度に「これは単なる場慣れだけではなく、彼等はこの一点に集中する精神力を養ってきているのが『違い』ではないのか」と感じていた。
彼等のこの高い集中力は、練習量や試合数や場慣れだけの違いがもたらすのだろうかと思って見てきた。そこに、あのフリーマンの気迫に満ち溢れた一振りで試合をひっくり返した集中力には恐れ入った次第。強いティームで大きな試合を経験してきたからこそ、高い精神力に加えて集中力が備わってきたのだと思う。
大谷君はMLB史上に希な凄い打者であるのは論を待たないのだから、WSで経験を積めば、そこに高度の集中力が加わって「鬼に金棒」となるだろうと期待しよう。
余計なことだろうが矢張り英語にも触れておこう。「集中力」を何というのかと調べてみた。真っ先に思い浮かんだのはconcentrationだった。なるほど、concentration power等というのや、concentration spanもあった。だが印象的だったのは文章にして表す“You are really concentrating.”や“You are so focused.”としたのもあった。主語をFreemanに代えるとあの場を表現できそうだ。
女子日本代表のサッカー:
佐々木則夫氏が監督代行でこの試合だけ指揮を執るというのには驚かされた。佐々木氏が臨時とは言え監督だった為だけではないだろうが、韓国を全く寄せ付けずに4対0で圧勝したのは我が方の実力が上がって、誰を出しても質が落ちない次元にティームの力が高い次元に達していることに感心した。どうしても澤さんがいた頃と比較したくなるが、未だあの頃の方が上だったのだろうか。
対オールブラックスのラグビー:
ジョーンズヘッドコーチが着任されているとは言え、ラグビーを熱心に見ていない私には知らない顔ばかりの新ティームでは、10本もトライを取られて負けたのも仕方がないと思って見ていた。何時まで経ってもリーチマイケル頼みでもあるまいと見ているが、外国人たちも余り役に立っている気がしなかった。ヘッドコーチの指導力に期待しよう。
日本シリーズ:
三浦監督が申告敬遠で満塁にして、打席に立ったことないはずの有原にヒットを打たれて2点取られたところで、試合が終わったと思った。牧、佐野、オースティン、宮崎が打たせて貰えなかったのは、ホークスのスカウティングの成功に、彼等の不振が重なったのかと思っている。そうでなければベイスターズの宿痾である雑な攻撃力の問題だろう。ジャクソンだって良く投げていたのだから、申告敬遠が敗因か。
ゴルフ:
そう言えば、昨日は習志野でマスコミ期待の松山英樹が出ているゴルフの大きな試合もやっていたのだった。そこまで気が回らなかった。松山君も何時でも優勝を期待されているのでは精神的負担が大き過ぎはしないかと、同情したくなっている。