中国の(?)研究院が国内18の都市で行った調査によると、裕福な、お金持ちな中国人は政府を信用していないということが明らかになった。
資産が1000万人民元を超えている人々のなかで、二人に1人は国外へ移住するつもりであるということだ。また三人に1人は資産を国外に移動させているということで、それによって国外への移住が容易になるとされている。
中国社会の富裕層のこのような動きは、ロシアでの富豪たちと共通する点がある。
両者とも自分達の財産を守ることができるのか、確信を持てないでいる訳だ。
まだ国内よりは国外のほうが、子供たちにより良い教育を施すことができると考えている。
ロシア科学アカデミー極東研究所ラリン専門家は研究員は、そうした傾向を次のように説明している。
「中国の近代化は、すでに長年にわたって大きな困難に直面しており、その問題はますます深刻になってきている。
社会の格差は非常に大きく、富のより公平な分配が必要とされている。しかしそれは富裕層にとっては、自らの資産に対する脅威と感じられる訳だ。富裕層への増税などが考えられる。それが彼らの目を国外に向けさせる原因となっているように思う」
研究員は、このように述べている。
国外の移住先としてはアメリカ、カナダ、オーストラリアなどが人気となっており、日本や韓国は圏外となっている。
特にカナダへの移住が人気なのは興味深いと思われる。カナダ政府は数年前、19世紀から20世紀初頭にかけて、中国人に対して差別的な政策をとったことに公式的な謝罪を行い、それも何らかの形で中国人の、お金持ちの層の心境に影響を与えていることは確かなように思われる。9月にはアメリカ政府も同様の公式謝罪を中国に対して行った。
西側の政治学者たちが中国が終いには崩壊してしまう、といった予測を立てていることも、中国人の、お金持ちを心配させる原因となっているようだ。
先程ご紹介したラリン専門家は政治のほかにも、インフレの問題や社会的格差の問題などが中国の経済的な奇跡を崩壊させる恐れがあることに触れ、次のように話してくれた。
「どういった展開を見せるのかは分からないが、西側諸国の専門家たちの見方が、状況を過熱させていることも考えられる。
しかし中国政府も実際に懸念を持っていることは確かであり、状況の改善のために多くのことを行っている。富裕層が国外に移住しようとしているのは、状況の現実を物語っている。それは多くの懸念が今、存在しているということの証だろう」
研究員は、このように述べている。
お金持ち、富裕層の誕生というのは中国にとっては比較的新しい現象だ。現在、政府が何らかの折り合いをつけようと、確かに試みてはいるが、ロシアの経験が示すように、それは容易なことではない。
世界の状況が予測できないものになっているが、特に中国ではそう言える。中国では政府と富裕層との間で、果たしてお互いがお互いにとって必要なのかといった問いが渦巻いている。
※(?)は聴き取れず
※二日続けて同じ内容のラジオジャーナル
11月11日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル