1010 Radio

ラジオから色んな情報が発信されるように、車いすの視点から情報や思いを発信。

南北朝鮮統一は誰の利益にもならない(2)

2012-08-23 | ラジオ
この不均衡は北にとっては二つのことを示す。一つは朝鮮統一で北のエリートたちは経済基盤を失い、南のエリートと同レベルのパートナーとして留まることが出来るかどうか。
もう一つは統一が成立すれば南北のコンタクトが活発化し、南の繁栄を知った北の一般市民は、北の貧困の理由はそのエリートらと彼らが数十年間にわたって行なった政策にあると、決め付ける事態は避けられないことだ。

一方で、あまりにも大きい経済格差は、南も統一構想を大手に振って歓迎していないことを示す。ドイツの例が示すように、統一はあまりにも高くつき、それを払う羽目になる韓国では、これを望む人はほとんどいないのだ。
韓国では特権階級グループも、ごく普通の市民も統一には懐疑的な姿勢を示している。しかも一番強く懐疑的な姿勢を示しているのは若者層だ。これが韓国に住む若者全体に共通する見解であることは、2012年にソウル国立大学が行った統一に関するアンケート調査で明白となった。
統一は絶対に必要と答えたのは50歳以上の市民では3分の2の67.3%だったのに対し、二十歳の若者のなかでは半数に欠ける(
「欠ける」のイントネーションが違う)48.8%に留まった。これは理解できる結果だろう。
というのも若者にとって北朝鮮は同一言語で話す国民が住んではいても、正体不明で興味の対象にならない代わりに、極度の貧困にあえぐ国だからだ。
これは南北統一が不可能だということではない。しかしながら、南北の指導者たちが語る統一論には、あまり真剣に耳を傾ける必要はないことは確かだろう。

朝鮮統一の戦慄―呑み込まれる韓国、日本の悪夢 (カッパ・ブックス)
クリエーター情報なし
光文社

8月6日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル