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2013年を総括、同盟国か敵国か、日本の選んだ道(2)

2014-01-12 | ラジオ
恐らく最終的に日本は、こうした恐怖感には裏づけがないという帰結に至ったのだろう。アメリカは今の段階では中国を同等なパートナーとみなす心積もりはない。一方で中国もすでに、ナンバー2の立場に甘んじる気はない。これは米中のライバル関係は恐らく強まっていく、ということを意味している。
つまり中国は軍事力の伸長を続けていくだろう。この方向性で中国の動きをさらにはっきりと物語ったのは、日本側の見方では、中国が尖閣諸島の上空に自国の防空識別圏を導入したことだろう。恐らくこれが靖国参拝を控えていた安倍首相の背中を押す最後の一撃になったと思われる。
このことで安倍首相はどうやら、日本の右派の政治家にも中国人政治家たちに対しても、日本の国益を強硬に主張する構えであることを示すシグナルを送りたかったようだ。
つまり日本の軍事力強化、アメリカとの同盟強化路線が続行されることを意味する。中国にとっては、これは自国の軍隊近代化、および係争水域での軍事行動に備えた、軍事力拡大の路線が正しかったことをさらに証拠づけることになるだろう。

2年ほど前、中国のとあるアナリストが中国の軍事的手段によらない交流、興隆を恐れるなかれ、と発言したことがあった。恐れねばならないのは、アメリカが平和的に、つまり軍事力以外の手段でその地位を下げることあるというのだ。
安倍内閣が今年明確に示したのは、日本は中国の崛起を認めるつもりはないということだった。
それではアメリカの弱体化は恐れるべきことなのだろうか。これは時が明らかにしてくれるだろう。

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2013年12月30日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル