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ロシアにも引きこもりはあるか(2)

2014-01-16 | ラジオ
さてそれではロシアの状況はどうなのだろうか。リュドミラ・サーキャン記者は、サンクトペテルブルグ心理学・社会作業研究所のベーロフ教授に意見を聞いてみた。
「もちろんロシアにも、そうした人々がいる。日本とまるで同じだ。多くの場合、物質的に保障された家族の子供たちに見られる。
とはいえすぐに、だからそうなんだと言うことはできない。単にそうした家族は、物質的に豊かとはいえない家族に比べて、より頻繁に相談センターや心理学者のところにやってくるので、そう見えるのだ。貧しい家庭の場合、そもそもこの問題に気がつかない場合さえある。
逃避というのは、だいぶ前から知られていましたが、引きこもりの新しさというのは、かつて社会逃避、社会を厭う傾向が中年の危機などと言われたように成人特有のものであったのに対して、現代では社会生活に疲れ、そこから逃れたいという願望が、子供にまで広がっている点だ。これは一種の抗議形態だ」
教授は聞いてみた。

ロシアでは社会生活に疲れた子供達、あるいは大人が逃避を試みる場合、日本とは又別の形態が見られるのだ。
今現実に存在している社会的現実に溶け込めない場合、引きこもりというよりも、家出という形でより頻繁に見られる。
こうした現象の根っこにあるものは、いったい何なのだろうか。ベーロフ教授は次のように話している。
「こうした現象の原因は幾層にもなっている重層的(同じこと言ってるじゃん)なもので、主に大都市特有のものだ。
都市では社会は人間に過大な要求を突きつけてくる。絶えず情報が流れ広告があふれ、テレビや携帯電話、インターネットに追いかけられる毎日だ。
こうしたすべてが人間の心理、とりわけ子供達の心を圧迫している。誰かはこれができたけど、誰かはできないという具合だ。 
どの国でも多くのティーンエージャーにとっては、大人になり社会生活に入ってゆく時期というものは辛いものだ。
また別に教育上の問題もある。しばしば子供達は学校や高等専門学校、大学で親や社会の側からの期待という圧力を体験している。 

さらに一部のティーンエージャーや若者達は、単にあまりに怠惰な状態にありるように思う。
彼らにはインターネットやゲーム、音楽や映画などふんだんに買い与えることのできる両親がおり、外に出かける必要がないのだ。
彼らは何かをしなくてはならないとか、どこかに行かなくてはいけないとか、何かをするのが単に面倒くさくて嫌なのだ。 
四方を壁で囲まれた心地よい空間、日常、怠惰、内向きの行動、それがすべてで、悪いことにそうなってしまうと益々そうした傾向が強まっていくのだ」
教授は、このように強調している。

今のところ社会と国の反応は、無関心と言ってようものだが、よくある若者のトレンドとか、怠け者の行動パターンの一つと受け止めている場合が、ロシアででは多いようだが、問題として当然無視することはできない。
これまでの伝統的な方法では、この引きこもりという問題とは上手く闘うことはできなないのは明らかだ。
日本の経験は引きこもりという現象を、マスコミが興味本位に大々的に取り扱うことで、かえって矛盾した結果を招いてしまい、益々そうした若者を社会から遠避けているようにも言えるのたぬろうが、どうだろうか。

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2011年12月27日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル
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