社会はご存知のように絶えず変化している。古い問題が消えてゆく一方で新しい問題、また新しい社会グループが生まれている。
もしそうした変化に気がつかず、新しい問題を古い方法で解決しようとするならば、初めは極小さな傷も言ってみれば化膿してしまい広がって、深刻なものになるだろう。
現代はヒッピーに代わりヒッキーの時代となった。日本語のヒッキーあるいは引きこもりを文字通り訳すならば、孤独な一人きりの状態にあること、自分で自分を社会的からひどい隔離状態に置くこととなるが、社会生活を放棄し極めて重度の絶縁状態を目指す若者や未成年者を意味する専門用語でもある。
ヒッピーがグループ化し、自分達の行動やファッションなど外面的な、その姿によって社会に挑戦状を叩きつけたのに対し、現代のヒッキーのほうはグループ化せず、一人であることを好しとする。
彼らは社会性を受け入れる事を怖がっているというよりも、むしろそれを拒否していると言えそうだ。
現代の隠者達とも言える、このヒッキーの引きこもり生活は何ヶ月単位でなく何年という単位にも及ぶ。
日本の統計によると引きこもり者は主に、かなり裕福な家族に見られるが、そうでない場合は、そうした人々を家族が面倒を見ることは単に不可能だろう。
引きこもり者の数というのは、一種の社会現象といえるスケールで急激に増加している。
様々なデータによると日本では、引きこもり者の人の数は50万から100万人にも達している。
この数に大きな誤差があるのは、彼らの実数を把握するのは事実上不可能だからだ。
多くの家族は事実を深刻な問題として捉えていないということもあるし、体面を気にして世間から隠す傾向にある。日本では家庭内の争いを外に持ち出さない事、目立たない事が重要な美徳とみなされている。
家庭ばかりでなく学校などの公共機関でさへ、問題を明らかにするより隠そうとする傾向が見られる。
当初、引きこもり現象は日本に特徴的なもので、日本固有のメンタリティと関係があると見られていた。
母親と子供の間の際限のない、執着に見られるような、いわゆる甘えや、本音と建前から生じる内的な葛藤だ。
また他人の目を気にして子供がいじめられていたり、学業のストレスに耐え切れなくなっていても、学校に保護者が出かけてゆくことも、日本では比較的少ないように思われる。
しかし今では、この日本特有の現象と考えられていた引きこもりが、ヨーロッパやアメリカでも、さらには中国や韓国、南米、中東でも存在することが分かっている。
ヨーロッパでは彼らのことをニートとして扱っている。
※ロシアにも引きこもりはあるか(2)へ続く
2011年12月27日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル
もしそうした変化に気がつかず、新しい問題を古い方法で解決しようとするならば、初めは極小さな傷も言ってみれば化膿してしまい広がって、深刻なものになるだろう。
現代はヒッピーに代わりヒッキーの時代となった。日本語のヒッキーあるいは引きこもりを文字通り訳すならば、孤独な一人きりの状態にあること、自分で自分を社会的からひどい隔離状態に置くこととなるが、社会生活を放棄し極めて重度の絶縁状態を目指す若者や未成年者を意味する専門用語でもある。
ヒッピーがグループ化し、自分達の行動やファッションなど外面的な、その姿によって社会に挑戦状を叩きつけたのに対し、現代のヒッキーのほうはグループ化せず、一人であることを好しとする。
彼らは社会性を受け入れる事を怖がっているというよりも、むしろそれを拒否していると言えそうだ。
現代の隠者達とも言える、このヒッキーの引きこもり生活は何ヶ月単位でなく何年という単位にも及ぶ。
日本の統計によると引きこもり者は主に、かなり裕福な家族に見られるが、そうでない場合は、そうした人々を家族が面倒を見ることは単に不可能だろう。
引きこもり者の数というのは、一種の社会現象といえるスケールで急激に増加している。
様々なデータによると日本では、引きこもり者の人の数は50万から100万人にも達している。
この数に大きな誤差があるのは、彼らの実数を把握するのは事実上不可能だからだ。
多くの家族は事実を深刻な問題として捉えていないということもあるし、体面を気にして世間から隠す傾向にある。日本では家庭内の争いを外に持ち出さない事、目立たない事が重要な美徳とみなされている。
家庭ばかりでなく学校などの公共機関でさへ、問題を明らかにするより隠そうとする傾向が見られる。
当初、引きこもり現象は日本に特徴的なもので、日本固有のメンタリティと関係があると見られていた。
母親と子供の間の際限のない、執着に見られるような、いわゆる甘えや、本音と建前から生じる内的な葛藤だ。
また他人の目を気にして子供がいじめられていたり、学業のストレスに耐え切れなくなっていても、学校に保護者が出かけてゆくことも、日本では比較的少ないように思われる。
しかし今では、この日本特有の現象と考えられていた引きこもりが、ヨーロッパやアメリカでも、さらには中国や韓国、南米、中東でも存在することが分かっている。
ヨーロッパでは彼らのことをニートとして扱っている。
社会的ひきこもり―終わらない思春期 (PHP新書) | |
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※ロシアにも引きこもりはあるか(2)へ続く
2011年12月27日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル