1Q84 BOOK 1 | |
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新潮社 |
A書き始め★★★★★3
★★★★★小説家とは問題を解決する人間ではない。問題を提起する人間である。〜チェーホフ 257(2)
①
村上春樹の代表作の1つ。
映画を見るように繰り広げられる美しい物語。
天吾を取り巻く環境と青豆をとりまく環境の共通の目的。
さきがけの正体を暴くこと。
正体不明の先駆けのリーダー。
A書き始め1★★★★★↑
★ ★★★★Gr:ねえ、英語のlunaticとinsaneはどう違うか知っている?
どちらも精神異常をきたしているという意味だ(K)
insaneはうまれつき頭に問題があるということ。
Lunaticというのは、月によって、つまりlunaによって一時的に正気を奪われること。358(2)
A書き出し2★★★★★
★ ★★★★Gr;今ある月ひとつだけでもじゅうぶん人を狂わせるんだから、月が2つも空に浮かんでいれば,人の頭はますますおかしくなるんじゃないかってこと。359(2)
★ 3★★★★★
★ ★★★★K:ここではない世界であることの意味は,ここにある世界の過去を書き換えられることなんだ。359(2)
★ ★★★★Tm:何か奇妙なことは起こっている。そして俺の感覚がただ正しければ,これは何かの始まりに過ぎない。331(2)
★★★★★K:ここではない世界であることの意味はどこにあるのだろう。333(2)
◇青豆(以下Am) 女性 歴史、スポーツ好き。
⇒伊藤となのり、ホテルの点検の話をあるおとこに。84
ホテルで石油関係の投資家を殺す。
「私はもうクールな殺人者ではない。シャープなスーツに身を包んだ、にこやかで有能なビジネスウーマンだ。」96
「あの男には制裁を加えなくてはならない。青豆はそのときにそう心を決めた。」41(2)
「これまで3人の男を殺している女と,現役の婦人警官が一緒のベッドに寝るなんて」100(2)
◇ あゆみ シングルズバーであった女性。
婦人警官
A書き出し4★★★★★
1Q84−私はこの新しい世界をそのように呼ぶことにしよう、青豆はそのように決めた。QはQuestionのQだ。疑問を背負ったもの。25
歴史について言えること:
当時,先のことはまだわかりませんでした。ということ。12
30歳
舞台は1984年東京。
◇ タマル(以下Tm)/女主人:青豆と話す人
もともと青豆のつとめていたスポーツクラブで出会った夫婦。
◇ 大塚環:青豆の学生時代の友だち
いまは亡くなっている。親友
タクシーでの何気ないシーンから始まる。
⇒住ませなくてはならない仕事がある。82
◇川奈天吾(以下T):作家 29歳「なんでもない」存在。109
◇人妻のガールフレンド(以下:Gr) 10歳年上
◇ 小松(以下K):天吾と会っている編集者 41 45歳
【小松の目的の推測】仕事論★★★★B仕事論
T:小松さんも文学に取り憑かれた人間の一人です。そういう人たちの求めることは,ただ1つです。一生のうちにたったひとつでもいいから間違いのない本物をみつけることです。それを盆にのせて世間に差し出すことです。277
⇒
Nn:何かに見えないというのは決して悪いことじゃない。つまりまだ枠にはまっていないということだからね。274
◇ふかえり深田絵里子(以下Fk):天吾が書き直すことにある小説の原作者の小説
ふかえり自体は物語を書いておらず,語り,それをアザミが書いた。
⇒◇戒野(以下:Kn):ふかえりと住む先生、ふかえりの父の親友。
⇒T:彼女の中で何よりも目を惹くのは,その目だった。105
◇ 10歳の少女:つばさちゃん
子宮が破壊されている。170
⇒ふかえりの親が発起人の宗教団体さきがけで一人の男性にレイプされ、ぼろぼろに。208(2)
⇒さきがけのリーダーがつばさちゃんをレイプした213(2)
◇ リトルピープル
ふかえりの操作を導き,少女の子宮を破壊したもの。170(2)
Kn:「少なくともエリは小説空気さなぎにリトルピープルを登場させることによって大事な事実を語ろうとしているように見える」193(2)
▼
ジョージオーウェルのビッグブラザー:
全体主義で世界を支配する。
リトルピープルは、子供の精神を支配する何かか?
C★★★★★★本質ここは書くリトルピープルについて
★ ★★★★Fk:リトルピープルからガイをうけないでいるにはリトルピープルのもたないものをみつけなくてはならない。そうすればもりをあんぜんにぬけることができる。339(2)
⇒ふかえりは自ら進んで姿を隠した。341(2)
【時間と空間と可能性の観念】280(2)
時間がいびつなかたちをとって進み得ること。280(2)
C2★★★★★
★ ★★★★人は時間を休みなく消費しながら、それと平行して、意識によって調整を受けた時間を休みなく再生産していく。281(2)
★ ★★★★この記憶はお前という人間を規定し,人生を形作り,お前をある決められた場所に送り込もうとしている。どのようにあがこうと、お前がこの力から逃れることはできないのだと。283
D本心★★★★★
【ふかえりとの接近】★★★★★
⇒★★★★★天吾はふかえりに母との記憶を重ね合わせている。
⇒★★★★★しかしどうしてよりによって、17歳の少女の身体の匂いに、さっていった母親のイメージを求めなくてはならないのか?284(2)
◎ 男性しか感じることが多分できない女性の身体の匂いというモチーフ
いちごのにおい。グレープフルーツの匂い。★★★★★
D
★★★★★ふかえりはきっと特別な存在なんだ、と天吾はあらためて思った。ほかの少女たちと比べることなんてできない。彼女は間違いなくおれにとって、何らかの意味を持っている。彼女はなんて言えばいいのだろう、おれに向けられたひとつの総体的なメッセージなのだ。それなのにどうしてもそのメッセージを読み解くことはできない。293(2)
★ ★★★★T:その姿は天吾を生き苦しくさせ,いっそう激しい騒擾を心につくり出した。305(2)
D★★★★★
Fk:あなたのところにとめてもらう
あなたはよくわかっていない
わたしたちはひとつになっている。198(2)
K:もしかして、おれはあの子に恋をしているのだろうか?256(2)
T:職業的小説家になることを維持分が求めているのかどうか、それは本人にもわからない。小説を書く才能があるのかどうか,それもよくわからない。わかっているのは、自分は日々小説を書かずにいられないという事実だけだった。53
K:君が本来書くべきものは、君の中にしっかりあるはずなんだ。ところが。そいつが、深い穴に逃げ込んだ臆病な小動物みたいに、なかなか外に出てこない。60
<天吾とふかえり出会い>★★★★★D
T:実物を目の前にすると,その震えはいっそう強いものにあった。恋心とか,性的な興奮とか,そういうものではない。おそらく何かが小さな隙間から入って来て,彼の中にある空白を満たそうとしているのだ。そんな気がした。それはふかえりが作り出したのではない。天吾の中に元々あったものだ。彼女がそこに特殊な光をあてて、あらためて照らし出したのだ。117
★★★★★★◎Dここ★★★★★書き出し0000
T:空気さなぎという君のつくり出した物語に,僕なりの新しいかたちを与えてみたいと思うようになった。122
<パラレルワールド>
新しい世界の大部分は,私の知っているもともとの世界からそのまま流用されている。だから生活していくぶんには、特に現実的な支障はない。しかしそれらの変更された部分はおそらく先に行くに従って、さらに大きな違いを私の周りにつくり出していくだろう。誤差は少しずつ膨らんでいく。そして場合によってはそれらの誤差は、私の取る行動の論理性を損ない、私に致命的な過ちを犯させるかもしれない。
<ヤナーチェック>
一時期スランプに陥っていたヤナーチェックは、このカミラとの出会いを契機として,旺盛な創作欲を取り戻す、そして晩年の傑作が次々に世に問われることになる。257
<愛するということ>93(2) A書き出し★★★★★02
★ ★★★Am:一人でもいいから、心から誰かを愛することができれば,人生には救いがある。たとえ、その人と一緒になることができなくても。
★ ★★★Am:誰かを心から愛することができれば,それがどんなひどい相手であっても,あっちが自分を好くになってくれなかったとしても,少なくとも人生は地獄ではない。たとえいくぶん薄暗かったとしても。95(2)
<2つの月>★★★★★空気さなぎの検討すべきエピソードへの青豆の出会い
⇒2つの月:青豆は天吾の作った小説の世界?
★ ★★★★たとえば、ここではない世界には月が2個あるんだ。だから違いがわかる。357(2)
空には月は2つ浮かんでいた。小さな月と,大きな月。それが並んで空に浮かんでいる。大きなほうはいつもの見慣れた月だ。満月に近く、黄色い。しかしその隣にもう1つ、別の月があった。見慣れない形の月だ。いくぶんいびつで、色もうっすら苔が生えたみたいに緑がかっている。104(2)
⇒小松が天吾に小説に書き加えるようにと言われていたエピソード。
<作家としての天吾の目覚め>109(2)
空気さなぎを書き終えて:
★ ★★★★自分自身の中に潜んでいる物語を見つけ出し,それを正しい言葉で表現するのが作家ではないか。情けないと思わないのか。これくらいのものは、その気にさえなれば,お前にだって書けるはずだ。そうじゃないのか?
しかし彼はそれを証明しなくてはならない。109(2)